アーリーVSカグラ
「ちっ、カグラを仕留めるつもりがとんだ邪魔が入ったものだ、だが、一人はこれで終わりだな」
どうやらこの魔法少女は私の事を知っているらしい、いきなり不意をついて倒そうとしてきたみたいだがコロナが私を庇ってくれた、そのままコロナは意識を失ったようだ。
コロナは願いを叶えるまでのコンビとしては当たりだったようだ、仲間をやられてみすみすと逃してやるつもりもない。
「よくもやってくれたわね、私は魔法少女相手でも容赦しないわよ」
「さあ来い! このアーリーの名前を胸に刻んで死ね!」
アーリーというらしい魔法少女は大剣を巧みに操りながら斬り掛かってくる、それを紙一重で見切り槍で切り払う、技術的にはたいしたものだが如何せん速さがない、これなら負けようなど無い。
「あなた不意打ちなんて仕出かしてくるから大体分かっていたけど、大したことないわね」
冷静さを奪う為に少し煽ってやると。
「何だと! バカにしやがって」
怒りを見せながら大剣による猛攻を仕掛けてくるが、先程の冷静な時と違い力任せに振るっているので大振りだ、すかさずにこちらも技を放つ。
「ストライクランス!」
研ぎ澄まされた槍の突きはアーリーの胸に直撃して大きくぶっ飛ばす、そして私は魔力を溜めて槍を投擲する姿勢に入ろうとした瞬間。
横合いから急襲してくるもう一人のアーリーの大剣をもろに食らってしまう。
「コイツ!」
大剣の攻撃で怯んでるあいだに復帰した最初に居たアーリーの炎魔法が飛んでくるが避けれない!
「うわあぁぁ!!」
魔法と大剣の怒涛の攻めでシールドが割れる寸前まで追い詰められてしまう、このまま行けばシールドを割られ次の攻撃は生身に食らうことになってしまう。
「馬鹿なヤツめ私の固有能力は分身、油断したお前が悪い、これで私の勝ちだ」
勝ち誇って距離を詰めてくる二人のアーリーに対し思わず笑いそうになる、近くまでアーリーが来た所で透明化を発動する。
「馬鹿な! 消えただと!」
二人のアーリーが辺りを警戒するが無駄だ、透明化中は絶対私の姿を捉えることは出来ない。
先ずは近くにいたアーリーを始末する、透明化の時間が切れる前に。
「グングニル!」
突如現れた投槍に反応する事すら出来ずに貫かれてアーリーが消滅していく。
消えた分身の方へ振り返るアーリーの背後から透明化を解きつつ近づき。
「ストライクランス!」
気づいて振り返ったアーリーだが遅い、まともに食らったアーリーはフラフラと後退していく。
「まさか……そんな……」
「馬鹿なヤツね、私の能力は透明化、油断した貴方が悪いのよこれで私の勝ちね」
ストライクランスを二度も当ててるのにまだ割れないシールドに感心しつつ、槍を投擲する姿勢に入り。
「グングニル!」
放たれた槍がアーリーを狙う、アーリーは大剣で防いで耐えようとしているが、耐えきれなくなったアーリーは大剣を弾かれてグングニルを食らって吹っ飛んでいく。
トドメをさせたか分からなかったので槍を出現させて走り出そうと足を出した時、先程の魚の魔人が前に立ちはだかる。
「ゲゲゲゲ!」
「めんどくさいわね、空気が読めないのかしら」
三又の槍を突き出してくる魚魔人だが、槍同士で負けるつもりはない、それ以上の速さと鋭さの篭った一撃により魚の魔人を貫く。
「ランスインパクト!」
魚魔人を貫いた槍から衝撃波を発射して魔人を内側から攻撃する、魚魔人は断末魔の叫びを上げながら消滅していった。
「アーリーはどうなったのかしら」
飛んでいった方を見てみるがアーリーの姿はそこには無かった、どうやら逃げられたようだ。
深追いしても仕方ないので、私はコロナを起こしに歩いていった。




