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マジカルロワイヤル  作者: パピヨン
16/26

共闘

「ドレッド、本当にこの辺に魔人たちが隠れているのかしら? 探知しても反応が出ないのだけど」


「ああ、コロナも最近はこの辺で活動しているようだから、間違いなく魔人が居るんだろう」


 私は願い事を決めた後、同じ志のドレッドと一緒に行動していた、コロナも誘おうと考えていたが家に行っても最近は出てる事が多く会うことは無かった。


 しばらく歩き続けていると反応が出た、一人は魔法少女でもう一人は魔人の様だ、近くなのですぐに私とドレッドは現場に向かった、そしてそこには見たことの無い、チャイナ服の魔法少女と蜂の魔人が戦っていた。


「ドレッド、援護射撃をお願い」


 ドレッドが頷くのを傍目に私は蜂の魔人を槍で攻撃する、蜂魔人は槍で大きく怯みその隙に銃と大砲が蜂魔人を襲う。


「ありがとうございます、この魔人結構強くて……手伝って下さい! あたしはシヴァです、お願いします」


「私はカグラ、よろしくね、あっちから撃ってきてるのがドレッドで私達は魔人を倒してこの戦いで犠牲になった人を助ける為に戦ってる、積もる話はあるけど、蜂魔人を倒した後にしましょうか」


 蜂魔人が起き上がってきてこちらへ小さな蜂の大軍を飛ばしてくる、私は透明になり避ける、シヴァは持ち前のスピードで逃げながら蜂を撃ち落としている、ドレッドは逃げれずに硬化して耐えながら魔法で蜂を攻撃している、本体へ攻撃出来そうなのは私だけだったので透明になりながら魔人に近づく。


 蜂魔人は私が近くに来た瞬間全範囲に向けて小蜂を放った、咄嗟のそれを避けきれずに私はシールドを大きく削られる、それに透明化まで解けてしまい蜂魔人が作り出した剣により切られる、この魔人は魔法少女と戦い慣れているようだ、ならば作戦を変えるまで。


「これでどう!? トリック!」


 トリックの魔法で私は三人に増える、だが見た目だけで戦闘能力はかなり低いので主に撹乱の為に使える魔法だ、アーリーと戦ってから思いついた魔法だ。


 私と分身達はそれぞれ死角に回り込んで次々と切りかかる、蜂魔人は視野が広いのか私達の攻撃を避けきり、剣で切られて分身は全て消えてしまう、私も槍で突くが剣で弾かれて蹴りで飛ばされる。


 私に向けて蜂魔人が走り寄ってくる、だがそこに復帰したドレッドとシヴァの射撃が蜂魔人に当たる。


 蜂魔人は射撃を避けながら小蜂を出そうとタメに入ったが私が咄嗟に槍を投げて蜂魔人に攻撃する、蜂魔人はタメ動作で咄嗟に動けずに槍を食らって吹っ飛んでいきそのまま姿をくらませた。


「逃げたな、もう追うのは無理だろう」


 ドレッドはそう言うとシヴァの方へ話しかけた。


「お前は何故戦う、シヴァ、どんな願いを叶えてもらうんだ? オレ達はこの戦いのせいで失われた命を蘇らせるために戦っている、もし良かったらオレ達と共に来ないか?」


「あたしは、みんなが幸せに生きられるようにって願いを考えてたけど、確かに死んじゃった人達も居るんだもんね、こんな戦いのせいで死んじゃうなんてそんなの悲しいもんね、分かった、私も協力する」


 シヴァは自分の願いを人の命を蘇らせるために使ってくれるようだ、少し話しただけだが、シヴァはまともな人間の様だ。


「こんなにもまぁ、魔法少女が集まって……それに見たことの無い魔法少女も居ますね」


 振り向くと紫と黒のドレスを着て顔に不気味な仮面を付けた魔法少女がいた。


「ゼリス……オレ達に何の用だ、お前がオレ達と志と共にするとは思えないからな、戦うなら三対一だ前のように行くと思うなよ」


「そろそろ魔法少女も減らさなければ、わたしにも色々ありますので、死んでいただきます」


「待って! ゼリスさん、魔法少女同士で戦う意味なんて無いよ! 考え直して!」


「あなたは……くはは、そういう事ですか、あなたの罪は重い……あなただけは死ななければならない……!」


 ゼリスはシヴァに狙いを付けて距離を詰める、速い! シヴァとドレッドが撃つがゼリスは余裕で避けてしまう。


「ストライクランス!」


 接近してきたゼリスに槍を放つが飛んで避けられそのまま踵の刃で背中を切り裂かれる、そのまま私の背中を足場にしてドレッドに飛びかかる。


「ストームレイダー」


 ドレッドは硬化して大砲で受け流そうとしたが受けれずに吹き飛ぶ、シヴァがすぐに銃を捨て手甲で接近戦を挑む。


 シヴァとゼリスは速さはほぼ互角のようだ、シヴァが何とか付いていっている、だがゼリスの方が接近戦は得意でシヴァが少しずつ被弾を増やしている、私はシヴァが戦っている間に分身して三人でゼリスを取り囲み槍を構える、シヴァが咄嗟に距離を取った瞬間私達はそれぞれ槍を投げつける。


