第三十五話 ギルド設立を目指してその⑥。名義登録・・・それが今までの中で一番問題となるでしょう。
無理やり纏めた感があるかもしれない
でも誤字じゃない限りなおす気はないですけど!
こつこつとお気に入りが増えてます。感謝です!
苦労の末、光油の作成に成功した次の日の朝、朝食にトーストとコーヒーを選び、すぐに食べきる。
昨晩優未がログアウトする時も、ソロでもうちょっと狩をするといっていたから寝るのが遅かったのだろう。そういうことで美希はまだ起きてないないようだ。
「ギルド作っちゃいたかったんだけどなぁ・・。美希がおきるまで時間有りそうだし鍛冶師のLV引き上げとこっかな。たしかまだ18だから20まであげれば、作れるものの種類も増えそうだし。」
昨日の生産で、薬草系素材はほぼ空になったが、鉱石素材ならまだあるもんね。どうせだから女帝時の武器もちょっと試してみよう。ログイン後の予定をたてながら優未はTCOへログインしていくのだった。
カンカンカンカン!ゴォォォ!!カンカンカン!!
生産施設の鍛冶施設にある金床や溶鉱炉前から金属をたたく音が聞こえる。
サチしかいないこの鍛冶場だがサチが金属を叩いているわけではない。これはあくまでもスキルを使った時のサウンド効果なのだから・・。
「・・・ただウィンドウからアイテム選ぶだけの簡単なお仕事だからあんまり達成感がないのよねぇ・・
早くオリジナルスキル系取得しないとこんなシステムの生産方法じゃ生産職いなくなるわよね・・。」
そういいながらも鉄鉱石や真鉱石をインゴット化、その後はレシピ通り剣や斧、槍に作り変えていく。
「そういえば赤青黄の錆鉱石の類も気になるのよね。素材選択には出てくるから試してみようかな・・
えっと作成可能アイテムは・・・っと。・・へぇ・・・こんなのできるんだぁ。でもいつも思うけどこれって細工の領域だと思うんだけどなぁ・・。」
取り合えず錆鉱石3色を纏めてインゴット化する。と鍛冶師が一つLVアップした。
『三錆色インゴット(赤):材料となる鉱石の分量次第で色々な効果を持つようになる。
柔らかい性質の為武器には向かない。赤は腕力補正もしくは耐久補正。品質100』
『三錆色インゴット(青):材料となる鉱石の分量次第で色々な効果を持つようになる。
柔らかい性質の為武器には向かない。青は敏捷補正もしくは魅力補正。品質100』
『三錆色インゴット(黄):材料となる鉱石の分量次第で色々な効果を持つようになる。
柔らかい性質の為武器には向かない。黄は精神力か器用か知力に補正。品質100』
「あれ?やっぱり品質120になってない・・なんで?」
昨夜の光油の時も思ったのだが、今まで【絶対的幸運の】をセットして生産した場合は品質限界突破の数値120ばっかりだったのだ。まあ成功さえしてくれれば経験値は既定量手に入るんだけど・・品質120に慣れてしまった今となっては納得いかない(初心はすでに忘れていますよ?)。
しかし先ほどの鉄鉱石や真鉱石で作ったインゴットはちゃんと品質120で作られているので、称号効果が下がったというわけではないのだろう・・。そうなると考えられる問題は・・
「素材自体の材料のLVか職業LV・・もしくはその両方かな・・」
もしこれが理由なら常に最高の武器を作りたいなら、生産を重視してLVをあげていくしかないだろう。
今のサチのように冒険と生産の両方に手を出していると、適正狩場の素材をつかっても品質100のものが最高になるわけである。(品質100でも恐ろしく高性能なのだが・・)
まあ品質に関しては今すぐ問題になるわけではないので後でゆっくり考えることにし、三錆色インゴットの加工について思案する。ウィンドウを見ると鍛冶師で作れる唯一のアクせサリである指輪が表示されている。ただし無骨だが・・。まともな細工師に渡したほうがきっといいものができるのだろうけど、サチは無骨なリングを3色分作ることにしたのだ。もちろんこれはギルドを作る記念にリーシャたちに渡すためだ。
リーシャとマキノには黄色、私とリュウには赤、マトイには青をそれぞれ渡すと決め製作に取り掛かる。本製作に入る前に仮製作として称号を【姫の】に変更し、作成・・・失敗。失敗。失敗。
どうやら相性が悪いようですね。手軽に効果つきアクセができると思ったのに・・残念。
しょうがないので、【熟練の】へ変更し再度製作・・・成功。
『無骨な三錆リング(赤):鍛冶師サチに作られた加工の難しい珍しい素材で作られた指輪。腕力補正中。品質70』
能力結構よくないですか?耐久補正も付かないか願いましたがそうは上手くいきませんでした。
とりあえず普通に補正が付くタイプのアクセサリのようなので、他のメンバーの指輪を作成していく。
『無骨な三錆リング(赤):鍛冶師サチに作られた加工の難しい珍しい素材で作られた指輪。耐久補正中。品質70』
『無骨な三錆リング(青):鍛冶師サチに作られた加工の難しい珍しい素材で作られた指輪。敏捷補正中。品質70』
『無骨な三錆リング(黄):鍛冶師サチに作られた加工の難しい珍しい素材で作られた指輪。知力補正中。品質70』x2
『無骨な三錆リング(黄):鍛冶師サチに作られた加工の難しい珍しい素材で作られた指輪。精神補正中。品質70』x2
ふむ~・・・色々補正が付きましたね。ダブルで付いたら揉めそうだったので、全部がシングル補正で助かりました。・・え?黄色の指輪が多い理由が知りたい?そうですか・・。
リーシャとマキノさんが選ばなかったものをリリーナさんにお渡ししようと思いましてね。
それに魔法職がたくさん仲間に入りそうな予感がするのです・・(笑)これぞ秘技【先見の銘】!なんちゃって?
