第四十六話 ダンジョンアターーック⑨ 生産者の聖域にて!私的な問題です。
投稿2本目!
「大丈夫?手伝おうか?」再度チーム【妖精剣士の集い】の面々に向けて声を掛けるが、
シズルが言うにはもうすぐ倒せるので大丈夫との返答を得た。シズルの言う通りその後数分経過し
【妖精剣士の集い】が勝利を言うかたちで決着が付いた。
「しかし、女神ギルドの皆さんはすごいな・・。我々が戦っていた同種のラーヴァゴーレムを含めたあの数のモンスターたちを我らが一体倒すよりも早く終わらせるとは」
リーシャとリリーナが回復魔法で治療中のシズルがそんなことを言った。
「まぁね~。これでも私達戦闘データを集めながら戦ってるから一度戦った相手に早々不足は取らないよ。それにあのゴーレム超おいしいしねぇ」
サチの言葉にチーム【妖精剣士の集い】の面々は「ほぅ!」と反応する。ちなみにこの「ほぅ」には
サチの言葉に納得する意味と、何度見ても美しいサチの美貌に引かれての意味もある。
回復を終えて継続ダメージも気になるのでサチ達やシズルたちは7階の探索を終わらせて8階へ向かうことにしたのだ。しかしそこにも再会が待っていたのだった。8階へあがったサチたちが見たのはビャッコたちであったのだ。
「あ・・やっほー。サチさん達。えと・・・今上ってきたって事はあのモンスターたちから逃げてきたんだよね?」恐る恐るといった感じで確認を取ってくるビャッコたち。
その様子で先ほどの7階で遭遇した状況に察しの付いたサチが答える。
「それは8階前にいたモンスターの群れのことだよね?……ラーヴァゴーレム数体を含めた」
その確認にビャッコたちは申し訳無さそうに頷く。
「うん、そのモンスターの群れです。後からサチさん達が来るだろう事がわかってたのにあの状態で放置してごめんなさい」頭を下げるビャッコたちにまずはシズルが反応する。
「そちらにも都合があったのだろうけどあのフィールドに大量のモンスターを設置しておくのはMPKと言われても仕方ないことだと思うぞ?私達も女神ギルドの皆さんが来てくれてなかったら死に戻りしていたのは間違いなかったからな・・」
「まあまあシズルさん、貴方達は無事に生きてここに到達できてますし、私達はあのレアモンスターの群れを倒して懐がウハウハですし悪いことだけじゃないと思いますからその辺で攻めるのは止めてあげてください」とユーリアも会話に参加する。
「本当にごめんなさい・・。それであのぅ・・さっきの話の中で群れを倒したって聞こえたんですけど
本当なのですか?」ビャッコはまだ悪いと思っているらしく口調が穏やかでビャッコじゃないように感じる・・。
「うん、すごくおいしい敵だったよ~。おかげで良い装備が作れる素材が大量に手に入ったよぉ。
私達にとっては倒しなれたモンスターだしね。町に戻ってからの生産作業が今から楽しみで仕方ないのよ」
とサチが言うとビャッコたちのPTの中のドワーフが進み出て思いがけない一言を放つ。
「ふむ・・?ではお詫び代わりにこのダンジョン8階のとある隠し通路からいける作業場の場所をおしえておきましょうかな。一応生産職の秘密の作業場ゆえ他の者には広めてほしくないのだがね」
「え!?このダンジョンに作業場があるんですか?ぜぜぜ、是非教えてください!他の人には内緒にしますので!!」
サチのものすごい食いつきぶりに少しビビッたドワーフだが、オホンと咳払いをしてサチ達にその場所を教える。チーム【妖精剣士の集い】の面々は生産作業をほとんど行っていない為席をはずしてもらっている。
「と言うことでこれがその作業場へのマップだ。施設自体は全種類揃っているから、使い勝手は良いはずだ。俺たちもそこで作業をするつもりだから、そこまでは一緒に行動したいのだが構わないかな?」