「サードグングニル!」


 三方向から放たれた槍はゼリスを貫こうと迫る。


「あなた如きの必殺技など通用しません」


 ゼリスはフワリと飛び上がり迫るグングニルを蹴って範囲から逃れる。


「馬鹿な!」


「ジェノサイドバスター!」


 ドレッドの大砲から光線が迸る、空中にいるゼリスには回避手段は残されていない、これで決まったかと思いきや、ゼリスが滞空してる状態から急に下へ加速する、ジェノサイドバスターを避けてそのままこちらへ猛スピードで迫る、シヴァがゼリスの鉤爪で切り裂かれシールドを割られて吹き飛ぶ、シールドが割れた時にシヴァの顔半分を覆っていた布も切り裂かれて素顔が顕になっていた、私はシヴァを守るように三人でゼリスに仕掛けるが、槍で捉えることが出来ずに分身は切り裂かれて消えていく、私はすぐに透明化を使い姿をくらます。


「あなたの能力は知っていますよ、透明にはなれても物理干渉は防げないこともね!」


 ゼリスの身体から暴風が吹き荒れて空から雨が降り出してくる。


「雨のおかげで良く見えてますよ!」


「ぐあぁ!!」


 ゼリスの鉤爪に連続で切り裂かれてシールドが割られる。


「死ね! ストームレイダー!」


 トドメを刺されそうになった私をドレッドが割って入り庇う、硬化しているとはいえ、ドレッドもかなりのダメージを受けたようだ。


「ドレッド!」


「シヴァを連れて逃げろ! ここはオレが食い止める! フォートレス!」


 岩の城壁がゼリスとドレッドを覆っていく、ドレッドが稼いでくれた時間を無駄にするわけにはいかない、気絶しているシヴァを引きずり魔法世界から脱出した。


 ――――――――――――――――――――――――


オレは大砲を撃つが、ゼリスの速さを捉えることができない、ゼリスは硬化したオレを執拗なまでに切り裂いてくる。


「ふふふ、もう限界でしょう? 大人しくしててもらえれば、楽に死なせてあげます」


「オレは諦めが悪くてね、お前の言うことは聞いてやれないな」


 オレは一息置いて話し出す。


「何故シヴァだけあそこまで敵意をむき出しに襲う? オレ達は無感動に殺すような感じなのにあの子だけ……シヴァの事を知っているのか?」


「……答える気はありません、第一あなたはここで死ぬのですから無意味な問答でしょう」


「たとえオレがここで死のうとも、同じ志を持った仲間たちがいる限りオレの願いは死なない」


「哀れな事です……世の中は悪意に満ち溢れています、あのシヴァを除いてですがね」


「何だと?」


「話は終わりです!」


 オレの下から暴風が吹き上がる、堪えきれずにオレは空中へと投げ出されて暴風により空で弄ばれる、ゼリスは空でもがくオレよりもさらに高く飛び上がり、禍々しい魔力で輝く鉤爪を振り下ろし、暴風と共にオレを切り裂こうと迫る、オレは何とかゼリスへ向けて必殺技を放つ。


「デスクロー!」


「ジェノサイドバスター!」


 ジェノサイドバスターはデスクローに引き裂かれていく、そしてゼリスが身動きの取れないオレへ爪を振るう、デスクローは硬化したオレの身体をシールドごと易々と切り裂いていった、致命傷だ、もう魔力も残っていないし、動く事もできない夥しい量の血が風に舞う。


 オレの身体はほぼ半分に裂かれていてもう助からないだろう、志半ばでこうなる覚悟は出来ていた、ただ最後まで戦えないのが情けなくて涙が溢れてくる。


「すま……ない……カグラ……シヴァ……後は……」


 そのまま地面に叩きつけられてオレの意識は永遠に闇へと閉ざされた。


 ――――――――――――――――――――――――


 ゼリスとドレッドが戦っていたその遥か上空に一人の少女が浮かんでいた、白い肌、白い髪に白いワンピース、唯一白くない所は黄金色に輝くその瞳位だった。


「残り六人、繰り返す、何処でも、いつまでも」


「よう、また訳わかんねー事言ってんなあ、六人てのが魔法少女の事だとは分かるがよ」


 少女の側には蜂魔人が居た、蜂魔人は変身を解くとそこには、眼鏡を掛けてスーツを着たサラリーマン風の若い男が現れる。


「ホーネット、どう?」


 白い少女は蜂魔人の男に何かを問いかけた。


「今のとこ順調だ、生き残れるなら喜んでお前に従う、後はどうすればいいんだ?」


「好き、していい、ここも、理想世界、なる」


「ふっ、魔法少女共も可哀想なこった、自らが戦って掴み取ろうと足掻いてるつもりが結局利用されてるだけだなんてな」


「可哀想? 何故?」


 蜂魔人の男は笑いながら言う。


「お前にゃあわかんねえだろうさ、こんな出来レースに知らずに参加させられてちゃあな、しかも命を賭けてまで願いを叶えようってのにな」


 下での戦いが決着したのを見届けた後、白い少女と蜂魔人の男はどこかへ消えていった。




















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