表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/66

同郷の転移者

 クリスマス当日。


 百合は仕事だし、他の皆も仕事。


 北斎は冬休みに入ったからには彫刻に本腰を入れさせたいと、甫坂さんから暗に「会わせませんよ」と言われた。


 一人ぼっちのクリスマス。


 公園でぽつんとしてしまう。寒いのだから、早く帰れば良い。


 現世の友達に声をかけて、遊んだりすればいいのに。


 喫茶店に入って、暖かい珈琲でも飲めばいいのに。



 どうしてか、一人になりたかった。



 皆にあげようと思って作っていた、クリスマスプレゼント。


 私がこれまで撮っていた写真のアルバム。


 写楽は最初の頃は鬼のような表情ばかりだったんだね。今は和らいでる。


 百合は可愛い表情ばかりだったのに、最近は雄々しくなっている。


 北斎は――ずっとずっと、変わらない。



「北斎は、優しいね」


 結局私を追い出したり、皆を一番に気遣って対策をしてくれた。


 一番に嫌な役目を自らしてくれた。


 でも、不思議だね、御礼を言う気になれないんだよ。


 だって、皆と会えなくて寂しい。


「皆と、遊びたいよ。ずるいよ、何で皆で先に走っちゃうの……」


 私だけが、恋心というもので遊べない。



 ぐすぐすと泣いていると、一人の男性が声をかけてきた。


 青色の髪の毛という目立つ見目で、学ランを着ていた。


「あ、あの、すみません! 泣いてるところ申し訳ないのですが、ここは、ブレッドシザー街ではないのですか!?」


「……ブレッドシザー街って……まさか」


「その反応ご存じなんですね!? ああ、よかった、やっと帰れる……!」


「あ、あの――それは、この世界にはありません」


「へ?! じゃ、じゃあここは何処なんですか?!」


 見目に覚えがある――この、男は……。


「貴方は、勇者のパーティにいた魔術師の方ね?」


「……――僕を知っている、の……? き、君は誰なんだ!?」


「お久しぶり、魔王の――嗚呼、発音できない、名前が。向こうの世界で倒された魔王よ」


「……魔王、だって?!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