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プロローグ

※男同士で変なことをする小説ではありませんがこのプロローグはそれが存在しております。男同士の性的表現が結構生々しく描写されています。

人によっては不快に感じると思われます。

それが苦手な方でしたら次の話から読んでいただければいいと思います。

 道化師……。それは人に笑われる者の名前。


 他者に滑稽な姿を見せ嘲笑されることを仕事とする。だがそれは裏を返すと全く別に聞こえてくる。


 そもそも道化師は笑われる者と言う考えがまず間違っているのだ。

 笑う側は自分が上にいて下の者の滑稽な姿に笑っていると錯覚しているに過ぎない。だが実際は、全て彼らの手のひらの上で思い通りに踊らされているに過ぎない。


 それは普通なら気が付かないことだ。だから人は自分より下の、滑稽な姿を見せる者を道化と呼ぶ。


ー・ー・ー・ー・ー・ー


 月がその輝きを一層高める満月の夜。少年の手は返り血で真っ赤に染まっていた。


 『目の前の男が悪いのだ』そう必死に自分に言い聞かせ自分を肯定する。そうしないと少年の精神はすでに壊れてしまいそうであったから。悪いのはすべて目の前で横たわる男だ。


 何せ少年はその男に犯されたのだから……。


 赤に濡れた少年の顔は一見美少女に見える。しかし、きちんと男性器は付いているし、性癖も普通の男。ただそれ以外の華奢な体や綺麗に整った顔は初見ではまず男とはわかず、男性の庇護欲を強く掻き立て、欲情させる。


 しかし、それは少年の知ったことではない。

 少年は性癖も男なのだから男性に欲情なんてことは一切しない。


 だから、殺してしまったのだ。力で抑えつけられ、目の前の男性に少年のすべてを見られ、犯されたから……。


 自分に抵抗するほどの力がないことへの悔しさと、どうして自分がこんな目に合わなくてはいけなかったのかという理不尽な世界への怒り。それらが合わさり犯された後、疲れて動けなくなっているところを少年は近くにあったペンで首元をえぐり、殺した。


 それでも、怒りは収まらなかったが今騒げばきっと近くにいる人が駆けつけ少年は捕まってしまう。

 そうギリギリ存在した理性で考えた。だから騒ぐことはできない。

 そして少年には正当防衛も通じない。少年が殺したのは、この『異世界』にある人間族の国で最強と謳われた騎士。

 彼の死亡が確認されたら、この国はパニックになる。

 もちろん殺した者は処刑であろう。いくら正当防衛とはいえ……。


 だがそんなこと知るか!少年は心の中で叫ぶ。


 悔しかった。苦しかった。腕を噛んで必死に怒りを押し殺した。腕から血が出るほど噛む。

 その痛みで股を伝って流れ出るドロッとした白い液体の不快さを紛らわすように耐える。よく見ると、少年はその液体まみれであった。


 少年はただただ、心の中で嘆くしかなかった。


 どうしてこうなった!?異世界なんかに召喚されたからか!?いや、異世界に来てもこの現実を回避できる方法は幾分にも存在したはずだ。ただ、それを掴むことができなかっただけ……。


 その結論に達した時、少年はこれまであったことを思い出す……。

少し、生々しく書きすぎた気がします。

どうも、黒ペンギンと言います。

異世界物は二つ目ですね。(前作終わっていません)

一応この作品は第一章を終わらせるまでは作者は失踪しません。

というか、前作が第一章まで終わりましたので息抜きもかねて前から書きたいと思っていたもので書きました。

※男同士で、こんなことをするだけの作品ではありません。

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