お盆の記憶
掲載日:2017/08/05
余っている命と書いて余命
余命宣告は
された瞬間に
死ぬのかもしれない
これまでが死に
これからが生まれる
新たな命を吹き込むとは
多分
そうことなのだろう
木々が台風の風で揺れ
あの騒めきですら
生きているなと思えたり
子供の騒いでいる姿に
無条件に笑顔になるのは
何の汚い気持ちも無く
笑顔になれるのは
今の時間を
汚したくはないからでしょう
枕の上で散った
温かな顔に
何の言葉も作れず
泣いた
生者の傲り
動かない手に宿るのは
いつかの思い出
千切り取られた
いつかの思い出
眼差しが大切なのは
生きてる事が
確認出来るから
動く眼球が
人間を捉えるなら
大切な砂時計も
まだあると
信じられたから
泣き虫なあの子も
笑っていられたから
横長にダイヤモンド
海に映る太陽
赤くなるのを見るより
この青が見て居たかった
窓辺から向日葵と
ワイン色のショーツ
今日は暑いんだ
気温を気にしなくなる
それを考える
余裕が無いから
枕の上で散った
温かな身体
何の形も作れず
泣いた
生者の傲り
動かない足に宿るのは
いつかの心意気
線香の数と訪問者
そんな
いつかの心意気




