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第三十二話 ギルド設立を目指してその③。不本意ながら新世界への扉?が問題ですわ~

次話は本日お昼ごろにできると思いたいけどあえて夕方よていにしとこう。

 ガックラーム大山脈 ~中腹~


 「「孤高狼・・いない(わ)ねぇ。」」マキノとリーシャが周りを見ながら言う。


 「おかしいな。このエリアで狩をしてるって言う奴等から聞いたから間違いはないはずなんだが・・」

と情報源のリュウまでもが不安そうな一言を漏らしはじめている。


 「中腹に上がったばかりの場所にはいないだけかもしれないからもうちょっと進んでみよっか。」

サチは皆に確認を取り、次の指針を指し示した。

 中腹に入ってもワニとワシはお構いなく襲い掛かってくる。変わった所といえばアニマ洞穴のボス蛇の取り巻きだった毒蛇が少し強くなって通常モンスターとして出現したくらいであるが、それでも大した強さではないので今までどおりの対処とする。


 変更点といえば中腹に入ってからも女帝のLVがぐんぐん上がりLV10を超えた時に職業スロットの5つ目が開放された事。4つ目の時もそうだったんだけど、なりたい職業(料理人)があっても条件を満たしてないのでしばらくは空きになりそうね。・・・早く決めないとまた女帝みたいに強制取得させられてしまう可能性も・・・ブルブル。考えたくもない話ですね・・。


 後は女帝のスキルが一つ増えた事位・・またこれが恥ずかしい名前のスキルだったのよね・・。戦闘にも使えるけどどっちかというとプレイヤーかNPC向けかなぁ。いつか使う事になると思うと今から気が滅入ってしまいそうです。この新スキルについては、見せてといわれるのが怖いので皆には黙っています。


 そうそう、女帝のLVが10を超えたことは説明しましたがその時に職業特典も増加しましたね。

私のステータスは3%x自分以外のパーティの人数(最大5人/現在4人分アップ)分まであがりましたし、パーティメンバーのステータスも1%アップから2%アップになって目に見えて強化されました。この職業もやはりチートでしたね。ただ問題があるとすれば女帝では格闘家スキルが使えない(当然ですけど)こと、もしソロで育成するとなると体術とツメで切り裂くくらいしか攻撃手段がないので至急ソロ用武器を決めないといけませんし・・・。ギルド発足次第取り掛かりましょうかね。


 っとまた話がそれてましたね。孤高狼をさがして中腹エリアも半分ほど探索していますが未だに姿を見せず・・・見つからないのは何か条件があるのかもと思い相談する為ひらけた場所を探し始めるサチたち。大体10分ほど経過し、リュウが川を見つけたのでそこで話し合いをはじめた。


 「ところでさ。孤高狼って結局どういうモンスターなの?もしかしてあの麓にいた植物っぽいのと同じく山頂前にいるボスだったりしないよね?」 リーシャがリュウに確認を取るが、リュウも情報主から詳しく聞いていなかった為その質問に答えることができなかった。


 とはいえ、ここでただ無能の烙印を押されるリュウではないらしく、リュウはフレンドリストで情報主のログインを確かめ、詳しい情報を聞くことにしたらしい。その間残った4人は狼を呼び寄せるエサが必要だとか言い出し、川で釣りを始める始末。当然職業が釣師のものなどいないのでアタリすらなかった。


 ならば、獣型モンスターを弱らせて、トレインして狼を呼び寄せるのは?とか意外と難しい注文が出てきたりした。後者であればサチのスキルで麻痺もしくはスタンが成功すれば可能かもしれないが・・。


 「よし・・待たせたな。出現条件がわかったぜ!」


 4人で話をしている間にリュウは詳しい話を聞けたようで笑顔を浮かべている。


 「出現条件は単純だが危険もある。孤高狼は一人で行動していると、必ず後方から襲い掛かってくる。

PTで倒すなら囮を先行させて孤高狼を釣ったところでPTで合流するのが主なやり方らしい」


 なる・・ほど。確かにこれは全員で行動してる限り会うこともできないね。まあ出現条件はわかったし誰が囮になるかって事を決めればいいだけですね。ふふふ。恨みっこなしですよリーシャ・・。



 ・・・どうしてこうなった?


