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第十三話 森の国の冒険者 わ…私悪い幼女じゃないよ? これってそういう問題ですか?

すみません。サブタイトルは大部分が関係ありません。


そういうことで~。

 ここは森の都フィエラの南部に位置するラクド平原。ここからさらに南へ行けば人族の国オーファン、西へ行けば妖魔の国サラセニアそして東の海を越えれば龍の国ドラグレイがある。獣人の国アニエスへは人族の国オーファンを超えてさらに南へ進まなければならない。


 さて、何故この話から始まったかといいますと森の国のとある冒険者がどうしても獣人国へ行きたいと駄々をこねているからであった。これはそんな森の国から獣人国を目指す少女のおはなしでございやす。



 「絶対行くの!私はおねーちゃんと一緒が良いんだからほっといて!」

なにやら駄々をこねているのはエルフの女の子のようです。エルフという種族は基本美形が多いらしいのだが、この子に関しては美形というより可愛らしい、年齢も15歳程度といった感じで誰もが元気そうなイメージをうかべるだろう。


 「ダメです!貴女程度の力では到底たどり着く事などできません。今はまだ周辺で力をつけてください」

そんな声を出しているのは森の都フィエラの冒険者ギルド受付のエルフ男性職員マエダである。


 ギルドでギャーギャーと言い合いをしているのはそんな二人で同じくギルド内にいる他の客はいつものだな……と面白そうにしている。


 「ほらぁ~もういいかげんにしときなさいよリーシャにマエダさん。いつもいつもよく同じ掛け合いで飽きないわね」そういうのはエルフの女性で背中に大きな剣を背負い、体には皮鎧をまとっている。


 「だってさシズルちゃん、私はただ獣人の国へいっておねーちゃんと一緒に冒険したいって言ってるだけなんだよ?それをこのシツコイ職員が獣人国へ向かうクエストは受けることができないの一点張りだから悪いんだよ」


 リーシャに話しかけた皮鎧のエルフ剣士はシズル=シズハというようだ。

シズルへそんな風に不満を言っていると職員マエダが話しかけてきて


 「ですから何度も言うように冒険者リーシャさんのギルドランクでは他国へ向かうクエストは手に余るので地力をつけてきて下さいと何度も……ちゃんと力がついたと判断されればギルドとして他国へ行って頂くクエストを発行出来ますので我慢してくれませんと困ります」


 「職員さんはこう言ってるんだしさ、狩りに集中して早く職業LVあげて獣人の国にいけるようになろうよ……ね?それに強くなっていればその大好きなおねーちゃんを守れるのよ?」

 シズルがおねーちゃん成分が足りずにグテェーとなっているリーシャに発破を掛けると、少しはやる気が復活したのか(実は毎回この掛け合いが発生しているのでギルドの周りの人が気にしなかった)たちあがりギルド掲示板から3件の討伐クエストをもってきたのでシズルはそのクエストを覗くと、どれも自分のLVよりワンランク以上、上の討伐クエストだったのだ。


 「高位のクエ消化して早くここから出るんだよ。とめないでね!」さっさとクエスト受注を済ませるとリーシャはギルドを出て行った。そんなリーシャをいつもどおり見送るシズルと職員マエダ、他プレイヤー達……。



 そんなこんなでクエストを受け、討伐対象のいる森……ここは森の国フィエラの西にある【ファウラッセンの森】だ。

 この森は普通魔術師が一人で入るような森ではない。基本冒険者はフィエラの南にある【ラクド平原】で数日は力をつけ、徒党……いやPTを組み、しっかりしたメンバーでこの森へ来るのだが、リーシャにはβテスト時代に培った知識と応用力があるため、一人でも森で狩をすることができた。

 リーシャは、初日からずっとこの森でひたすら狩りをして、開始後たった3日目で職業《魔術師》のLVがトッププレイヤーと呼ばれるLV20へ到達している。先ほど述べたようにリーシャの職業は《魔術師》で火属性を専行している。そのため火属性に弱い獣型、虫型モンスターの多いこの【ファウラッセンの森】は、非常においしい狩場であったのだ。

 そしていつもと同じように森の中で討伐クエストを済ませフィエラへ戻ってきたリーシャへギルドからの吉報が入った。


 「おめでとうございます。今回のクエスト達成により冒険者リーシャさんのランクはアイアンとなりました。アイアンランクの冒険者から他国への配達や商人の護衛などのクエストなどを受けることができるようになりました」


 それを聞いたリーシャにこみ上げるものがあった。

 「ぃやっっったぁぁぁ~!やっと……やっとおねーちゃんがいる獣人国アニエスにいけるのね……早くクエスト出してよ!おねーちゃんがまってるんだからぁ~♪」


 ギルドの受付前で嬉しさのあまり踊り始めたリーシャは他プレイヤーやNPCから祝福されつつも、生あたたかい目で見られていたようだがそれはまた別の話。



 そして今リーシャはフィエラの南フィールド【ラクド平原】にたっている。


「ウフフフ~ おっ・ねえっ・ちゃん♡今最愛の妹が会いに行くから待っててね!」


 そしていまエルフの少女の旅が始まった……らしい……。

お読みいただきありがとうございましたー

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