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マジカルロワイヤル  作者: パピヨン
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魔法少女カグラ

 アーリーとの戦いは引き分けに終わった、相手の必殺技のダメージが残っているので今日は安全策だ、戦いの中で分かったことは、シールドと呼ばれる見えない防具の存在とアーリーと比べたらパワーとスピードでは上回っているという事だった、魔法少女にもそれぞれ能力差はあるらしい、まだわからない事が多いので情報も少しずつ集めていかなければならない。


 翌日学校から帰った私は変身してまた悪人探知を使っていた、今こうして探知しながら歩いて気づいたのだが、変身する時と変身した後は違う世界に居るらしい、アーリーとの戦闘で壊した遊具は下校の時見てもなんの損害も無かったが、変身後に見ると昨日のまま放置されていた、それに周りの家を覗いてみると人間の姿だけ無かったのだ、周りを巻き込まないで済むのはありがたいことだ、この世界のことは魔法世界と名付けよう。


 探知を続けながら街を歩いていると前から中年の男性が歩いてくる、この世界には人間が居ないのは確認出来ている、この中で動いている言う事は即ち魔人か魔法少女である、男性はこちらを見て雄叫びをあげながら異形へと変わっていく。


 見た目は狼男だろうか、三メートルに迫る身長に全身黒い剛毛で包まれた二足歩行の狼だ、動きが早そうなので剣と盾を出して先ずは待ち構える、こちらの様子を伺っていた狼男がこちらへ飛びかかってくる、速い! 盾で何とか受け流すが体勢を崩し片膝を付いてしまう、狼男は飛びかかった勢いのまま、後ろに回り込み蹴りを放つ、振り向きが間に合わず横腹を蹴っ飛ばされゴロゴロと転がる、すぐに立ち上がるが狼男の姿が無い!辺りを見回すが見つからない、まずい予感がする、風を切る音が聞こえ、上を見上げると狼男が鋭い爪を振り下して来ていた、防ぐ事も出来ずに直撃し地面に押し倒される、動く腕で剣を振り上げるが、腕を蹴られて剣を飛ばされてしまう、右手が今の一撃が効いて動きが鈍くなる、噛み付いて来たので残った盾で何とか防ぐ、がこのままでは噛み殺される。


「ぐぐ……こいつ!」


 必死に盾で防いでいたが、遂に力負けして首元に徐々に牙が近づいてくる、嫌だ……こんな所で死にたくない! そう思いながらも遂に首を噛みちぎられそうになったその時。


「グングニル!」


「グゴオオ!?」


 突如横から飛んできた光る槍が狼男を貫く、あれだけ苦戦した狼男が苦しげに呻き、そのまま消滅していった、助かったと思い槍が飛んで来た方を見ると一人の魔法少女がいた、鎧とドレスを合わせたような服装で、顔はヘルムで上半分隠れていて確認出来ない、右手には長大な槍を持っていて、先程飛んできたのは間違いなくその槍だった。


「助かったよ、危うく噛み殺される所だった、助けてもらって何なんだが、アンタは悪人か?それとも善人か?」


 最初の遭遇がアーリーだったためまずは確認する、不意を打たれて必殺技を食らえばそのまま死んでしまう、用心するに越したことは無かった。


「さあ? どうなのかしらね、もしかしたら悪人かも?」


「私達はお互い潰しあうことも出来る仲だからな、だけどアンタのその返答を聞いて分かったよ、アンタは良い人だ、少し偽悪的な感じもするがな」


 どうやらこちらを襲うつもりは無いようだ、少し話せばある程度人柄も分かるものだ、それは顔を隠してようが、変わりはない。


「私からもいいかしら、私たち目的が同じなら最後の願いを叶えてもらうまでの間は味方同士で居られると思うの、同世代くらいに見えるし、私と組まない? 裏切りは無いようにお互いの変身を解いて正体を明かしあいましょう、どうかしら?」


 これからの戦いは激化していくことだろう、願いを叶えるためにはきっと一人ではどうにもならないこともあるはず、組むというならそれでいいと思った。


「分かったよその話に乗ろう、私の名は魔法少女コロナ」


「私の名は魔法少女カグラ」


 そして、変身を解除する。


「名前は赤羽由希、よろしく」


「え……」


 カグラが呆然としだしたのでどうしたのか聞こうとすると、カグラも変身を解いて正体を表した。


「学校ぶりだね、由希さん」


 魔法少女カグラの正体は私の友人の羽島心だった。







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