 サチは今の状況を嘆いていた。あの後全員で話し合った結果多数決で決めることになったので、誰が囮になるかを一斉に指差すことになり私がリーシャを指差している以外、全員一致でニヤニヤしながらサチを指差していたからである。イジメヨクナイ・・・。


 半べそをかきながらサチは皆から離れた場所で一人行動を開始した。

今回は囮ということもあり、女帝のままでは逃げ切れる自信がなかったため、不測の事態を考え職業を格闘家に戻してある。


 中腹の川周辺を上流へ向かって一人寂しく彷徨う事、10分経過・・・未だ気配は感じず・・。

ならば危険だけど森のほうへいくしかないかな。と思い森のほうへ茂みを掻き分けながら進むこと5分猛烈に嫌な気配がします!・・・しかし後ろには何も存在していないので安堵の息を吐く・・。

 きっとリュウが背後から来るって言ったから固定概念に囚われたんだと思い込むことにした。

許すまじ・・・リュウ・・・


 「ハ・・ハ・・・ッハーーーックショイィ・・・うぅ・・・急に寒気が・・」

 一方その頃離れた位置でサチの光点を確認しつつ、十分な距離を保ちながらサチの追跡を続けるリュウがくしゃみをしていたとかいう話があったとかなかったとか。


 視点はサチに戻る。

 退路を確認しながらも、ゆっくりと慎重に歩を進めるサチ。途中マウントボアや毒蛇が襲ってきたが問題なく排除している。気を張りすぎて少々疲れたので、休める場所を探していると丁度いいサイズの岩があったのでそこへ腰掛ける。

 「でないなぁ~。一人になったらすぐに襲ってくるものとばかり思ってたのになぁ。」

サチはリュウたちの現在位置を確かめ、次に向かう場所を考えていると、


 『グルルルルルルゥ!ガーゥッ』突如としてサチの真後ろから声が聞こえ、サチの左腕に衝撃が走る。


 「は・・・ぇ?!ちょんわぁぁぁ~。(要約すると、『ちょ!うわぁ』くらいです)」驚きすぎて変な掛け声になったが、幸い聞いていたのは背後からきた声の主だけである。

声の主・・お待ちかねの孤高狼なのだがその体躯が大きすぎる。体長5メートルはあるんじゃないかという大きさでどうやって森に隠れてたのよ!と突っ込みたくなるレベルである。

 リュウたちに遭遇したことを伝え、返事を確認したサチは、一旦戦ってみようと思い孤高狼へ対峙する。ぶっちゃけ、メンバーが合流する前に例の女帝スキルを試すチャンスだと思ってしまったのだ。

メンバーがいなければ一人で技名を叫んでも恥ずかしさはないのだから・・・。


 素早くステータスを操作し格闘家から女帝へ変更。

 「まずは小手調べ・・〈ひれ伏しなさい〉!」

サチのスキル発動で一瞬孤高狼の瞳が揺らいだが、すぐに復活した。おそらくスタン1秒以内だったのだろう。とはいえちゃんと足止めには使えそうだと判断。そしてお試しスキル女帝10で取得したネタになりえる身勝手スキルを叫ぶ!


 「・・〈あんたの物はあたしの物〉!」


 シーン・・・・孤高狼すら呆れたように目を丸くしてサチをみている。ヒュルルルル~。風が吹きぬけた気がした・・。


・・・・あれ?・・・変化ないね・・・。不発って事?・・は・・恥ずかしぃぃぃ。


いや・・変化があった。なんと孤高狼が自分の体毛を差し出したのだ。しかし差し出した後我に返ったらしく慌ててサチから離れて様子を伺い始めたが・・。



 さてここでこの新しいスキルについて説明しよう。


〈あんたの物はあたしの物〉:対象が持つアイテムをランダムで一つ奪い取る。対象は自分を除く声を聞くことができる存在全てに効果あり。(例モンスター○ ゴーレム△ 路傍の石ころx 森の木々○ NPCキャラ○)成功率は一定。レベル、ステータスによる上昇効果はない・・がもしかすると????

レベルが上がるとレアアイテム入手確率が上がるかもしれない。


要するに無機物に分類されるものには効かないもしくは効果が激減。有機物認定されれば効くって事ですね。某アニメのジャイ○○ズム発動ですね。????が気になる所ですが今はそれを気にしてる余裕はありませんね。


 スキルの効果は確認したけど職業変更クールタイム(があったのだ)のおかげで格闘家に戻せないから背後に注意しつつ、リュウと合流する為移動を開始。それに気づいた孤高狼も全力で追撃を始めた。

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