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マジカルロワイヤル  作者: パピヨン
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新たな共闘関係

 ドレッドが死んだ後、悲しみに暮れながらも私とシヴァは二人で願いを叶えるため戦力増強をする事に決めていて、二人でコロナの家に来ていた、インターホンを鳴らすとコロナの母親が出てきて、相手が私だと分かるとすぐにコロナの部屋まで通してくれた、部屋に行くとコロナは変身を解いた状態、赤羽 由希の姿で出迎てきた。


「久しぶりだね、心さん、そちらの子は誰かな?」


「久しぶり由希ちゃん、この子はシヴァ、本名は」


 と言いかけるとシヴァ、今は変身を解いて高宮 梓が割り込んできて話し出す。


「高宮 梓です! この前は助けていただいてありがとうございました!」


 梓も自己紹介を済ませると早速本題に入る、時間はそこまで残されていないかもしれない、最近は魔人による被害も殆ど無くもう残りの魔人の数はそう居ないのだと認識していた。


「由希ちゃん、あなたはこの戦いの事どう思う?」


「私はこんな戦い間違っていると思う、魔法少女とはいえ人間同士で殺し合うなんて、したくない、私の憧れた正義はこんな事じゃない」


 やはり由希は自分の正義に基づいて行動しているようだ、私たちが共闘している理由を話す、きっと協力してくれるはずだ。


「由希ちゃん、私達はこの戦いで犠牲になった人を生き返らせる為に戦っているの、この戦いが始まる前に戻せればみんなが元通りの生活に戻ることが出来るわ、お願い、私達と一緒にこの願いの為に戦ってほしいの」


 由希は私の話に聞き入っていた、やがて真剣な顔で頷くと私たちと一緒に戦うと言ってくれた。


「私の力で良ければ手を貸すよ、私は自分で叶えたい願いは無かったからね、そんな願いの為に戦えるなんて光栄な事だ」

 

 良かった、これで願いを叶えられる確率は大幅に上がった、待っててね茉莉、幼馴染と一緒に過ごせるようにきっと願いを叶えて見せるから。


「また明日から街の方へ出ようか、向こうにまだ魔人が残ってるようだから、残りの魔人も少なくなってきてる、願いのためにも残りの魔人は私達で倒さなければ」


 コロナ、シヴァ、私は明日の為に今日は解散する事にした、もう夏休みも三分の一を切っている、早くしないと学校が始まり魔法少女の活動時間が減ってしまう、焦る気持ちを抑えながら私は帰路についた。


 ――――――――――――――――――――――――


 翌日私達は約束通り街の方まで出てきていた、夏休みだけあって暑くアスファルトからも上の太陽からも焼かれながらの探索になる。


 探知魔法を使いながら歩いていると前から眼鏡をかけたサラリーマン風の若い男性が歩いて来ていた、見た感じ普通の男性だが、ここは魔法世界だ、普通の人間では存在すら出来ない、魔法世界に入れられたのを察した男性はこちらへ向けて構えた、相手が変化する前にコロナは炎弾を放ち先制攻撃する。


 サラリーマン風の男はコロナの攻撃を避け、すぐに変化していった、この前に取り逃した蜂魔人だ。


「めんどくせえなお前ら、俺はお前らの戦いには興味が無いんだよ」


「お前は人を襲うつもりで居た、そんな奴を放っておくわけには行かない」


 蜂魔人は悪態をつきながらコロナと戦い始める、すぐに参戦しようとするが、探知に何か引っかかる、猛烈なスピードでこっちに向かう反応がある、そちらへ向くと白のドレスにオレンジの鎧をあしらった姿の魔法少女、オーパルが現れた。


「今日は運がいいわねぇ、雑魚がこんなにたくさん居るから、沢山魔力が貰えるわ」


 蜂魔人とコロナは互角の戦いを繰り広げている、ここにオーパルが乱入すればコロナは殺されてしまいかねない、私とシヴァはオーパルに向かってそれぞれ武器を構える。


「めんどくさいわねぇ、貴方たちに出来るのはただの時間稼ぎだと言うのに」


 シヴァにはオーパルの情報は知る限り渡している、シヴァは近づかずに銃でオーパルを牽制しだした、オーパルは盾を出して銃を受け止めるが銃撃のせいで簡単には近づけない。


「ちっ、めんどくさぁ」


 私は分身を発動しオーパルに駆け寄る、オーパルは私の位置が分からずに思考停止能力が上手く発動出来ていない、ムチによる攻撃が飛んでくるがそれは偽物を貫いた。


「はぁ!」


 駆け寄った勢いで槍をオーパルに突き出す、オーパルは槍の攻撃を防ぐが残念ながらそれは偽物だ、そっちに気を取られているあいだに分身と同時に透明化していた私はオーパルの背後から攻撃する。


「ストライクランス!」


「うあ!」


 オーパルはまともに背後から攻撃を受けて吹き飛ぶ、まだ体勢が整っていないオーパルにシヴァが迫り連撃を叩き込む、オーパルはすぐに思考停止能力を使ってシヴァの動きを止めて距離を取ろうと下がるが、私がそれに食い下がり攻撃する、ムチはその特性上至近距離の相手には使えないのだ。


「この! 雑魚のくせに!」


 槍でひたすら突きオーパルに下がる暇を与えない思考停止能力のインターバルは大体十秒程だ、思考停止能力を使われる瞬間に分身してオーパルを取り囲み、それぞれが槍を投げる構えになる、オーパルは周りを見て上へ逃げようとするが、シヴァが射撃して妨害した。


「サードグングニル!」


 三人の私から投げられたグングニルは中央のオーパルに当たり大爆発を起こした、煙が晴れるとそこにはシールドを完全に破壊されこちらを憎々しげに見つめるオーパルの姿があった、グングニルを食らった時に付けていたゴーグルが壊れたようでカランと地面に落ちる。


 オーパルのその顔に見覚えがある、夏休み前に学校で見た顔だった。


「まさか……河合さん? 」


「本当にめんどくさいなぁ、こんな事なら不意打ちして殺してやれば良かったわ、夏休み前ぶりだね、魔法少女カグラ……もとい羽島 心さん」


 シヴァは話し始めた私達に困惑して手が出せないようだ、私も驚いた、まさかあの河合さんが魔法少女だったなんて。


「本当は学校にいた時から正体は知ってたんだけどぉ、捨て置いたことを今になって後悔してるわ」


 オーパルは突然シヴァの方へ向きそしてシヴァの動きが止まった、その瞬間飛び上がりビルの上に飛んでく、オーパルにトドメを刺すことも説得することも出来ないので追っても意味は無い、私達は急いでコロナの元に戻っていった。





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