第十七話 幸運?不運?こんなこと現実にあったら問題よね~
今回は恐怖の物語です(笑
サチは憂さ晴らしをするべく進んだ森の奥でゴブゴブの群れにあい、群れの大部分を倒し現在は
ゴブゴブたちのリーダーであるゴブゴブリーダーと相対していた。
「さてはじめて見るゴブゴブだけどどう戦おうかな~」
考えながらもサチはゴブゴブリーダーの様子を伺う。すぐにかかってこないサチに対して自分を恐れているのかと、なにやら自分の都合のいい解釈をし、ニヤリと笑みを浮かべた後、自分の武器である長剣を振りかぶり突進してくる。
サチは動かない、ゴブゴブリーダーは勝ったと確信した所で視界が暗転・・・崩れ落ちた。
サチはまずゴブゴブリーダーを鑑定して、自分の戦力差を比較してみた。結果リーダーはLV5で倒せる程度の力であった為、サチは突進してきたゴブゴブリーダーの動きを見切り素早く後ろへ回りこみ回し蹴りでリーダーの首を刈り取ったのである。サチはそのまま倒れたリーダーに踏みつけによる止めを刺しドロップアイテムを取得した。
『グリーンベリル:カテゴリ宝玉・宝石。緑柱石といわれる宝石の中の一種。宝石としての質は並程度。品質50』
「あぁ・・あれ?幸運つけてないのにレアドロップっぽいの来た。やった~。称号なしでレアアイテムって嬉しいな。」
と思っていた頃がありました・・その後も多数のリーダーに襲われたのですが・・見事に2回に一回のレアドロップ・・・・流石にここまでいくつもレアドロップがあると怪しみたくもなるこの【姫の】称号・・
一部の人に好かれやすくなるって書いてたけど・・もしかして人だけじゃなく一定のモンスターや
システムにまで好かれてしまってるんじゃ・・とね・・・。そういえば【姫の】称号をつけてる間はゴブゴブシリーズしか出てきてない・・・ありえそうで怖い・・・というかこの考えが浮かんじゃうとそれ以外考えられない・・
そんな考えをしてる間もつぎつぎと現れるゴブゴブシリーズ。そして次々と倒す私・・・。
何度もエンカウントしてると当然同じように森へ狩りや採取に来ている他のプレイヤーにも見られる。
その目は、何か怖いものでも見ているかのようでした。・・・なんででしょう?
森の奥へたどりつき、納品のポーション作成の為の壱薬草の採取をするべく、錬金術師に変更したときにあの音が聞こえる・・・。
ポポポーン
《【期間限定突発クエスト:森の薬草を守れ!】が発生しました。森食蛇の討伐(0/30)・深奥にある壱薬草の根の取得(0/10)報酬????》制限時間01:00:00
「・・・突発クエストとか強制クエストとか・・・私ついてない・・・ぜんぜんラッキーじゃない。
うぅ・・・でもやるっきゃないか・・はぁ~。」
制限時間がついていた為すぐに格闘家へ職業をもどし、マップをみると森のある一点に向かって進軍するモンスターが表示される。サチは急いでモンスターたちが向かう方向へ走り出した。
「いぃぃぃやぁぁぁー きっもぉぉぉぉぉおーーー!!」思わず叫んでしまうのは女の子ならきっと普通だろう。なぜなら目前にいるのは巨大化された芋虫・蜂・蛇・ミミズ・そしてイニシャルG・・・(別名黒い悪魔・・)
この場所についた時点でサチは心が折れかけていた・・サチはGがすごく嫌いだ・・・むしろ恐怖しているといってもいい・・・昔家で・・・(以下略)
「うぁぁ。やだぁ。きもいーくろいーーぐろいー・・シクシク」
サチはもう限界のようだ。サチに気づいたG・・・もといモンスターの群れの一部がこちらへ向かってきたのである・・・。気づいたサチは逃げ出した・・それはもう必死の形相で・・。追いかけてくる虫の群れ・・そんな掛け合いが20分も続き森を一周してしまったサチは追いかけてこなかったモンスターの群れと遭遇する。涙を浮かべながらマップを確認するとG率いるサチ追撃隊がこちらに追いつくまで大体5分・・・・前門の蛇・芋虫の群れ・・後門のG・・・覚悟をきめ?サチが選んだのは・・・
もちろん蛇でした。むしろ蛇以外選べない・・・サチはがむしゃらに蛇の群れへ突っ込み範囲攻撃である回し蹴りを放つと周囲に居た蛇がどんどん蹴り飛ばされ消えていく。
「うぁぁぁぁ~~~~くる・・きちゃうぅぅぅ・・・」
サチは必死だ。蛇にあまり時間を取られてはGに追いつかれてしまうからである。
襲い来る蛇や芋虫の群れを片っ端から蹴り飛ばし踏み潰しひたすらサチは前へ前へと進む。しかし・・・・
回し蹴りを放ちながら後方を特に警戒していたサチは黒光りするものを見つけてしまう・・・
「ひぃっ・・・いやぁぁぁぁ。きたーーーーーーーー」視覚にそれを認めたサチはかなり囲みが消えた前方の蛇を飛び越え逃げた・・・それはもう必死・・・表現できないほどの恐怖に襲われているサチは絶体絶命の危機に瀕した・・・目の前には黒いボディ・・・ギチギチと口を動かす悪魔が居たのだ・・・Gは途中で追撃部隊を一部のこしてサチを追いかけていたのである。
「あっあっ・・・・・・」絶望の色に染まるサチの顔・・・美人の顔が恐怖にゆがむとはきっとこの事だろう・・・
・・・・しかし・・・・
「優未ぃぃぃー」
それはサチにとって天の助けとなる声だった・・・。
お読みいただきありがとうございます
次話執筆中ですが完成は日付変わるかもw
入手アイテム:グリーンベリル・鉄鉱石・壊れた武器・アイアンナイフ
名前 サチ(♀)
種族 獣人種猫又族
職業 格闘家LV10・鍛冶師LV10・錬金術師LV4
未有効化職業:投擲具職人・投擲手
称号 〈熟練の〉・〈絶対的幸運の〉・〈無望な〉・★〈姫の〉
スキル 格闘家 ;〈ラッシュ〉・〈ダッシュ〉・〈コンボ〉
鍛冶師 ;〈鑑定〉・〈鍛冶〉・〈採掘〉・〈固定レシピ化〉
錬金術師;〈鑑定〉・〈錬金〉・〈採取〉