まあ今回は材料が少なかったので以降の指輪に関しては荒野でレアモンさんを倒せば素材手に入れれますし、その都度取りに行くことにします。あの辺なら一人で倒せますしね・・。
指輪が作り終わったところでリーシャがログインしてきました。やっと起きたのね・・もうじきお昼ご飯よ・・・。
「おねぇ~ちゃん。ねみゅい~。zzz」こら・・きてすぐ寝るな!寝落ちの場合、アバターへ悪戯可能だから寝られたらほんとに困る・・。美希はまだハラスメントコード対象内だから大丈夫だけど私ならアウトだもんね。まあ私なんかに寄ってくる人はいない思うけど。(そんなことは断じてない!寧ろ寄ってくるぜー!・・・って声が聞こえた気がしました。寒気がしたので絶対寝ないように気をつけよう・・・)
眠りかけたリーシャをたたき起こす(この時リアル面での物理的行為も入る)と、すでにログインして別行動中のリュウとマトイを呼び出す。先・・マキノさんは本日学校へ出勤ですので夕方じゃないと来ないので4人とともに役所へ向かう。マキノはログインしていないがPT登録されているので問題ないらしい。
・・ならサチ一人で手続きすれば良かったのじゃないかと言われそうだがそこは気分の問題もあるじゃない?ちなみにマキノからは「いいギルドの名前をお願いね」といわれておりすごくプレッシャーを感じております。この話を聞くまでギルドの名前なんて考えてもいなかったサチは急いで全員の意見を聞いたのだ。
「えぇ?ギルドの名前まだ決めてなかったのぉ~!」リーシャが素っ頓狂な声で叫ぶ。
決めてないから聞いてるのよ!といいかえしたくなるサチだが、リーダーを任され請け負ったのに、大事な名前を決めていなかったのは落ち度なので我慢しました・・。(と思う。あとでリーシャが涙目になってたけどね)
「それでみんなの意見を聞きたいのだけど?何かいい名前の案があるかな?」
サチは3人を見回しながら聞いてみたところ、3人とも考えてくれている最中のようだ。
しばらくして何か思いついたかのようにリーシャが顔を上げ、
「女帝とその僕達は?」
「「却下!!!」」とリュウとサチ。しかしマトイは意外と気に入ってしまったようだ。
どうしてこういう時はリーシャとマトイの意見が合うのだろう・・。普段何だかんだでいがみ合ってるくせに・・まことに不思議です。そもそも女帝は多分職業的な意味で私って事なんだろうけど(もちろん不本意です)、自分達を僕って・・リーシャとマトイはお馬鹿さんですかね。
「女帝旅団!」またしてもリーシャである。
もちろん却下しました・・いい加減女帝から離れて・・・。なんとか旅団は良いかなと思ったのは内緒です。
結局その後も大した案が出ず、ギルドの登録名が決まらないでいた。
ウンウン唸りながら話し合いをしているサチたちを見ていた他プレイヤー達をも巻き込んで、自分達のギルドの名前を相談していく。自分達で決められないなら求められる名前にすればいいか・・・と思ってね。
そうすると出るわ出るわ。美魔女団、魔女裁判、魔女帝国・・・なんで魔女ばっかりなのよ・・・。
その後も光と闇の帝国とか厨二くさそうな名前とか。だれも闇魔法は持ってないわよ!?といいかけたのです。
そしてまあたくさんの人を巻き込んで最終的に多数決で決めることになったわけで、これがどれだけ変な名前であっても受け入れるという約束までしてしまいました。うぅ・・なんかハメられた気分。
では・・・その名前を発表します!・・・・グスン。
【 女神の黙示録】
今まであがった中ではマシだと思いたいです。というか関連ワードはあがらなかったのに突然挙がったこの名前に集まっていた他プレイヤーの大半が賛成したのは何故でしょう・・・。
リーシャとマトイもこの名前に賛成してましたね。リュウは私に丸投げでしたし。
最終的に痛い名前になってしまったのは残念ですが、文句は言わない約束ですし今まで付き合ってくださったプレイヤーさんたちにも悪いですから、さっさと登録しちゃいましょうか・・・。
必要アイテム5種類とギルド名を書いた申請用紙を役所へ提出すると、無事登録が完了し、
ポポポポーン!
