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片想いと転校生

突然だが幼馴染みの定義って何かと考えたことはあるだろうか。昔からの知り合い、家が近所、親の仲が良いなど色々あるだろう。しかしそこで1つ絶対に抜かしてはいけない要素がある。その幼馴染みが自分のことが好きであることだ。つまり何が言いたいかと言うと幼馴染みに好かれたい。ただそれだけである。


「お兄ちゃんまた変な顔してる。どうせくだらないこと考えてたんでしょ」

「そんな事はない。俺にとってはとても重要なことだ」

「そんなこと言ってどうせ凛さんのことでしょ?」

「なぜ分かった!?」

「分かるよ。お兄ちゃんが何か考えてる時って大体凛さんのことじゃん」

「確かに…」

「でしょー?」


確かに物心ついた時から、高校2年となった今まで凛のことを考えなかった日はない気がする。


「そんなに好きなら告白したらいいのに」

「したよ。桜も知ってるだろ。あの夏を」

「うーん。そうだけど。あれからもう5年も経つんだよ。もう一回すればいいじゃん」

「そうは言うがな桜。成功する可能性あると思うか?」

「ないね」

「そんな即答しなくても…」

「まぁきっぱり諦めればいいじゃない。凛さんは高校のアイドル、お兄ちゃんは底辺高校生。叶わない恋だったんだよ」

「そうできれば楽なんだけどな」

「お兄ちゃん。未練タラタラは良くないよ」


妹に言われなくてもわかってる。5年前フラれた時にきっぱり諦めるべきだった。でもなかなか踏ん切りがつかない俺はやっぱりダメなやつなんだろう。しかし俺ももうそろそろ踏ん切るべきだと思ってる。いや、もうそろそろじゃない今ここで踏ん切りをつけよう。そう思い桜の方を向く。


「桜!お兄ちゃん今日ここで凛のこと諦めるよ!」

「お兄ちゃん?急にどうしたの?何か変なものでも食べた?」

「失敬な!俺は明日から新しい恋を探す!」

「そっか。頑張ってー」

「何だその棒読みは!さては信じてないな?」

「バレた?だってそんなすぐ諦めれるわけないじゃん。だから今まで引きずってたんでしょ?でもその姿勢は大事だと思うよ?今まで諦める気すらなかったもんね。まぁ頑張ってね。妹として応援してるから」

「おう!」






妹とそんな話をした翌日。俺のクラス転校生が来た。その転校生が入ってきた瞬間これは運命だと思った。綺麗な茶色の長髪に、短いスカートから覗くまばゆい足。大きな瞳にツヤツヤした唇。そうそこにいたのは俺の幼馴染み、凛と同じくらい美少女な転校生だった。


「家庭の事情で今日からクラスメイトになる伊藤美春です。中途半端な時期の転校で緊張してますがよろしくお願いします!」


そう言って一礼した後、クラスメイト主に男子から歓声があがった。そりゃそうだろうここまでの美少女だ。しかし俺は逆に冷静になっていた。まさか妹とあんな話をした翌日に運命を感じることになるなんて。

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