恐がり龍と、物怖じしない人間
「北斎、美鶴連れてきたよ」
アトリエに美鶴を連れて行くと、北斎はぎくしゃくとした動きで、応接室へ案内してくれて。お菓子やお茶を、北斎自ら出そうとする。
北斎の動きがぎこちないから、手伝おうとしたら、断られた。
美鶴は不思議そうに北斎を見つめていた。
席に落ち着いた北斎は、そっとスマホを取り出す。
「この前は、すまなかった。僕でよければ、と、と、と、……し、知り合いになって、ほしい」
本当は友達って言いたいのに、まだ何処か心の臆病さが邪魔しているのかな。
でも美鶴はへらっと笑って、スマホを取り出す。
「勿論! 〝友達〟になろうよ!」
「あ……うん、有難う……」
「僕は詮索しないよ、これまでの人生君に何があったか興味ないからってのもあるけど、君は怖がってる目をしている。龍の前世を知ってる身としては、人間としては生きにくいだろう性格だろうなって思っているからね!」
「生きにくい性格?」
「人をすーぐ信じるところ! だから、僕は君を人間扱いしない。でもそれでいいと思う、君には君の生き方があるよ」
「美鶴……」
美鶴の言葉に、北斎がこくりと頷き、私に小声で「紹介してくれて有難う」と呟いた。
北斎へ視線を送れば、満面の笑みだった――怖がっていた北斎が何処かへいってしまったみたい。
――二人は、魔法を使える者同士の話や、前世や、芸術の話で盛り上がっていく。
とうとう二人はアトリエに泊まって、連絡をし忘れていた写楽に怒られちゃった。
その後、暫く夜アトリエに行くのは禁止令を出されたっていう、ちょっと笑える話。
北斎編終わりです、次は写楽編。百合編間に合うかな…!予定と変わってきました;




