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第三十三話 ギルド設立を目指してその④。迷惑掛けちゃいました。これは信用に関わる大問題です!

 サチが孤高狼に追われながらリュウ達のいる場所へ向かっている頃、リュウたちにも危険が迫っていた。なんと中腹で狩をしていた別PTがモンスタートレインをして迫ってきていたのだ。


 「おっ、おい前にパーティがいるぞ!やべぇ・・このままだと鉢合わせしちまう!」

そのPTのリーダーであるガウェイン。この男は、β時代から活躍しており有名な部類である。

そんな彼らのPTがなぜトレインしてまで逃げる事になってしまったのか・・。

 これにはサチが悪い意味でこっそり関わってしまっていたのだ。サチ本人はこのガウェインPTを視界にすら入れてないので知る由もないのだが・・・。


 ガウェインたちは前衛職2名魔法職4名(火力2補助1回復1名)のフルパーティでガックラーム大山脈の中腹でLV上げに勤しんでおり、いつもどおりの安定した布陣で狩をしていたのだが、突如火力メインである魔法使い二人と補助魔法職1人が麻痺状態となったのだ。


 もちろんガウェインたちはここで狩をしてきてベテランの域に入っており、麻痺スキルを使うモンスターの存在などないことを確信している。よって他プレイヤーのスキル効果という考えには至ったのだが、それ以上考える隙はなかった。回復魔法職が麻痺回復の魔法を持っていれば問題はなかったのだが、ここに居ない異常効果の対策を怠った為逃げるハメになったのだ。


 このときガウェイン含む前衛2人が抱えていたモンスターは、マウントボア6体、毒蛇4体、フォレスゲーター2体、ブラストイーグル3体と大所帯である。いつもなら片手間に火力魔法1発ずつで殲滅できるのだがその火力が2名とも麻痺となり、さしものガウェインたちも長時間耐え切るのは無理と判断し撤退したのだ。その道中でリュウたちと遭遇することになる。



 一方リュウたちがガウェインたちを見つけた時のこと。

 「・・・前からPTがくるな・・・それもモンスターに追われてるみたいだ。」


 「MPKなのかな~?」リーシャは杖を構えぼやく。


 「どうかしら?単に抱えきれなくなて逃げてるだけかもしれないけど。そうだとしたら助けてあげたほうがいいわよね」


 「サチちゃんが狼連れてこっちに来る前に倒しておいたほうがいいかも~?」


 「そうだな。とりあえずちょっとひとっ走りPK狙いか確認してくらぁ」


 リュウはそう言い放つと前方のPTへ向けて走り始めた。


 「なー、そこの人もしかしてMPKか?」

リュウはガウェインの横を併走しつつ尋ねた。ガウェインの返答はもちろんNOだ。


 「い・・いや。そのつもりはない。この先で我々が狩をしていたのだが突如麻痺スキルで火力職が抑えられてしまってな。逃げている所だ。あとすまんな、君達がいることに近くになるまで気が付かなかった。」


 ガウェインの言葉にうそはないだろうと判断したリュウは、ガウェインに後方のモンスターを殲滅していいかを聞き、了承されるとすぐに引き返しリーシャ達に説明する。

 どう転んでも討伐する気だったリーシャたちはすぐに魔法を発動。次々とモンスターが倒れていく。

リーシャ・マキノの魔法で数が減ったのでガウェインたちも反転し、残りを片付けに入り反転後1分もしないうちにモンスターの群れは討伐された。


 「助かったよありがとう。」ガウェインがリュウたちにお礼を言う。

リュウたちがガウェインから狩をしていた位置など詳しい話を聞きだすと、徐々にリュウ達の顔色が変わり始める。先も書いたがガウェイン立ちがいた場所はサチが孤高狼と遭遇した場所からあまり離れていない。


 「ぬ?どうした?顔色が悪いように見えるぞ?」ガウェインにきかれ、リュウたちはそちらのPTが麻痺になった原因が自分達にあるかも知れない事を話した。

 自分達が孤高狼を目当てにここに来ていること、そのために一人別行動をとっており、その仲間サチが麻痺異常を引き起こすスキルを持っていること、本人不在の為その効果範囲は不明だということを話す。


