雑談しながらハンバーグ。
「こっちの世界のご飯はどれも美味しそうだね」
「薫、無駄口叩かないで、手を動かせ。でないと晩飯はなしという恐ろしい目に遭う」
手にべたりとつく生肉に顔を顰めながら、北斎は一緒にハンバーグを作るのを手伝ってくれた。
あれから世界の勉強を少しずつ始めた私は、料理に興味を持った。
すると写楽が食事当番を私にしてくれて、それまで出来上がっていた料理を買ってきていたのに、私が作れなかったら食事はなしだと決めた。
学校とやらにも通い始めている。
北斎と一緒の学校なのに驚いた。北斎は徐々に一緒に登校し始めてくれた。
「薫、知ってる? 薫と僕の噂」
「どんな噂?」
「飼い主とペットみたいだって。噂っていったら、普通は恋愛がらみだと思うのにな」
「ある種当たっているのが面白いね」
「ペット……薫にとって、僕はペットみたいなのか?」
タネを作りながら、北斎は不満そうに唇を尖らせた。
「主従関係だったのは、当たってるよ」
「確かに! 僕は、君の竜だったけど、今は同じ人間だし、同じ年頃だぞ」
「そうだね、今は友達っていうやつだ」
「薫! 薫は判ってない! ……あ、焼くのは僕がやる。肉を焼くのは好きだ」
「じゃあ私はサラダ作っているね」
一緒に北斎と料理を作り終え、百合と写楽が帰ってくるまで二人でお茶をする。
「でも写楽と兄弟だったのは驚いた」
「うん、僕も驚いた。元から似てたからかな」
「君が勇者達に写楽の計画を話したとき、写楽本当に怒っていたよ」
「随分と懐かしい話をする。そうだ、薫。薫にいいものをあげる」
「あまり高い物は要らないよ」
「大丈夫、薫がこれからもお小遣いで買い続けられるやつだ、気に入れば」
何かなと小首傾げたら、北斎からインスタントカメラを貰った。
「……どうして、これなの?」
「薫はまだ機械になれていないし、こっちのほうがやり直しきかない感じがクールだろ。……向こうは思い出も何もかも一瞬で消えて、僕らで話合うしか証明できないけど。これなら、残るだろ。皆と楽しんでるって時間や大事な時間を」
「……うん、そう、だね。有難う、北斎! 最初に皆でそれなら、写真を撮りたいよ!」
「――薫が撮ってくれるなら、きっと皆笑顔で写るよ」
それから、私は写真が趣味になっていった。




