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皆への差異

「薫、ちょっといいか?」


 家に帰れば、写楽が呼ぶので、二人でベランダへ。


 外は寒いけれど、此処へ呼ぶってことは、何か二人きりで話したいときなのかな。


 私は写楽の様子を見ていると、写楽は何か言いたげだった。


 少し待ってみても無言が続き、どうしたのかなって思ったら。


「薫、今からお願いする言葉は、このオレが百合より大事なら聞いて欲しい」


「うん? どんなお願い?」


「クリスマスは、百合のどんな誘いにも乗るな」


 写楽は少しだけ目を鋭敏にし、目を細めて手を握った。


「鈍くさせられてる貴様のことだろうから、百合が呼んだからと、何でも頷くだろう。


 オレや北斎、百合は、貴様のテリトリー内に入ってる程、心許されているのだと思っている。


 だが、敢えて言おう。薫、オレや北斎、百合への好意に、そろそろ差異を見つけてくれ」


「差異――? どうして? 意味が分からないよ。皆大事じゃ駄目なの?」


「薫が皆大事だって、今思うのなら、それなら百合がクリスマスに呼び出しても頷くな」


「……写楽? 何だか、変だよ? 疲れているの?」


「……――いっそ、疲れなどという一過性のものであってほしいと思うほどの、熱を持つ思いだ。


 ……――オレは、貴様が望むように、皆で家族というものをするのも好んでいた。


 しかし、貴様が少しでも、皆の中で、差異があるのなら……オレも動く」


 何だか、写楽のいい方だと、私へ恋をしているみたいな、物言いだ。


 少し混乱するけれど、顔が赤くなるけれど、それはきっと誰かが特別とかじゃない。


 沢山の人に好かれて嬉しい、というだけの思いなのだと思う。


 写楽の言う通り、皆へ差異なんてなかった。


「薫――オレは、まだ言わないぞ。貴様の中で、差異ができるまでは。


 だからオレから言えるのは、オレに差異があるのなら、百合や北斎へクリスマスの誘いには、頷かないでくれ」



 何だか、熱い。


 想像するだけで熱い想いがある。


 でも、これはきっと――……。


「写楽……色々、考えすぎて、頭、ぐるぐる、して……」


「薫? ッ、中へ入ろう、体温計持ってくる。部屋で寝ていろ、今は先ほどの言葉は忘れろ。考えるな!」


 ふらふら、ふらふら。世界が、廻る。



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