ドワーフことドン=ファンさん(以降ドンさん)の提案に断る理由は無いのでサチたちギルド【 女神の黙示録】のメンバー、ビャッコたちチーム【猫の手】の面々は隠し施設へ向け移動する。
チーム【妖精剣士の集い】のメンバーはと言えば、私達から回復アイテムを買い取りダンジョン攻略を進めると言っていたのですでに別れている。
道中サチの忌避する昆虫型の多いエンカウントを無事乗り越え、漸くたどり着いたのが7階で見たような溶岩の溢れ出る山だ。
「こんな所に隠し通路があるんですか?」
サチがドンさんに尋ねる。
「あぁ、初めてここに来たメンバーが戦闘中に勢い余ってこの場所に吹き飛ばされた時に偶然見つけた場所だ。当時の奴らの中には生産職持ちが一人しかいなかったことで大きく騒がれることは無かったが、
気づけば古参の生産職達には広まっていたと言う秘密の場所だ。おそらく今もここに篭っている奴はいるだろうな」
そういいつつ溶岩の中を進み始めるドンさん。その行動に驚きながらも付いていくサチは耐久が減っていないことに気づく。
「もしかしてこの溶岩は見せ掛けだけですか?」
「その通り!7階ならいざしらず8階に無いはずの溶岩が怪しいと思ったやつ位しかきづかんだろうな。」
サチはそれって大体の人が気づくのでは…?と思ったが口には出さないでおいた。
そのまま溶岩の中を進むこと数分、目の前に大きな施設が現れる。
「おぉ~!これはすごく……おおきい……ですね。」とサチがいうとドンさんの様子が少しおかしかったが気にしないことにしました。おかしいこといってませんよね?
「ま・・・まぁここが目的地だ!ここにある作業場は各種施設に多数の部屋が付いてて町の施設よりは良い性能だから自分より少しランクの高い素材でも扱えるぜ!用があればNPCもいるからそっちへ聞きな!」とのこと。
ドンさんに案内のお礼を良い、私達はそれぞれの職人施設へ向かう。その際にリーシャに呼び止められたので用件を聞くためリーシャに向かい合う。
「どうしたの?リーシャ」
「あのね、おねぇちゃん。私もここの作業してるうちに職人LVが30を超えそうなのよ。それで上位職になったら一番におねぇちゃん専用の装備を作りたいんだけど・・・どういう装備が良いかな?」
リーシャは私に装備を作ってくれようとしていると知り、嬉しくなった私は戦闘用装備と街中行動用の性能度外視した見た目重視装備でデザインはリーシャにお任せと言う形にして頼んだ。
「任せて!私がおねぇちゃんのためだけの装備を作って見せるよ!」
と勢い勇んで裁縫施設へ入っていくリーシャを見送った。
「施設に行こうかと思ってたけど、NPCがいるって言ってたしどういった対応してくれるのかきいてみようかな」
そう思い立った私は周りにいる他のプレイヤーに聞き込みをしてNPCのいる場所へ向かった。
「おや?あなたは職業のLVが30を超えていますね。でしたら錬金施設にいるハスランというものに力を認めさせることができれば新しいスキルを取得できるでしょう。一度行ってみては如何かな?」
NPCに言われた通りサチは錬金施設にいるハスランの元へ赴きハスランと思わしき人物(NPC)にはなしかけた。
「あの~、ハスランさんでしょうか?」
「そうだが君は誰かな?この辺りでは見たことが無い顔だけど?」
「案内の人からハスランさんに新しいスキルを教えてもらうようにと言われましたので訪ねてまいりました。ぜひとも私に新しいスキルを教えて貰えませんか?」
サチがそういうとハスランは合点がいったという反応をして答える。
「なるほど。君は私のオリジナル錬金を学びたいと言うことか・・。それならばまずは品質が80以上の精神ポーションを持ってきなさい」
