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第34話 楽しいことヤリましょう!

 大きなビルから地上付近に降りた私は、周辺で聞き込みを行ってくれていたマヌケを探していた。


「あ、あの……本当に何でも教えてくれるんですか?」


「あぁもちろんいいよ~! その代わり俺らに楽しいことヤラせてくれたらねぇ!」


「本当ですか?! 是非ヤリましょう! すぐヤリましょう! アタシ時間が惜しいので早くお願いします。」


「お? やる気満々じゃん! 君も好きなんだね~。そこに入ろうよ!」


「何でここに入るんですか? 別にいいですけど、早めにお願いしますね? サクッとやっちゃいましょうね!」


――これは……。多分マヌケさんは何もわかってないパターン……なんだよね? スマコ、助けてあげて?


《おいおい、マヌケ様。そいつらの楽しいことってのは、夜中の主がヤってるような、ピー……をピー……してピー……がピー……することだぞ?》


 スマコの口から放送禁止用語が連発される。


――てか私はそんなことしてない! ないったらない!


 途端に顔を真っ赤にして立ち止まるマヌケ。


「ん? どうしたの?」


「あの~すみませんが、アタシ用事を思い出して……。」


「はぁ?! ここまで来てそれはないでしょうよ~。君からヤろうヤろう言っておいて。」


――まぁ、確かに。何も知らなかったとは言え、その気発言に聞こえるような事は言っていたもんねぇ。


「ご、ごめんなさい。謝りますから無かったことに……あっ、あの!」


 両手をがっしり捕まれ、無理やり連れて行かれようとするマヌケ。助けたいのだが、近くに監視カメラが付いていて近寄れない。まぁマヌケも強いのでその気になればすぐに逃げられるだろうけど、おそらく自分が悪いのも分かっているから分が悪いんだろうね……。


 仕方がないので、かなり弱めの威圧を二人にかけて気絶させた。


「ア、アンブ~?! ごめん、助かったよぉ~!」


「ってあれ~? なんで私まで威圧してるの? あの、怖いんだけど?」


 私達はその後監視カメラが近くにない小さなレストランみたいな場所に入った。


「ア、アンブ? そろそろ機嫌を直してくれると嬉しいんだけどなぁ……。」


 私は今もマヌケだけに威圧を向けている。


――こいつは危機感が足りないんだ全く! よりにもよって男とホテルに入ろうとするなんて! しかも意図せずに向こうを誘ってしまう天然にも困ったもんだし。ブツブツ……。


――あれ? なんで私こんなに腹立ってるんだろ……。おかしいなぁ……。


「ごめんってばぁ~。もう知らない人に着いて行かないから許してよぉ~。」


 そろそろ泣きそうだったので、威圧は解いておいた。


「それよりも、情報は少しだけ入ったよ。まず、中央にあったあのタワービルが国王の城みたい。そこには、この国以外の機密情報などが集約されているみたいだよ。そして、その周りのアンブが登った建物はいろいろな研究を行っている施設みたい。その研究の内容については誰も知らなかったの。」


――研究施設……。怪しい匂いがプンプンするねぇ。


 こちらはもう少し調べてみる必要があるようだ。


 そして国王の城。

 カオスが何を企んでいるかは知らないけど、世界を混乱に陥れる気があるなら情報収集は大事だ。その大事な各国の情報がここにはある……。


 ここまでに来る途中には怪しい建物などは無かったと思う。でも異常な程の監視カメラの数とか、あちこち巡回している警備の人がいるっていうのも気になる。それと港町の町長についても不審な点は多いので気になる。

 

 これを全て調べるには2人では全く足りない。ここはアイツらを使った方がいいかもしれない。どちらにしても行動を起こすなら夜遅くからだ。気が付けばもう夕方だったので、ここで何か食べてから行動しようとなった。私お金持ってないけど。


 私達は少し食事をしてから時間をつぶし、行動を開始するために外に出た。


 すると、外にあった大きなモニターでニュースみたいなものが流れていたが、その中で「現在、外れ者が王都内へ入り込み未だに見つかっておりません。近隣住民の方はご注意下さい。」というアナウンスが流れていた。


――これ絶対私のことだ。なんか犯罪者みたいでやだなぁ~……。


 若干ブルーな気持ちのまま、人気のない広場へ行く。そこで、魔人のみんなをいつも通りポイポイ呼び出した。


デス「我らの主が呼ぶところ!」

ポチ「いつでもどこでも参上する!」

インコ「どんな指示も命令も!」

クモ「我らに出来ぬことはなし!」

コン「この忠実なる5つ刃がいざ参上!」


私、マヌケ「……。」


クモ「あ、あっれ~?! おっかしいなぁ~ここは、ちょ~かっこいいじゃん! って褒めてくれるとこだよ?! なんでお2人とも無反応なの?! 5人でめっちゃ練習したんだよ?! 完璧にしてから呼ばれるまでずっと構えて待ってたんだよ?!」


「……す、すごぉ~い! パチパチ!」


――マヌケ、顔が引きつってるって……。ていうか、こいつら暇人か。考えることが小学生! 誰が戦隊ヒーローの真似して出てこいなんていったのよ!


――こいつら呼び出すたびにこれやるつもり? 勘弁してほしい。聞いているこっちが恥ずかしくなるわ!


《お前ら、まぁまぁだな。次はもっと腕の角度に気を付けろ。》


クモ「はい、スマコ様! またご指導お願いします!」


――――犯人はお前かぁ! てか異空間で会話できんの?! 私にはそれ聞こえないの?!


《さて、これから王都内について調査に入るぞ。お前らも手を貸せ。》


――無視かーい!


《デスとインコ、お前らは老け顔だから酒屋に入って何でもいいから情報を持ってこい。酒屋は情報が集まりやすいからな。ポチとコンはこの周辺の監視カメラがどこで監視されているのかを調べろ。最後にクモ、お前はこの城の中に侵入して内部の動きを探れ。以上、別名あるまではその任務を遂行してろ。ただし、本日はあくまで様子見だ。調査時間を2時間とするから、時間が来たらまたここに戻ってこい。以上だ、散れ。》


「「はっ。」」


 皆が一瞬で消えた。


――えぇ~何この統一された動きは……。スマコが仕込んだの?


《はっはっは。なかなかのもんだろ? あいつらは私がコキ使ってやるよ。》


――あぁ~、そうなのね。もう全部任せるわ。


「そ、それでアタシたちは?」


《もちろんこの研究所だろ? ヘタレ様につながる情報ならここが一番怪しいからな。》


「なるほどね! よし、行こうか! ……んごぉ?!」


 私に後ろから服の襟を引っ張られ、急停止して首が絞まるマヌケ。


「罠。」


 私は研究所の入り口付近に、監視カメラとは別の重量センサーと思われる仕掛けが地中にあることをアイレンズで確認していた。

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