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第149話「鋼のゴーレム対策会議」

 増築計画は明日から行動するという事で話がまとまり、馬小屋の位置も大体決まった。


「そういえば、俺とユナの防具を買いに行かないとな……」

「カナンの町の宿で話していたプランですね」

「ほう?」

「サキさんの装備は上から下まで最高品質の物だから、もう買う物はないだろう?」

「むう……」


 明日は朝から防具屋かな? 増築計画もいいけど、やはり命に関わる部分は最優先にしたい。






「そういえば、エミリアがはがねのゴーレムを回収したいとか言ってたな。正確にはゴーレムの研究をしている導師が欲しがっているらしいが、どうせ今日は暇だから少し考えてみたい」

「実際に戦うのはサキさんだとして、問題は武器の方よね……」

「うむ。わしはいつでも構わんのである」

「ちょっといいですか?」

「うん」

「私はミスリル銀の相場を知らなかったので武器を買う方向に流されていたんですけど、鋼のゴーレムを回収して得られる報酬に見合うとは思えないんです。自分たちで買っていたら破産しますよ」


 ……俺はユナに言われて初めて正気に戻ったような気がした。言われてみれば確かにそうだ。いつの間にか買う流れになっていたが、少し冷静にならねば。



「そこで提案ですが、鋼のゴーレムを倒せるだけの武器を用意して貰うことを条件に入れたいです。報酬はその武器の譲渡か、もしくは難易度に見合うだけの現金で。この条件が通らないときは、私たちはあの遺跡から手を引くべきだと思います」

「むッ!?」

「サキさんには悪いですけど、力比べがしたいだけなら剣技大会で頑張ってください。人知れずゴーレムを倒しても何の名声にもなりませんよ」

「う、うむ……」


 あれ? 俺のときには随分と食い下がるくせに、ユナが言ったら素直に諦めるのか。今度からサキさんがゴネ始めたときはユナに任せることにしよう。



 それにしてもユナの提案は理にかなっている。


 鋼のゴーレムは古代の強力な魔法で守られているから、より強力な魔法の武器でそれを相殺する必要があるわけだが、こういう特殊な相手は古代遺跡でも滅多にお目に掛かれない部類のモンスターではないだろうか?

 たった一度の依頼で使うにしては高価過ぎる武器を、わざわざ俺たちが買うのは変な話だ。ユナの指摘がなければ、おかしな流れのまま武器を買うところだった。


「鋼のゴーレムに関してはユナの提案で行こう。エミリアには俺から伝えておく」






 特に話し合うような話題が無くなってしまった俺たちは、思い思いの時間を過ごしている。ティナは調理場へ、ユナは自室でハーブの調合を、サキさんは雨の中銭湯へ行くのを諦めて、馬の世話をしてから家の風呂に浸かっているところだ。

 ちなみに俺は特にする事がないので、ユナと世間話をしながら自室でコロコロをしている。今日は脚を念入りに手入れしているのだが、やはり俺は脚フェチなので細かい部分にも人一倍気を使う。


「今日は特に念入りですね」

「うん。やっぱり女は脚がきれいじゃないとな」

「ちょっと触ってみてもいいですか?」

「うん」


 ユナは俺の脚のさわり心地を両手で確かめたあと、太ももに頬ずりをし始めた。


「こんなにきれいになるんですねー。すべっすべで気持ちいいです……」

「ユナもやる?」

「いいんですか? じゃあ、お願いします」



 俺はユナも自分でやるかと聞いたつもりだったのだが、ユナはスカートを脱いでベッドの端に腰掛けた。

 まあ、たまにはこういうスキンシップもいいかな……。


「………………」


 どうしたわけか俺もユナも無言になってしまい、ベッドに腰掛けたユナの前にひざまづいた俺は、ただひたすらユナの脚をコロコロしていた。



「ちょっと脚開いてくれる?」

「はい……」


 ユナは上半身を反らして両手を後ろに付いたまま、遠慮がちに脚を開いた……脚とは言ったが、これは股を開くという状態だな。

 俺はユナの内ももまで念入りにコロコロを転がした。パンツの境目まで丁寧にやっていると、時折ふにふにとした感触がコロコロ越しに伝わってくる。


 誰かに見られたら誤解されてしまいそうだなあ……。



「太ももの裏側もやってくださいよ。お尻の方とか自分でやると難しくて……」

「しょうがないなあ」


 俺がベッドに腰掛けると、ユナは俺の太ももに自分の腹を乗せてうつ伏せになった。変な体勢だと思ったが、ユナのお尻を片手で引き寄せながらやると安定する。


「パンツのラインで美肌効果がバッサリ途切れるのは頂けない」

「上に引っ張ってもらえませんか?」

「パンツを?」

「そうですよ」



 俺はユナのお尻を抱えていた方の手でパンツを持ち上げると、Tバックのような状態に剥いてからコロコロを続ける。抵抗なくぷるんと剥けたが、こんなものだっけ?

