第十話 対人戦!恐るべしチートな称号!?こんなの問題だぁ!!
すこーしだけ 18禁要素(気にならない程度に)が入ってるかも知れません
(人によってはそう思うかも?)
しかしこの話以降はそういった話は一切出ません!出しません!優未ちゃんが穢れちゃだめですし?
なんで安心してくださいw
ではどうぞ~
町の門の前まで戻って来たサチたちは聞き覚えはあるが聞きたくはなかった言葉に振り返るとそこにはやはりというか猿・鼠・馬の3獣人がいた。
「よーぅ。まってたぜ、ねえちゃんたちよぉ」
「さっきはよくも逃げてくれたな。あの借りはきっちりかえしてもらうぜぇ?もちろんねぇちゃんには体でなぁ……へへへ」
サチは内心またなの……もういいかげんにして!と言いたい気持ちをすっごくがんばって抑え言った。
「はぁ~、またあなた達なんですか……まさか私達をずっと待ってたんですか?よほど暇だったんですね。そう思わない?リュウ」
「だよなぁ~、女性プレイヤーに声かけてあしらわれたからその腹いせに、夕方からずっと町の前で待ち伏せとか……最悪な奴だな」
リュウが援護射撃をするとやはり沸点が低かったらしく、リーダー格の猿獣人の顔が真っ赤になる。
「テメぇー!マジで殺す。やるぞおめぇら!!!」と猿獣人が号令を出すと鼠獣人と馬獣人が連携をとりリュウへ襲い掛かった。
リュウ自身はこの数時間の狩りにより3獣人とほぼ同じLVまで達していたため、サチと合流時に対峙した時ほどの大きな戦力差は感じなかった。
リュウは余裕……ではないがぎりぎりで相手の攻撃をかわしつつ、攻撃の対象がサチへ行かない様に移動する。
一方サチはというと、猿の獣人と対峙していた。猿の獣人は棒術使いらしく長い得物を出し、サチとつかず離れずの戦いを繰り広げている。サチにとっては戦いにくい相手だ。
ブン!!!ブンブン!!!ビュォーン!!!!
猿獣人の棒が何度も空を切る音であたればかなりのダメージになりそうな為サチは一撃必倒(必殺ではないのである)を狙い続けている。
「おいおい……避けてばっかじゃ俺を倒せないぜ?さっさと『気絶』しな!宿屋で俺が優しく介抱してしてやるからよ……っと」
と先ほどのリュウへ向けていた怒りの形相ではなく、いやらしく下卑た笑みを浮かべながらサチを執拗に追いこんでくる。
「お猿の人。さっきリュウへ向けてた怒りは嘘だったのね?目的ははじめから私をリュウと引き離すこと?」
サチがきくと猿の獣人は先ほどと同じくいやらしく笑みを浮かべる。肯定のようだ……。
「ほんと最悪……ゲーム開始初日からこんなことになるなんてね……」
実はこのTCOにはハラスメントコードが存在しない。いや……正確には存在しているが年齢制限があったのだ。15歳以下の義務教育世代は登録の際に自動的に付与され年齢が16歳になる誕生日を迎えると自動的に解除される(解除される前に運営からの自動メールが届く)
ハラスメントコード適用関連には正式サービス化される前から特に女性から多くの反感を買い大きな問題として取り上げられた。
しかし運営チームはそういった世論に対し、強硬して問題ありませんとしてそのまま商品化したのだ。
そういった背景もあったがサチ……いや、優未自身自分には関係ないでしょ?と自分の容姿を客観的に見ていない為、他人事だったのである。
猿の獣人の振り回す棒を避けつつもそんなことを考えるサチ。
先ほど出会った時は猿獣人は自分自身をLV10と言っており、それが本当であれば今のサチはLV8である為普通に戦えばいい勝負になるだろう。しかし相手の目的がサチ自身であることを考えると、あの棒術による攻撃に当たるわけにもいかず、どうにかできないか必死に考えを張り巡らせる。町の中に逃げ込む手もあるがそうしたとしても今後も狙われ続けられては、たまったものではないので一度は倒してGMへ通報するべきなのである。
一番よい手段としては引き離されたリュウと合流し、確実に一人ずつ倒すのだがすでにリュウの位置はサチと離れすぎていた。
猿獣人の棒術の間合いを測りながら、サチは果敢に反撃を試みてはいるが、猿獣人はすでに何度か対人済みらしく悉く狙いは外されてしまう。
このままでは自分がやられるのは時間の問題と思い、相手の体勢を崩して一撃を決める為アイテムボックスから自作のとあるアイテムを取り出した。それを見た猿獣人は不適に笑い、
「はっ……ねぇちゃんは今までの動きから察するに格闘家だろ。剣なんて装備もできねぇモン出してどうする気だ?」
猿獣人の言うとおり格闘家は剣を装備することはできない上に攻撃しても相手にダメージを与えることはできない……。しかしサチには考えがあった。
サチは格闘家の素早さを活かし、猿獣人の棒術の間合いのぎりぎりまで詰め、もっていた鉄の剣を相手に向かって投げつけた!
