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第四十八話 ダンジョンアターーック⑪真価を発揮したら問題でしたね。

残りわずかですがよろしくです!

 リーシャから渡されたサチの戦闘用装備、それは……


「リーシャ……貴女は私に一体何をさせたいのかな?」

サチがリーシャに手渡されたものを装備しその姿を確認してからの一言。


 リーシャから手渡されたサチの戦闘用装備はチャイナドレスである。

金と基調とした煌びやかな見た目のドレス、サチの銀色の髪を引き立てる黒い色合いのシニヨン。

そして何よりサチの整ったボディラインを際立たせ、足フェチならたまらない反応を見せるだろうスリットからみえるスラリとして美しい太もも、そして激しい動きをしても見えそうで見えないというチラリズムが妖艶さをも演出する。


 「それもいつの間にか作れちゃってて……で、でも性能は良いんだよ確認してよ!」

言われて性能画面を閲覧しリーシャが言いきるだけの事はある性能である。




 『武帝の武闘着:幾種もの植物素材から取り出した選り抜きの繊維と高品質の布を縫合し縫い上げられた至高の逸品。

格闘系・暗器系攻撃時にダメージボーナス中、炎耐性弱、氷耐性弱。

※サチ専用。敏捷補正+大・筋力補正+中・魅力補正+大。品質100』


 『武帝の王家靴:幾種もの植物素材から取り出した選り抜きの繊維を縫合し外部に魔鉄製の突起、内部にクッション性能を上げるべく蜥蜴の皮を内縫した使い手のことを思った靴。

格闘系攻撃時にダメージボーナス大。

※サチ専用。敏捷補正+中・筋力補正+小。品質100』


 『武帝の王家籠手:幾種もの植物素材から取り出した選り抜きの繊維を縫合し、硬い皮と柔らかい皮を使い分けた逸品。

暗器使用時にダメージボーナス大。

※サチ専用。耐久補正+大、筋力補正+中。品質100』


 『武帝の王家髪飾:幾種もの植物素材から取り出した選り抜きの繊維を縫合しつくられたシニヨン。

髪を纏める際にツボを刺激し肉体を活性化させることがある。

装備中格闘家スキル【転孔】取得。

【転孔】:肉体の気脈を開放する。基本ステータス+小

※サチ専用。知力補正+大・魅力補正+中。品質100』


『武帝セット効果:全ステータス+超』

『品質一致ボーナス:運補正+超・魅力補正+超』




 「リーシャ……貴女はいつからチート使えるようになったのかしら?」

 性能を見たサチから出た一言に憤慨するリーシャ。


 「失礼な!おねぇちゃんみたいなチートちがうし!!ちゃんとした実力だよぉ!」


 もちろんリ-シャへの発言はサチの冗談であり、サチはリーシャがここ最近必死に職業経験を積んでいたことは知っている。


「冗談よ。ありがとうリーシャ。こんなに性能のいい装備を作ってくれて」

 お礼を言うサチにリーシャはエヘヘと嬉しそうにはにかむ。


 「注文の時に戦闘時の装備は見た目を気にしないっておねぇちゃんがいってたけど

妹としてはせっかく綺麗なおねぇちゃんが金属系装備でガチな見た目になるよりは

服系統の装備で見た目ももっと綺麗になってほしかったんだぁ」


 余談だがリーシャがこの装備セットを完成させた時に称号【神縫の】とかいう自分の作った装備を着用時に着用数に応じて能力補正があるというものを取得したらしく出発までに自分用装備を作ると息巻いていた。




 リーシャ以外のメンバーも思い思いの価値観で自分や仲間が使いそうな装備や料理アイテムをつくり、とうとう生産スペースから出発する時間になった。

 合流した仲間はサチの装備がものすごく変わっていることに驚き、リュウはといえば言わずとがな、今まで見たことの無い妖艶なサチを直視できないでいた。


 合流時にリーシャは全員分の装備(時間の関係上セット装備にはできなかったが)を渡す。

リュウには属性攻撃軽減付きの頭装備、魔術を使うリリーナとユーリアには属性攻撃軽減と魔力増加系統のローブ、天敵であるマトイにも渋々ながら属性攻撃軽減つきと行動速度が上がる服を渡していた。


 先に述べたリーシャ自身の装備はというと、魔法少女コスというべきものだった。

羽のアクセントのついた赤い先折れハットに、フリルをふんだんに使ったヒラヒラのよくアニメに出そうな服、チェック柄のスカートの丈は短く極めつけはいつの間にかリュウに作らせていた箒状の杖である。

 見た目が可愛いリーシャの可愛さを引き立たせてはいるが、姉としては少々複雑な気分だ。


 「サチさんもリーシャさんも華やかな装備になったわねぇ。似合ってるわよ」


 「そうですね。サチさんはさらに綺麗になりましたし、リーシャさんも可愛らしくなって羨ましいですよ~。あ!すみません、ちょっと掲示板で作業する事ができたので少し待っててくださいね」