 しかしこの状態は……Tバックでお尻を突き出しているのだが、ユナは恥ずかしくないんだろうか? 俺は目の前のユナと同じ状態になっている自分の姿を想像してしまい、恥ずかしさのあまり顔が火照ってしまった。


「……もういいんじゃないかな?」

「もうですか? 気持ちいいのでもう少し続けて欲しいんですけど……」

「もう十分だと思うが……」


 俺はTバックにしたユナのパンツを元に戻しながら、ユナの裏ももを撫でた。手に掛かる抵抗が全くないくらいスベスベだ。ちゃんと仕上がっていると思う。



「……あ、いい感じです! ありがとうございます」


 自分の脚の触り心地を確かめたユナは、納得してスカートを穿いてくれた。それにしても、コロコロをしていたらすっかり外が暗くなってしまった。


「そろそろエミリアが来る頃だな。広間に下りてみるか……」






 俺とユナが広間に下りると、ソファーに座ったエミリアが一人放置プレイを楽しんでいた。部屋の反対側ではサキさんがミシンをしている。何を作っているのか覗いてみると、普通に雑巾を縫っている様子だった。


「エミリア、例のゴーレムについてだが……」


 俺はエミリアの向かい側のソファーに座って、はがねのゴーレム対策でまとまった話をストレートに伝えた。



「……私も遺跡に興奮していて配慮が足りなかったと思います。近いうちに十分戦える武器を用意しますので、それでお願いします。ただ、物によっては譲渡が難しい品もあるので、そのさいは難易度相当の報酬金で構いませんか?」

「それで問題ないと思う。それから、ゴーレムとの戦闘方法に関してはユナに任せるつもりだ。現状、無力化に成功しているのもユナの作戦だったからな」


 俺とエミリアが魔剣の強さに関する話をしていると、ティナとユナが夕食を運んできた。



 今日の夕食はグラタンとスープ、そして肉と野菜のサラダだった。俺がグラタンをほじってみると、中からチューブ状になったマカロニが姿を表した。


「確か最初のグラタンはシート状のパスタだったよな。何でもかんでも元の世界の食い物にこだわる気はないが、やはりおなじみの形状だとホッとするな」

「思いのほかミンチ機のアタッチメントが上手く行ったのよ。運がいい人はマカロニの出始めの部分が入ってるかもね」


 意味の分からないエミリアを除いて、俺たち四人はマカロニの出始めを探しながら食った。


「……わしの皿に固まっとるわい。三本くっついとった」

「ないですねー」

「一本入ってたわ」

「こっちは無し。皿の大きいサキさんとエミリアの所に集中したかな?」






 飯を食い終わった俺はゴミを集めて焼却炉へ、そのかんユナには食器を洗って貰い、体を洗うのが遅い順番で風呂に入っている。

 以前はゴミ焼きも食器の片付けも両方俺がやっていたのだが、最近の俺は体を洗うのが遅くなってきたので、ユナにも手伝って貰っている。

 やはり洗い残しがあったり、乱暴に擦って肌を傷付けないように意識すると遅くなってしまう。それでもユナより俺の方が若干早いのだが。



「今日はいいことでもあったのかしら?」

「ミナトさんに脚をコロコロして貰ったんですよ。ほら、触ってみてください」


 ユナはティナの手を取って、自分の内股に挟んでいる。自慢したくて仕方がない様子だ。


「あんまりスベスベだから、嬉しくて誰かに触って貰いたくなるんですよー」

「うーん、わからんでもないような……」


 俺もティナの手を取って、自分の脚を触って貰った。


「二人とも磨きがかかってるわね。私もミナトにやって貰おうかしら?」


 うーん、ティナとユナが相手だからかも知れないが、人に触られているのも悪くないかも。どんなことであれ褒められると気分がいいしなあ……。


 ……そして、俺たちもいい加減学習したので、茹でダコになる前に風呂から上がった。






 風呂から上がって適当に涼んだあと、サキさんを誘って歯磨きをしてから、残った三人で髪を乾かし、ようやく寝る準備ができた。


「雨は止んだようね」

「さっきゴミを燃やしに出たときには止んでたな」

「これなら明日は朝から街に出られますね」


 ソファーで酒を飲みながら本を読んでいるサキさんを置いて、俺たち三人は先に寝ることにした。今サキさんが読んでいるのは、両軍の兵士二人が戦場を捨てて駆け落ちする恋愛小説のようだ……ただし両方とも男だが。


「それ、面白いのか?」

「うむ」


 聞くところによると、この小説はエミリアの私物らしい。


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