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仲間一人目と再会

 生まれ変わって最初に出会ったのは、シャラクだった。


 僕が、瞬いて自分の手をぼんやり見つめていると、後ろから大声がしたんだ。


「***!!! ああ、そうか……貴様の名前、此方の世界では発音できなかったな。オレが判るか、***!」


 いきなりそんなことを聞かれても判らなくて、口調に心当たりがある名前を口にする。


「シャラク?」


「そう、そうだ! 貴様の名前は此方では何なんだ!? 見た目は学生っぽいが」


 シャラクは、何か堅苦しそうな変わった衣装を着ていて、首元に何かを締めて垂らしていた。髪色は向こうと同じ黒で、目の色は残念。昔は赤だったのに、黒い。


 シャラクが僕の持っていた鞄らしきものを漁って、何か通行書のような物を取り出すと、シャラクはそれをじっと見つめて、読み上げる。


飯田いいだ かおる。それが貴様の名前だ、呼ばれたらすぐ返事をするんだ、いいな。でないと此方の世界では不自然だ。ああ、貴様がきたということは倒されたと言うことか……何処か怪我はしていないか? 痛くはないか?」


 シャラクは過保護に心配してから、はっとして顔をさっと反らした。


「貴様……女、だったのか。……怪我はないなら、それでいい」


「シャラクの名前は、シャラクでいいのかな」


「ああ、オレは五十嵐写楽いがらししゃらくというらしい。ハーヴィーと兄弟というやつなのだが、ハーヴィーなんかもっと酷い名前だぞ、この世界の事情を知ると」


 写楽が僕に鞄らしきものを突っ返して、僕をおんぶして走り出す。


 僕の知っている写楽は、もっと怠惰的で走るのも人を背負うのも嫌っていたのに。


「皆に会いにいくぞ! この喜びは、オレだけでは勿体ない!」


 写楽の声は高揚していて、僕は何となく、倒してくれた勇者に感謝した。


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