 「ふむ・・なるほどな・・ということは君の仲間のスキル効果範囲に我等がいたのが事の発端というわけだな・・。その仲間は一人で狼を相手しながら、他のPTに関心など持てまい?だから別に君達の仲間が悪いわけではないだろう。だが、PK時ならいざ知らず通常フィールドでプレイヤーにまで効果を及ぼすとは恐ろしいスキルだな。」


 ガウェインは状況を理解した上で、それでも助けてもらった事には変わりないと締めくくった。

そしてすぐその後に近くから狼の遠吠えが聞こえてくる。


 「仲間が来たようだ。あとでアイツにも謝らせるから狼倒すまで少し待ってもらえないか?」

リュウがいうとガウェインたちは頷いた。彼らも何度か孤高狼を遭遇し倒しているので、自分達以外のPTがどういう動きで狼を倒すか見たくなったのだ。しかし彼らの視線は、狼ではなく別のものに囚われてしまうのだが・・・。




 「おっまたせ~。狼いっちょ持ってこれたよ~」森の置くから銀色の髪をした女神が現れる。

ガウェインたちは一瞬前に考えた狼見物をすっかり忘れその美しい肢体の猫の獣人女性に目を奪われる。


 「きたな!じゃあ倒すぞ!」リュウ号令を出す、リーシャとマキノが詠唱開始、マトイは木の上へ飛び上がり、上からナイフを投げるつもりのようだ。リュウは挑発を使い、孤高狼の敵対心をサチから自分へ変更させる。


 「グルルルルルルルゥ~」

リュウを敵と認めた孤高狼がその素早い跳躍でリュウに飛び掛る。行動が早いので魔法組は攻撃を加えることができない。


 「私がほんとに一瞬だけど動き止めるからその時に攻撃お願いね」サチが叫ぶ。


 「・・〈ひれ伏しなさい〉!」

 サチの女帝スキルの発動し、孤高狼がピクリッと硬直する。それは瞬き程度の間だったが、リーシャ達攻撃組は魔法とナイフを放つ。(この時離れた所で見ていた6人のうち4人が麻痺になっていた。)

 その攻撃は見事に狼にヒットし、孤高狼は苦悶の声を上げる。


 「ギャイーィィン・・。」

 耐久力を削られた孤高狼の体から赤黒いモヤが現れる。


 「!?これボスと戦った時に見たことあるよ!個体によってどんな効果なのか分からないから気をつけて!」

 リーシャの声が響く。


 モヤに包まれた孤高狼は、挑発の合間にチクチクとダメージを累積させるリュウを睨みつけている。

孤高狼はその四肢を力強く大地に踏み込み、おおきな雄叫びを上げる。


 「ウオォォォーーン」

 すると周囲が敵の気配で満たされたかと思うと、次々と中腹に現れたモンスターたちが生み出されてくるのだった。


 「まじか!?孤高狼って名前の癖にモンスターを呼びやがった!」孤高狼の攻撃を盾で受け流しつつ

驚きの声を上げるリュウ。しかもその呼び出されたモンスターの視線は孤高狼が睨みつけているリュウにのみ注がれている。


 「リュウくん!範囲魔法使うからザコを纏めて!」マキノの声に反応したリュウは、モゾモゾと近寄って来るモンスターを自分の周囲に集める。


 「いまだ!マキノさんやってくれぇ!」うまく魔物の群れを集めたリュウの合図でマキノの範囲地魔法が発動する。


 「地重の叫び(グラビトンハウル)!」 この魔法は範囲内の対象全てに負荷を与え、行動力や敏捷を下げる。リュウ諸共行動にマイナス補正の付いたモンスターたちはリーシャの火力ですぐに排除され、同じく敏捷の行動阻害を受けている孤高狼の動きも目に見えて落ちている。