クエストが表示されたが既に所持しているアイテムだったので割愛する。
すぐにハスランに精神ポーション(品質120)を手渡すとハスランの目が驚きのあまり大きく見開かれる。
「き!君はこのようなものを作れる腕を持っているのか・・なるほどな。では次のアイテムはこれだ!」
『オリジナルクエスト(錬金):品質80以上の攻撃アイテムを作成し提出せよ』
攻撃アイテムかぁ・・・。一応麻痺薬とかを出してみたがこれではだめなようだ。
しかたなくサチは錬金施設へ入ると、作成メニューを呼び出し攻撃用アイテムでソートすると、手持ちの素材で作れそうなアイテム〈火炎爆弾〉が表示される。
必要素材は、溶石、黒い鉄鉱石、岩炭の3アイテムで全てこのダンジョンで手に入ったものだ。
称号を幸運につけなおしたサチはすぐに作成コマンドへ素材を放り込む。
『火炎爆弾:炎攻撃に特化させた攻撃用アイテム。投げたり設置したりと使い方は色々。投げる際は衝撃を与えすぎないようにしないと自分が巻き込まれるので注意。品質120』
「できた…っと。品質も問題ないみたい。やっぱり素材LVと職業LVと称号の補正の総対値が品質に前後されるようね。とりあえずはこのダンジョンで取れるアイテムなら30以上で品質120はいけるって事でほぼ確定かな」
作り終えた火炎爆弾をハスランの元へ提出するとまたしても目を見開くハスラン。そういうキャラなのかしら……。最後に出された御題は簡単だった。自然には存在しない鉱物を提出せよということだ。
要するに5階で暇つぶしに作った鉄鉱石(氷)を提出し終了となる。
「君は見事な腕前だな。君ならオリジナル錬金を手足のように使いこなせるだろう。だが思い上がってはいけない。オリジナル錬金は失敗時には相応のリスクを負うことになる。自分の能力の限界を超える錬金は決してやってはならないよ」
ポポポーン♪
『職業錬金術師にスキル【オリジナル錬金】が追加されました』
※このスキルがあればレシピのあるアイテムの素材を変更し自分の考えたアイテムが作れるようになります。レシピの無い調合をしたい場合ですが悪い事は言いません。ある程度レシピの変更アイテムで素材の扱いに慣れてから手を出されるのが懸命です。
レシピ上の変更で失敗しても多少のダメージを追う程度で済みますが、レシピが無いものを一から作る場合は反作用などによりきわめて甚大なダメージや施設に大打撃を与えることになります。
「えっと・・要するにいきなり自分勝手な調合はするなってことよね。失敗したらどうなるのか非常に気になるけどあえて失敗する必要もないわよね。それに私ならダメな調合しても称号効果で何とかなりそうだし…」
実際この時点で新しく完全オリジナル錬金をしても事故は起きないことは称号によって保障される。
が、サチ自身慎重に事を運びたい派だったので、注意どおりコツコツと素材の扱いを覚えていくのだった。
錬金のほうは目標を達成し、次はずっと頭の中で構想を練っていた鍛冶施設へ赴いた。
現在鍛冶師のLVは28。錬金で作った属性付の鉱石で装備を作れば初回ボーナスで大量に経験値が入りおそらく30LVなど余裕で達することができるだろうと考えたサチは、各種インゴットを用意する。
用意したものは氷属性もちのインゴットを30本、炎属性のインゴットを40本だ。鉱石系を全てインゴットにしてしまうと繋ぎなどに使う材料が足りなくなる為少しは余裕を残してある。
こうしてインゴットを作っているだけでも鍛冶師の経験値が伸びていて予想通りとこっそりほくそ笑んだとか……その姿を見ていたこの施設でメイン活動している何人かの生産プレイヤーは女神の微笑を見て慣れた作業に失敗するとか問題が起きていたらしい。