「なっ!?なにぃ!」流石に猿獣人も近距離から投げられた鉄の剣に驚き一瞬足が止まる。
サチはその一瞬の硬直を逃さず、猿獣人に接近し回し蹴りを力の限り叩き込んだ。
「ぐっ……ふぉぉっ!」
「まだまだよ!喰らいなさい!〈ラッシュ〉発動」サチは回し蹴りを放った後に続けて拳による連打を流麗な動きで叩き込みさらに……
「〈コンボ〉発動 」
さらに攻撃スキル発動後に通常攻撃をおりまぜて、相手に止められたり、避けられたりせずに攻撃あたり続けることにより威力を増加させていく〈コンボ〉を放ち相手の苦悶の声が小さくなったことに気づいたサチは攻撃を止めバックステップにより猿獣人から距離を置く。
「ぐぇぇ!?ば、馬鹿なぁ……アンタはまだ低LVのはずじゃ……ガフゥ」
猿獣人は地に這い蹲りサチを睨みつけながら言い、その体が光につつまれ消えるとそこには金貨袋が一つ(1000R)落ちていたのでそれを回収する。
「はぁはぁ……あーきっつぅ……リュウの所に応援に行かないと……」
しかしそこで
ポーン
※《職業〈投擲具職人〉・〈投擲手〉を取得しました》※ 現在職業数が最大の為選択することができません。
「はぇ?なにこれ?職業?もしかして剣投げたから……たった一回剣を投げただけで職業派生とかどういうことよ?
あっ!もしかしてまたあの称号の効果ね……まさかこういう事にまで影響してるなんて思いもしなかったわ……」
初の対人勝利の余韻もなく崩れるサチ……。
サチは初めての対人で精神的にかなり疲れていたがリュウに合流する為立ち上がろうとした時
「俺ならここにいるぞ……ぜぇぜぇ」少し離れた場所に疲れた様子で立っているリュウ。
「もしかしてリュウ。相手は二人がかりだったのに勝てたの?すごいね!?」
「いや……まあ勝てたは勝てたんだけどな。同時に相手するの難しいから森の近くまで移動してモンスター引っ掛けてやったぜ」
「うわぁ、酷いことするのね……それって実力じゃないじゃん(笑」
「そうは言ってもよぅ~LV7を2人相手に俺のソロじゃ無理じゃね?」といい笑う。
「まぁ二人とも勝てたんだし良かったよ。早く町に中に入ってあいつら通報しようよ」
「だな。行こうぜ」
アニエスへ戻り、GMコールを行うと獣人3人組には罰則がつけられた。
罰則は1回目で厳重注意で2回目で一定期間のアカウント停止、3回目でアカウント削除だ。なので当面は安心と思い、二人はギルドカウンターへ報告に行くことにした。
お読みくださりありがとうございました!
あとがき見て気づいた人がいるかもしれませんので補足を少々・・
装備武器を戦闘時の攻撃手段が違う!き・・気にしないでください。
では今回の戦果報告です!!
獲得アイテム 1000R
名前 サチ(♀)
種族 獣人種猫又族
職業 格闘家LV8・鍛冶師LV4・錬金術師LV4
控え職業:投擲具職人New・投擲手New
称号 〈駆け出しの〉・★〈絶対的幸運の〉・〈無望な〉・〈姫の〉
スキル 格闘家 ;〈ラッシュ〉・〈ダッシュ〉・〈コンボ〉
鍛冶師 ;〈鑑定〉・〈鍛冶〉・〈採掘〉
錬金術師;〈鑑定〉・〈錬金〉・〈採取〉
ステータス 格闘家(補正値)
耐久力 (HP) 49 (-6)
精神力 (SP) 18
筋力 (STR) 24 (-3)
敏捷 (AGI) 23 (+6)
知力 (INT) 14
器用さ (DEX) 19 (+3)
運 (LUK) 17
魅力 (cha) 14
装備 武器:鉄のトンファー
頭:鉄のはちがね
体:布の服
腕:鉄の腕輪
足:革の靴
アクセサリ:なし
アクセサリ:なし
所持金46200R(+1000R)
称号欄の★はその話の終わりについている称号です