 ユーリアとリリーナがそう褒めてくれた。リリーナはなにやら情報を書き込むらしく掲示板を起動し書込みに没頭し始める。


 数分しリリーナが戻って来た後、9階を目指すべく階段のある場所へ向かう。

この8階のフィールドは今までの人たちが踏破済みなので探索をする必要は無いのだから。






 「それじゃ、9階に行くよ?」

サチの号令にメンバーが頷き階段を下りていく。


 9階は5階と同じく氷のフィールドで、氷、水属性のモンスターがわんさかと闊歩していた。

5階のときと同じくリーシャは職業を治療師にチェンジしヒーラーメイン、今までの回復メインをしていたリリーナはバッファーとして補助・ヒーラーとして行動する。


 ここでも試練で獲得したサチのアクセサリ効果でレアモンスターに出会うが尽く撃破し、8階の生産で減りに減ったアイテム枠に大量の素材を補充していく。

 出会うモンスターは〔グレッチャウルフェン〕・〔氷獄鳥〕・〔ネーヴェエレメント〕といった通常種モンスターからその上位レア個体である〔ハティ〕・〔フレスベルグ〕・〔ウィンデーネ〕などといったモンスターが、これでもかというほど襲い掛かってくるのだ。


 しかし中でも厄介だった相手はレア種の〔ハティ〕と〔フレスベルグ〕で、この2種は取り巻き召喚と戦闘中に気配を消すという芸当をやってのけ、サチたち前衛が取り巻きの相手をしたりしてレア個体を見失い何度も後衛職を狙われたりしたのだ。


 レア個体に狙われた後衛陣が必死に逃げたりしていなければ貴重な後衛戦力を失っていたことだろう。

結局どういった対応をしたかといえば、リュウとマトイに取り巻きの相手をしてもらい、フレスベルグ等の鳥型モンスターに対応できる対空スキルを持ったサチが後衛に張り付き相手をする形になった。


 ハティはさすが氷狼王の異名と持つだけありこの雪と氷のフィールドでも進撃速度を落とすことなく

サチたちに攻撃を加える。このハティじつは下位個体のグレッチャウルフェンと同じく弱い個体から狙う習性があり、前衛リュウがいくら引き付けようとしても物理防御や耐久値の低い後衛を狙ってくる。


 初見では振り回されたサチたちだったが、2回3回と遭遇するうちに逆に魔法職を囮に使うという方法で倒したのだ。具体的にはユーリアの【 影の使徒シャドウサーバント】で、攻撃を一回無効という特性を得てひきつけて集団で倒すという方法だ。


 フレスベルグは上空からの氷魔法と衝撃波といった安全圏からの遠距離攻撃でサチたちを苦しめる。

上空からという事さえ除けば普通の鳥より少し耐久の高いモンスターでしかなかったが、上空への攻撃というのがネックだったのだ。


 いくらサチのエアリアルやマトイの投擲で対空攻撃をできたとしても、空の支配者たる鳥に真正面から突っ込んで攻撃が当たるわけも無く……試行錯誤を繰り返して挟み撃ちにしてみるなど試すが掠る程度の戦果しかなくむしろ回避された後に衝撃波で反撃を食らう始末。


 結局ここで役に立ったのは光魔法。大量のモンスターとの戦いを経てリリーナがLV30を超え取得した

【ライトニングゲイル】

名前だけ聞くと雷の魔法と勘違いされるかもしれないが《光の嵐風》辺りで考えておいてほしい。


 リリーナがこのライトニングゲイルを使用しフレスベルグの周囲を嵐によって支配する。

後は体勢を崩したフレスベルグに対空攻撃を仕掛けるというもの。

 これが大当たりとなり高確率で確殺できるようになったのだ。




 手に入れたアイテムは大半が水/氷系統の素材アイテムで後は高位レアモンスターが極稀に落とすドロップ装備などだ。この辺はサチの幸運が働いているのであろう……が、現在の装備より劣る為バザーもしくはギルド倉庫の肥やしになりそうである。


