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第22話 人間も魔物も一緒なの

 突然使い魔にしてくれと5匹の魔物にせがまれて困っている私。

 マヌケに目をやると、「あはは~。」と笑っている。


《なぁ、折角こう言ってんだ。使い魔にすればいいじゃねぇか。こいつら使えるぞ?》


――いやいやいやいや、無理無理無理無理だから!


 こんなの連れて歩いていたら目立ってしょうがないじゃない。私はマヌケを指さし、首をコクンと縦に振る。


「えッ?! あ、あたし?」


 期待を込めて魔物達はマヌケを見る。

 私はその間に一瞬で退散する。


「うそぉ?! アンブ?!」


「……え~っとぉ、まずは自分たちの力をアンブに認めてもらうのがいいんじゃないかなぁ。」


「承知しました。現在魔王様は何をお求めでしょうか。」


「え、えと……何か美味しい物が食べたいと……思うよ? 多分……。」


「承知しました。」


 5匹が一斉に消えた。

 5匹の気配が完全に無くなったことを感知し、瞬時に私はマヌケの前に現れる。


「に、逃げるなんてひどいよぉ。ブゥブゥ~!」


 私をポカポカしながら涙目で訴えてくる。


――だってしょうがないじゃない! 初対面であんな大勢(魔物だけど)といきなり喋れるわけないでしょ?! 人間も魔物も喋るもんなら一緒よ! それにあの魔物達めっちゃ怖いんだもん! あの蜘蛛の化け物とか何?! あんなのいきなり現れたら泡吹いて倒れるわよ! あの姿であの喋り方なんてミスマッチよ全く!


《主はこういうことになると、本当にどうしようもねぇな。》


――スマコが冷たい。前の方がまだ優しく感じるわぁ……。


「まぁとりあえず、あの魔物達は敵にはならないんだろうね。アンブのこと魔王様って崇めてたし。」


――いやいやいや、引くわ~。魔王なんて言われるのもそうだけど、あのとんでもない強さで私を崇めるなんてどうかしてるし。今のマヌケや私ならその気になれば負けることはないと思うけどさ。どうみてもあの強さこの迷宮のラスボス的な奴らじゃん? 前の私達だったら瞬殺されてたよ?! とりあえず、私は魔王なんて呼ばれる筋合いもないし、あいつらを使い魔にする気もさらさらないから!


 それよりも、さっき私が5匹にかけてしまった威圧。どうやらこの威圧がとんでもない威力らしくて、比較的近辺にいる魔物は意識を保つことも出来ずにバタバタと倒れてしまった。


 更にこれはオニグマやサメくらいの魔物でも一斉に逃げ出してしまうほどのものだった。私は広範囲にスキル感知を張り巡らせることが出来るようになっていたので、それが分かってしまった。


《ははっ。魔王の力を開放したんだ。それくらい当たり前だろ?》


――いやいや、魔王じゃねぇし! ていうか、なんでスマコは嬉しそうなの?


 不本意ながらとんでもない力が宿ってしまったものだ。


 それもこれも全部あのクズ神のせいだ。マヌケからある程度話を聞いていたが、よくよく考えるとまたイライラしてきた。


 私を回復させるためとはいえ、魔王化させて無理やりマヌケに戦わせたのだ。マヌケも神機カミオリの力を発動出来たから互角に戦うことは出来たけど、理性がない私はマヌケを全力で殺しにかかっていた。


 下手したら最悪の事態を招いていたかもしれない。だから私はクズ神に対して怒りをあらわにしたのだけど……


「そんなに怒らなくても大丈夫だよぉ。私は絶対にアンブを助けたかったからね。それにあの場では一番の最善策だったと思うよ?」


 なんて平然とニコニコしながら言うマヌケ。全くこの子はお人よしなんだから。あのクズ神の性格の悪さを分かってないんだ。


 しかし、この子もとんでもなく強くなっている。感知で感じるオーラや魔動力量などが以前と桁違いだ。


 しかし、それでもまだカオスに勝つことは出来ないと思う。それくらいにあの2人の力は別格だった。


 ヘタレを助けるには多分戦いは避けて通れないかもしれない。その為にも、私達はもっと強くなる必要があるようだ。


「そういえばさっき5匹の魔物が来た時に、アンブが神成カミナリモードになってたけどさ、あれいつもと違ってなかった? それにあの威圧も凄かったよね。」


 マヌケが唐突にそんなことを言い出したが、それは私も感じていた。


――スマコ、今の私の力はどうなってんの?!


《丁度いいや。マヌケ様も聞いといてくれな?》


「えッ?! 誰?!」


「……悪スマコ。」


《おい! 誰が悪スマコだバカ! いいか? 主は今、神成カミナリモードを50%程で出力可能だ。身体に纏っていた稲妻のイメージが黄色から緑に変わってだろ?》


――それそれ! なんか凄い力を感じた違和感はそれなのね。


《そうそう。今、魔王の力は完全に制御してるからいつでもあの力で破壊の限りを尽くせるってことだ。ただし、これは神成カミナリモードで身体を強化している状態じゃないと発動しないようになってる。つまり、神成カミナリモードが50%なら魔王の力の発動も50%ってことだ。分かったか?》


――いやいやいや。破壊の限りってどういうことよ。物騒な、尽くすかそんなもん!


「あ、あの! 悪スマコさん、アンブが魔王の力を使ったらまたあの姿になるの?」


《だから誰が悪スマコだ! いい加減怒るぞ! 因みにあの悪趣味な姿になる事はもうない。あんなもんはほらさ……主が台無しだろ? だから私が永久に消去してやったわ。》


「そっか! なんかあのスマコちゃんで安心した!」


《だから最初からスマコだって言ってんじゃんよ。まったく。》


――何か通じ合ってる~。受け入れるの早いなぁ~。ていうかそんなひどい姿してたの私?!


《それとな、魔王の力で魔法が発動出来るようになってる。これで魔法少女への道が開けたってことだよ。使える魔法は黒炎魔法、氷結魔法、暗黒魔法、空間魔法だよ。》


――どれも悪役っぽい?! どこが魔法少女なのよ! それに暗黒魔法って何?! 嫌な予感しかしないのだけれど!


《魅力的じゃないか。後はさっきの威圧だな。あれはさっき見た通り、近くにいる雑魚は瞬時に失神してしまう。しかもそれは特定の相手を狙って放つことも可能だ。》


――これはまぁ……便利かも。


 敵と戦いたくない時や特定の敵だけを倒すことが出来るのだ。殺すんじゃんくて、失神させるところがいいと思う。


《それでも弱体化している魔物とか体の弱い年寄りや小さな子供は心臓止めてしまうけどな。》


――むやみに使うのはやめてこうと心に誓います!

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