※《新しくギルド【 女神の黙示録】が登録されました。》
ギルドクエストの完了報告を確認しました。以後役所内でギルドホームの購入手続きなどが行えるようになります。ギルドホームにはログアウト用の個室(無料オプション)、有料で町の生産施設にはない高位の生産用施設などを設置することができます。好きなようにカスタマイズしてみましょうね!
といった説明が流れる。ギルド発足関連は全体へ、説明文章についてはギルド登録メンバーにだけ流れている。
登録が完了し振り返ると、名前を決めることを手伝ってくれたプレイヤーにおめでとう!などの祝いの言葉を貰い、いろいろありがとうございます、と返していく。
プレイヤーたちへのお礼が言い終わり残ったメンバーと相談。もちろんギルドホームについてだ。
とりあえず全員でお金を出し、一番安い建物を買う。ギルドが大きくなると共に建物も大きくしていこうということになったのだ。
夕食間近になった頃にログインしてきたマキノにも説明し、資金援助をしてもらう。
この時点で5人揃ったのでサチは用意していた無骨な三錆リングを渡すことにしたのだ。
この事は4人とも予想していなかった出来事のためすごく喜ばれ、当初の予定通りの色合いの指輪を渡し装備されていく。
指輪を渡し終えた後は当面早速だが居ない人のカバーには入れる数人程度はメンバーがほしい、というと、マキノがログイン前に見ていた掲示板で噂になっていると教えてくれた。
ふむふむ・・ならばこのビッグウェーブにのって募集掛けちゃおう。という流れになり、掲示板へ募集の書込みをし夕食後に希望者がきていれば、マキノとリーシャに面接?してもらって入ってもらおうと思っている。一応リリーナの件は相談済みでリリーナが加入希望すれば入れるということで決まっている。
なので今回は多くて3人くらいまでの募集になりそうだ。
そんなこんなで夕食後、ギルド員募集掲示板を見るなり絶句する優未。
美希も同じように掲示板を見ていたのか、驚いているようだ。書込みから夕食狩猟まで焼く1時間だったのだが、加入希望者が400人を越えていたのだ。
「この結果は予想外だね・・美希・・。」問いかけに対して美希もうんとしか言わなかった。
先生にも連絡し、狩をする時間もほしいから今回は先着20名の面接だけにし、残りは時間を見て行うという書込みをしておいた。
その結果、面接枠で1名採用・・ユーリア 妖魔で闇魔術師とサチ推薦枠のリリーナが加入となった。
名前 サチ(♀)
種族 獣人種猫又族
職業 格闘家LV22・鍛冶師LV20・錬金術師LV21・女帝LV16
称号 〈駆け出しの〉・〈絶対的幸運の〉・〈無望な〉・〈姫の〉・〈覇者の〉
スキル 格闘家 ;〈ラッシュ〉・〈ダッシュ〉・〈コンボ〉・〈ロック〉・〈エアリアル〉
鍛冶師 ;〈鑑定〉・〈鍛冶〉・〈採掘〉・〈固定レシピ化〉
〈看破〉
錬金術師;〈鑑定〉・〈錬金〉・〈採取〉・〈分離〉・〈素材属性委譲〉
女帝 :〈ひれ伏しなさい〉・〈オーホッホッホ〉・〈貴女何様なのかしら?〉・〈あんたの物はあたしの物〉
装備 武器:真鋼鉄爪
頭:なし
体:真鋼の胸当て
腕:真鋼の手甲
足:真鋼の脛当て
アクセサリ:真鋼のリング
アクセサリ:無骨な三錆リング(赤)
所持金125450R