 アイスゴーレムなどもちょくちょく見かけたが、態々倒しに行くまでも無いので、踏破率を稼ぎつつ

探索を続ける。


 この9階の東方にも下層で見たような石像があり、ユーリアが調べていた。

今までと同じように何も無いと思っていたがここではアイテムを入手することになったのだ。


 『獅子王の魔皇石:禍々しい力の秘められた魔石の中でも最高位の石。加工する手段は存在せず

なにに使うかは一切不明。品質120』



 はい、予想がつきました。いかにも使えそうな場所に心当たりがありますからね。

だけどこの件に関してはユーリアさんに一任することにした。


 そのユーリアさんが言うには

「見当はついてますし確認するためにわざわざ降りるよりも先にダンジョンを制覇しちゃいましょう」

というので今回は見送ることにしたのです。



 9階で他に怪しいものは見つからずサチたちは最下層10階の階段へ向けて進む。

10階へ向かう途中にアイスゴーレム3体に襲われたがサチのスキルにより瞬殺され美味しい素材へと変化しましたとさ。


 そしてとうとう私達は10階へ到達しボス部屋までの直線通路を採取をしながら進む。

歩きながらユーリアさんがここのダンジョンボスについての説明を始めた。


 「ここのボスは〔ニーズヘッグ〕よ。2つの頭を持つドラゴン系のボスになっているわ。

倒し方としてはもう攻略法が出てるから今の私達なら苦労しないはずよ。

 重要なことは攻撃箇所が3箇所あって右首、左首、胴体の3つ。


 2つの頭をほぼ同時に破壊すること、そうしないと倒したほうの頭が完全再生して戦闘が長引くことになるわ。胴体の体力も削っておかないとせっかく首を同時破壊していても時間経過で倒した首が再生するわ。


 ボスの攻撃手段は2つの頭から繰り出される連携攻撃と炎と氷のブレス、カギ爪での攻撃で即死した前衛がいるって言う報告もあるから気をつけて!」



 なるほど、ボスの首での連携攻撃は大変そうだけど聞いてる限りそこまでの脅威は感じないわね。

後は誰がどこの担当をするかになるのだがこれが問題だった。


 右首:サチ&リーシャ・左首:リュウ&マトイ・胴体:ユーリア&リリーナときめる。

ただしこの編成だと胴体への蓄積ダメージが少ない予想があるため首担当メンバーがある程度首を瀕死まで追い込んだら胴体担当側へのフォローをするということになった。


 耐久力・精神力の回復も終わりボス部屋の前に到着するとそこには、ビャッコ達とシズル達がいて

なにやら話をしているのだった。


 「あれ?皆さんおそろいでどうしたんですか?」


 「あっ、サチさん!?実はちょっと異変がありまして……ボス部屋の様子がおかしいのです」

ビャッコに詳しく聞いてみると中にはニーズヘッグではなく別のボスが鎮座しているとのことでこの2つのパーティは戸惑っているのだった。

 彼女達は見たことの無いボスで討伐情報が無いことからデスペナを受けることを危惧しているようである。

 確かにデスペナルティで12hの間ステータス70%ダウン、獲得経験値90%カットはきついですからねぇ。


 「それでこちらのシズルさんと話をして協力しませんかという話し合いをしてたんですが、ここで会ったら運命共同体という事でよろしければサチさんたちも一緒にレイドを組んでくれませんか?」


 「レイド?」

サチは聞いた事の無い言葉に首をかしげると、リーシャが説明してくれた。


 「おねぇちゃん。レイドっていうのはねダンジョンボスなどを複数のパーティで協力して倒すシステムのことで1レイド30人まで組めるんだよ。レイド登録していればその戦闘に限り、全員がPTあつかいになるんだよ~。」



 ななな、なんですって!?リーシャの言葉を聞いて私の中には一つの職業名とその特性を思い出す。


 【女帝】:軍事的統率面で能力を発揮する職業。

 職業特典:パーティリーダー時に自分を除くメンバーの人数x2%能力の底上げ補正をする。

パーティメンバーの能力を1%上昇補正する。職業LVがあがれば上がるほど効果が上乗せされる。


 「ね、ねぇリーシャ……」


 「ん?なぁに?おねぇちゃん」


 サチは過去に説明した女帝の効果の説明しなおすとリーシャの顔がぱっと明るくなる。


 「そ、そうだよ!おねぇちゃんがその職業になれば見たこと無いボスでも倒せるに決まってるよ!」



 やっぱり私の予想は当たっているようだ。それを確かめるべくサチは女帝へ転職。

少し試したいことがあるといってレイド参戦パーティを組むとサチ達6にんビャッコ達6人シズル達6人の

18人が表記される。そして……ステータスを見ると上昇幅がすごかった!



 現在の女帝のLVは9階ですこしあがって25LVとなりパーティ一人につき自分自身のステータスが+7%

それが自分を除くと17人いる為120%弱(119%)あがっていると言う事であり、予想外に無双状態になっているのだ。遺憾ながら25にあがったその時に恐ろしいスキルを取得してしまいました。

 使いたくは無いですがこの様子だと……出番が早そうです。



 その後リーシャたちを除くその他12人にメンバーに自分のステータスを確認してもらうとサチの職業効果で能力の底上げがされており非常に驚いていた。

 この底上げによってその場にいた全員がボスに挑むことを決める決定打となった。

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