そうゆう事のなのだろう。
昔、BCW内で仲良くなったプレイヤーとの会話で
「はぁ~俺氏も異世界転生したいわぁ~。」
「異世界転生?何だそれ?」
「あれ、知らない?最近ラノベやアニメでよくやる題材なんだけど。」
「四六時中ゲームの中だからな!見てる暇はない。」
「廃人乙・・・で何だっけ?」
「異世界転生だよ。後、俺は社会適合型だから問題ない!」
「仕事乙ッす!で、異世界転生のその名の通り、何らかの原因で死んだ人間がファンタジーな異世界に転生してチートな力に目覚めるか現代知識を駆使して成り上がったり、愉快に異世界を満喫したりする事だよ!」
「ふ~ん、でも俺らにはBCWがあるから良いじゃね!」
「・・・BCWは神がかりに面白い事は認める、だが、モテねぇんだよぉぉおおぉ!」
「おっ、おう。」
「その点、異世界転生はモテる!意味わからんぐらいモテるデス氏」
「だ、大丈夫か?キャラブレが激しんだけど・・・ん、てかお前さんこの前、BCW内で女性プレイヤーと仲良く遊んでなかったか?」
「ババババ〇ス、腐れ滅びろ!観ろ人がゴミの様だぁ!!」
「どっ、どした?!」
「リア充共め!駆逐してやる!!」
「・・あぁ、なるほど、リアルに彼氏でもいたのか。」
「くぅうう、異世界転生して金髪ボインなエルフの胸に顔を埋めたい!!」
などと、くだらない話をした後、彼の憂さ晴らしにダンジョンに潜り2日程徹夜して暴れまわったのはいい思い出だ。
じゃなくて、異世界転生だ!・・・まさに今俺の身に起きている事にピッタリの言葉だと思う。
いつもの様にゲームをしようとしたら、誰だか解らない子供の身体で、仮想空間だと在りない痛覚と本物の血が流れている。つまり、ここは現実のどこか世界で知らな人の身体で森を彷徨っている。
あの時、彼が話をしていた状況に似通ったところはあるが・・・俺は、現実世界で死んだのか?
もうすぐ40になるが、この前会社から無理やり行かされた病院の健康診断に何の問題も無く、身体は健康そのものだった。なら、外的要因か?
ゲームをつけた時、物取りがいて刺されたとか、地震や火事などの災害が発生したとか。いや、それは無いなマンションセキュリティはしっかりしたものだ、災害にも強いマンションだったしヘッドギアが周りの異変を感知すれば強制停止するはずだ。
まぁ、俺が絶対に死んでいないとは限らなしその逆もまたしかりだ。そこについて今はあまり深く考えないでおこう。
「・・・っと言うよりも、現状をどうにかするほうが先だ。」
これが、夢やゲームのバグによるものならまだ良いのだが、膝のヒリヒリと刺す痛みやかなりの空腹感がこれは本物で現実だと訴えてきている。
ならこれが現実で俺はその異世界転生?とやらが起きていると考えて行動したほうがいいだろう。
だがしかし
「森の中で、ボロボロの服を着た子供だけでなにができるんだよ・・・」
ここが何処なのか、ファンタジー系の世界のなのか、現実の地球と同じ世界なのか解らないがうす暗い森の中で何かしらの生き物、モンスターか野生動物が生息しているかも知れない。
そんな森で子供が一人で何も持たずいる、確実にヤバいだろこれ。
獰猛な生き物に出会ったら死んでしまう可能性が高いし、このまま何も食べなくても餓えて餓死確定だろ。
「無理ゲー臭半端ないな、この状況!」
この現状を異世界転生と決め、大分冷静さ?を取り戻したが、逆に自身の状況の悪さも理解し嘆きが入る。
「・・・はぁ、ここがBCWの世界だったらなぁ。」
ため息と共に夢みたいな願望が出る。
そしてつい、いつもの様に右手の人差し指と中指を伸ばし横に振るった。
シャララン
「へ?えぇええ?!」
小さく鈴音が聞こて、目の前に慣れ親しんだBCWのウインドウ画面が現れた。
「はっあ?!ここは現実じゃないのか?いやでも血も出てるしそれに・・・いひゃみもある。」
試しに頬を引っ張ってみたがそこには確かに痛みがあり、これは夢や幻じゃないじゃない事は分かった。
「じゃあ何だこれは。」
強く引っ張りすぎたのか痛みが残る頬をさすりながら再びウインドウ画面を観ながら呟く。
目の間に存在する四角い半透明なウインドウ画面はどうみてもBCWで使っていた物と殆ど同じだ、違う点は、GMコールとログアウトボタンとフレンドリストの三つが画面から消えている。
ここが現実の世界だからログアウトなんて存在しないしGMもいない。フレンドリストが無いのは、ここがゲームの世界じゃないからか?