 その孤高狼の様子を見たサチは今なら女帝でも近接戦ができるとおもい突っ込むことにしたのだ。


 「リーシャ!マキノさんとマトイも!ここで決めたいから最大威力の攻撃準備お願い!私も狼の阻害が切れるまで前に出るわ。」


 指示が飛ぶと同時に全員が攻撃態勢に入る。

サチは鈍重になった孤高狼をツメで引き裂きながら援護を待つ。今までの累積で孤高狼の耐久もわずかである。

 「おねぇちゃんたち!こっちはいつでもいけるよ!!」リーシャの声に反応したサチとリュウはその場から移動する。その際にサチはスキルを発動・・。


 「あんたはそこで待ってなさい。・・〈ひれ伏しなさい〉!」

そのスキルによって孤高狼がビクリと停止する。そこへ大火力魔法が飛んでいく。


 リーシャの「焦熱地獄」とマキノの「重圧殺」だ。ちょっとオーバーキルな気もするが油断はできない。孤高狼のいたところにはへしゃげる空間と大きな火柱がゴウゴウと燃え盛っている。


 火が消えるとそこには焼け焦げた孤高狼の息絶えた姿が・・。あの熱の中では断末魔の悲鳴を上げることすらできなかったようだ。リュウとサチは孤高狼に近寄り剥ぎ取りを行う。狼の毛皮と高級狼肉が手に入ったのだった。後は倒せば確実に手に入るイベント(クエスト)アイテムである・・


 「『孤高狼の爪』を入手しました。ギルドクエスト進行状況(4/5)」が手に入った。


 「やっと4つ目のアイテムが取れたね・・・」その場にへたり込んだサチが言うと、リーシャたちも頷く。


 そこへガウェインたちがやって来て賛辞を送る。

 「おぅ、おつかれさんだったな。お前達もなかなかやるじゃないか。」


 サチは知らない人がいることに今頃気づきこの人達は誰?ときいた。

リュはサチに言うべき事があったことを思い出した。


 「そうだった・・こらサチ!サチのスキルでこの人たちが危うく死ぬとこだったんだぞ?ちゃんと謝れよ?」リュウが状況と当時のお互いの位置関係でサチのスキル〈ひれ伏しなさい〉のせいであることを説明、サチもスキルの効果範囲のことまでは知らなかったがリュウの説明を受け高確率で自スキルが悪いという結論に至り、ガウェインへ謝罪するのだった。


 「すみませんでした。これからは気をつけ(て検証し)ます!」

といった感じの謝罪だったがガウェインたちは笑って許してくれたので一件落着。

 それよりもサチが気になったのは自分が女帝スキルを使ったところをガウェインたちに知られたことだ。このときのサチは恥ずかしさのあまり茹蛸状態でフラフラしていた。


 その後、なんとなく仲良くなったガウェインとフレンド登録をし、その場で別れる。

「後は最後のアイテムの『光油』だな・・・一体どこで手に入るんだろうな・・・」

 この『光油』についての情報はアニエスの中では見つからなかったのだ。そのことからどこかの国の限定アイテムである可能性、生産職で作るアイテム、ボスドロップの可能性と色々な案が出る。

 考えていても仕方ないのでこういうときこそ掲示板を利用ということでサチは都合3度目?の書込みをすることとなった。

名前 サチ(♀) 

 種族 獣人種猫又族

 職業 格闘家LV22・鍛冶師LV18・錬金術師LV12・女帝LV16

 称号 〈駆け出しの〉・〈絶対的幸運の〉・〈無望な〉・〈姫の〉・〈覇者の〉 

 スキル 格闘家 ;〈ラッシュ〉・〈ダッシュ〉・〈コンボ〉・〈ロック〉・〈エアリアル〉 

     鍛冶師 ;〈鑑定〉・〈鍛冶〉・〈採掘〉・〈固定レシピ化〉

〈看破〉 


     錬金術師;〈鑑定〉・〈錬金〉・〈採取〉・〈分離〉


     女帝  :〈ひれ伏しなさい〉・〈オーホッホッホ〉・〈貴女何様なのかしら?〉・〈あんたの物はあたしの物〉


装備 武器:真鋼鉄爪

    頭:なし

    体:真鋼の胸当て

    腕:真鋼の手甲

    足:真鋼の脛当て

    アクセサリ:真鋼のリング

    アクセサリ:なし

 所持金785450R


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