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第23話 や~い、化け物!

 今、自分の力についてスマコに説明を受けている私。


《魔王の力で発動できる魔法を応用すれば、主は本当に忍術を使うことが可能になったぞ。例えば暗黒魔法で分身体を作って、好きなように操ることが出来る。今はまだ10分程度で消えてしまうけど、4体の分身体を一度に作れるから「分身の術」の完成だ。更に応用して、敵に攻撃される瞬間に入れ替われば「身代わりの術」になるってわけ。こんな感じで魔法を応用すればまやかしじゃなくて、本当の忍術が使えるってことになる。分かったか?》


――マジかぁ~。


 確かに漫画とかで見る忍者って火を吹いたり、現実では絶対に不可能な分身の術

を使ったり、丸太と入れ替わったりしていて正直かっこいいし羨ましかった…。


 実際の忍者は、火を吹けるわけでも分身が出来るわけでもないのだ。本当は、火炎瓶などを使って敵を欺いたり煙幕と光で分身したように見せかけていただけ。まるで怪盗や、マジシャンのように。忍術の全てには種も仕掛けもある、まやかしのものだった。それはもちろん今も変わらない。


 しかし、今の私には魔法が使えてしまうので空想上の忍者になることが出来る。これはちょっと……いや、かなり嬉しいかも。


《もっというと氷結魔法で手裏剣やクナイなんかの飛び道具も作れるし、剣を作ることだって可能だ。まぁ氷だから時間が経ったり、温度が高かったりすると溶けて消えるけどな。後、黒炎魔法を使えば、よく親父さんがやってた「火遁、砲火の術」みたいものも出来るぞ。》


――マジかぁ~。


 お父さんは忍者家系だったので、技は全て火遁、水遁、土遁、雷遁の術を使っていた。これは本当に術を使っているわけでは無くて、もちろんまやかしの術だったけど。


《さて、次はマヌケ様の方だな。》


「アンブの力の話を聞いていたら圧倒されちゃって、私の話をされるのがちょっと嫌なんだけど。」


――いやいやいや、あなたもう化け物になってますから! 私だけ普通だよみたいなアピール絶対許さないからね! スマコ、続けなさい。


《ふふ。任せな。》


「あ、アンブ?! なんか言ったの?! あたしアンブの声聞こえてないからわかんないよぉ!」


――そう、マヌケに私の声は聞こえない。この花びらの機械で会話する時は私の声だけ自分でシャットアウト出来るのだよ! ふふふ。


《今までマヌケ様の身体の中と杖のギアメタルには魔動力の出力を抑えるリミッターがかかっていたんだ。それをあのクズ神が無理やり解除したことで内側の魔動力が一気に開放されたのよ。そして、あの神機カミオリモードが発動したってわけ。それに対応できるように壊れた杖がそのカッコいい拳銃のギアに変化したんだけど、それがマヌケ様本来のギアメタルってわけだ。》


――なるほど、このとんでもない魔動力量はそういうことだったのね。


《更に、神機カミオリモードには機械を具現化する力があって、全身を完全兵器に変えてしまうわけよ。まさに高速起動要塞と言ったところだな。》


――恐ろし! 怖し! やぁ~い、やぁ~い化け物~。


「なんだろ、凄くバカにされたような気がしているんだけど……。」


《まさに2人とも化け物級の強さにはなってる。もうこの辺りじゃ敵なしだな。》


――そうなのね。とりあえず、私達の力についてはわかった。


 それよりもカオスが言っていたという天上界。ここにヘタレは連れていかれたようだから早く探しに行きたい。


《マヌケ様は天上界について何か知らないのか?》


「天上界……あたしも聞いたことがない場所なんだよね。この迷宮の外は人間が住む国々があるんだけど、あたしが住んでいた中央のルドラルガという国の端っこにある港町では、そんな場所聞いたことが無かったの。もしかしたら国の中央である王都か、他の国に行けば情報が手に入るかもしれないね。一度地上に出てみる?」


 私はブンブンと首を縦に振った。


――だって、ここに来てからずっと迷宮に籠りっぱよ? 周りは怖い怖い魔物しかいないし! 美味しい物なんてそんなにないし! 人間が住む場所があるならやっぱり行ってみたいよ!


 マヌケは笑顔で微笑み、私に手を差し伸べる。私は少し気恥ずかしかったが、その手をギュッと握った。


「よし、しゅっぱ~~つ!」


 マヌケは元気よくそう言うと、神機カミオリモードを発動して一気に飛び上がった。強烈な急加速により私はとんでもない重力を感じる。


「まだ少し調整が難しいなぁ~。アンブの為になるべく早く進むからね! 少しゆったりしててね!」


――いやいやいや! ゆっくりでい……?!


 私はそこまで思ったところで強力な重力にブンブンと振り回され始めたので、考えることを諦めた……。


 マヌケはニコニコしながら狭い道をレーザーやらミサイルやらで無理やり広げ、もの凄いスピードで突き進んで行く。


 私は無表情でブンブン振り回されながらもマヌケの手に必死にしがみ付いていた。


 ニコニコして災害級の破壊を繰り返しながらもの凄いスピードで突き進むマヌケ。その破壊を横目に無表情のままマヌケの腕で必死にしがみ付いている私。


――ん? なんでお前は飛ばねぇのかって? 私の翼見たっしょ? 真っ黒よ、真っ黒! あんなん悪魔みたいで嫌じゃん。それに引き換え、マヌケの翼は機械式なのに奇麗で羨ましい。


 でもこの子…時々思いと行動がズレてると思うのよ。これも天性の天然なんだろうけどさ、自分の化け物染みた力を分かっているのだろうか全く。翼や見た目は奇麗でもその行動が結構悪魔染みてるのよねぇ。


 だから私が代わりに、「この危険な高速起動要塞は急には止まりません。皆さま、十分にお気を付け下さい。」という思いを込め、辺りの魔物に向けて威圧をかけている。


 そのおかげで、私達の前に魔物が現れることは無かった。


 今の私達が(というか今のマヌケが)そこを通るだけで、弱い魔物達は巻き込まれ消滅してしまうだろうし、もしかしたらこの迷宮内の生態系を崩してしまうかもしれないと思ったからだ。まぁ別に私がそこまで気にしてあげることもなかったのだけれど、敵意が無いものに対して無闇に攻撃するのはあまり好きじゃない。私は、自分が大切に思っている人に危害が及ばない限り、基本は放っておくしね。


――これでも意外と優しいのだよ? あ、でも敵意を向けてきたヤツは知らんよ?


 まぁそんな感じで、一応危険あるよ? みたいな忠告をその辺りの魔物さんにしてあげたのだけれど……その威圧により一目散に逃げ惑う魔物達の大運動会が密かに開催されていた。


 これはこれでなかなか面白かった。そんな運動会をアイレンズで眺めていると、迷宮の入り口らしきところまでやって来た。

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