・・・ちなみに俺のリアルがボッチだから、とかじゃあ無いよなぁ?ゲームの中には沢山いたんだから何の問題も無い筈だ・・・たぶん・・うん、きっと。
「あ~、うん!色々考えるのはやめよう。今は、便利なツールが増えたと喜んでおけばいいか!」
さっきから異常事態のオンパレードで頭の中の処理が全然追いつかないから、もういいやの精神で現状をありのまま受け入れる。・・・てかそれしかない。
「さて!ステータスは・・・」
[名前:ラピリルカ(qh@*)]
[種族:人間(Lv1)]
[職業:迷い人(Lv1/1)]
[状態:空腹・裂傷(小)]
MP:100
STR:5 VIT:5 DEX:10 AGI:10
INT:20 MND:20 LUC:8
[スキル] 【示す道(1/1)】
「なんだこりゃ?」
まず名前はこの身体の元々の名前だろうが、年齢が文字化けして解らない。
種族は人間だけど、BCWの初期ステータスと違うな。
BCWだと人間の初期はLCUを除いた各ステータスがオール10なのにSTRとVITが半分でINTとMNDが倍、あと残りのDEXとAGIは普通。
LCUはもともとキャラ作成時ランダムで人間なら5~10の8なら中々いい数値だな。
「それで、職業は・・・これはユニーク職!」
BCW内での職業はかなり重要度が高い。
何故なら専用のスキルや能力値補正が掛かり、戦闘もしくは生産で大幅に差がついてしまうからである。
職業自体にランクとレベルが存在して、下級、中級、上級に別れておりそれぞれ上限レベルも違い。
下級は最大レベル30~70、中級は70~120、上級は120~200と同じ級でもまちまちだ。
BCWプレイヤーは三つの職業をセットする事ができるが少し条件があり、上級は一つしかセットできず、中級は上級をセットしていない限り二つまでセット可能で、下級は条件なしの三つフルでセット可能だ。
そして、三つの職業の組み合わせしだいで補正値の増減し、新たなスキルや職業の解放が起きたりする。
その組み合わせは現時点でも完全には把握されておらず、日夜BCWプレイヤーたちが血眼になって探し求めている。
ここで、ユニーク職とは何?と疑問に思うだろう。
この職業はかなり特殊でレア価値がものすごく高い。訳はプレイヤーは一人しかその職業に就く事が出来ない上にどんな条件で成れるのかさえ分からない職業だからだ。
ただ、このユニーク職業は非常に強力ものからネタレベルのものまで存在するため、手放しでは喜べない。
「・・さて、あたりだろうか?」
俺は、ウィンド上の[職業:迷い人(Lv1/1)]をタップして、詳細情報を表示させれる。
[職業:迷い人]
詳細:職も無く、道に迷う人。
専用スキル【示す道(1/1)】効果:下級クラスの職業を選択し、就く事が出来る。ただし、[職業:迷い人]とこのスキルは職業の選択後、消滅する。