第一話 作るか殴るか それが問題なのですよ
よろしくお願いします。
話を進めるごとに 粗が出てきたので結構細かく修正されてます。(9/13)
キャラクタの作成が終わり私は現実に戻ってきました。私がマシンを外すとそこには美希の姿が……。
「おかえりー。おねーちゃんキャラクター作れた?」
「うん。つくれたよ。獣人種で名前はサチだよ」と私が答えると美希は少し不満そうに言った。
「え!おねーちゃん。獣人にしちゃったの?
そ……そんなぁぁ。おねーちゃんなら絶対エルフの方が似合ってるのにもったいないよ~。私おねーちゃんならエルフを選ぶと思ったからエルフでキャラ作ったのにスタート位置が違うなんて……」
美希はがっくりと膝を突き嘆いていたが私は気にせず放置しておいた。
しばらく落ち込んでいた美希だったが、立ち直るとすぐに質問を投げかけてくる
「じ……じゃあおねーちゃん初期職業はどうしたの?ちなみに私は 名前はリーシャ 魔術師・治療師・裁縫士にしたよ。これなら全部エルフの種族補正がかかるし序盤から安定して狩ができるんだよ~」
「へぇ~。私は初期職業は、格闘家・鍛冶師・錬金術師を選んだよ。説明書に書いてて気になったから選んでみたのよ~」
といったとたん美希の表情は哀しそうになった。
「おねーちゃん。獣人の種族補正はランダムなんだよ。獣人はログインするまでどのタイプになるか分からないから・・・一般的な狼とか猫とかならおねーちゃんの選んだ職業でもいくつか補正が掛かるかもしれないけど……ベータの時ならすぐどの獣人か分かったから好みじゃないとキャラリセが多かったみたいでサーバー負担になるから正式ではランダムとしてキャラリセットするには最低10日経過しないとできないって変更されたんだよ」
なるほど…意外とみみっちいな運営さん……。
「まあせっかく作ったんだしどんなタイプになってしまっても私はキャラリセットはしないよ。リセットしても何が良いかわかんないしね」と私が締めくくると美希は頷いてゲームの中で会ったら一緒に遊ぼうと約束し部屋に戻っていく。そうまもなく開始される正式サービスに備えるために…。
そしてとうとうTCOの正式サービスが始まった。当然心待ちにしていた私もすぐにTCOの世界へ飛ぶ。私が飛んだのは獣人の国 アニエラ ここが私の冒険のスタートね!と気合を入れなおし、まずは自分のステータスを調べると。
名前 サチ(♀)
種族 獣人種猫又族
職業 格闘家LV1・鍛冶師LV1・錬金術師LV1
称号 〈駆け出しの〉・〈絶対的幸運の〉・〈無望な〉・〈姫の〉
スキル 格闘家 ;〈ラッシュ〉・〈ダッシュ〉
鍛冶師 ;〈鑑定〉・〈鍛冶〉・〈採掘〉
錬金術師;〈鑑定〉・〈錬金〉・〈採取〉
ステータス 格闘家(補正値)
耐久力 (HP) 24 (-6)
精神力 (SP) 8
筋力 (STR) 12 (-3)
敏捷 (AGI) 11 (+6)
知力 (INT) 8
器用さ (DEX) 9 (+3)
運 (LUK) 11
魅力 (cha) 8
装備 武器:なし
頭:なし
体:布の服
腕:なし
足:革の靴
アクセサリ:なし
アクセサリ:なし
所持金500R
な……なんですか……これ。私は驚愕していた。初心者の私が見ても分かる見て分かる通り明らかにおかしいわね…直ぐに私は種族と称号の詳細を調べるとそこに書かれていたのはこうだった…。
猫又:猫系獣人の二階位上位種族で器用さに秀でる。
器用さ補正(+特大)・敏捷補正(+中)・筋力補正(-中)・耐久力補正(-特大)
〈駆け出しの〉:生き物は皆初めは駆け出し。がんばれ!初心者。
〈絶対的幸運の〉: どのような行動にも+補正がつく(ステータス補正は無)
〈無望な〉: 一切の成長の望みが皆無
〈姫の〉 :一部の者達に好かれやすくなる(かもしれない)し嫌われやすくなる(かもしれない)
驚愕からさめた私はすでに受け入れるべき事実としてどうやって目立たないようにするかを考えていた。
猫又の補正にも驚いたが、これに関しては一長一短だしと思い称号に関しても実際どの称号をつけているかはプレイヤーズギルドに入らない限りバレない(と説明書に書いてあったのを思い出した)ので当面は一人で称号補正の検証をすることに決め深呼吸をして周りを見る。
落ち着いた私は近くにいた衛兵っぽいNPCに話しかける。
「こんにちは衛兵さん。聞きたいことがあるのですがよろしいですか?」
「おや。こんにちは。君は旅人だね。聞きたいことってなんだい?」
衛兵さんはにっこりと笑顔で対応してくれる。
「この町の主要施設と工房の位置をききたいのですが。なにぶん初めてなので勝手が分からなくて。」
「なるほど。そうですね、まずはマップ表示を行ってください。マップ表示をした状態で施設一覧の中から希望の施設や人物の名前を選べばその位置がマップに表示されますのでご利用くださいね」
「ありがとうございます」と私は衛兵にお礼をいい、表示マップの示す通りにまずは戦闘職の為のクエスト斡旋施設である冒険者ギルドへ向かうことにした。
ありがとうございました~