作戦(さくせん)
で、三時間後。
ある作戦を実行することになった。
これから十五分後に、対策本部から「救助のヘリコプター部隊」がやって来る。
なんでも、このビール工場を「前線基地」にして、「この町の救助作戦」を行うらしい。
そのため、真っ先にここへ、「ヘリコプター部隊」がやって来るのだ。着陸場所は工場の敷地内にある駐車場。
ヘリコプターの到着に先だって、駐車場の近くにいるゾンビたちを、ビールで駆逐することになった。
そうしておけば、人々がヘリコプターに乗り込む間、ゾンビたちに妨害されない。
この作戦、工場から出撃するのは、二〇人の精鋭たちだ。
先頭にいるのは、あの女子大生である。真新しい『ビールサーバー』を背負っていて、その姿は実に様になっていた。
で、女子大生の隣にいるのが、元プロ野球選手だ。元救世主。
いつでも中身を発射できるように、一本の『瓶ビール』を両手で構えている。背中のリュックサックには、数本の『瓶ビール』が入っていた。ポケットには『栓抜き』も。
「あの、俺もあっちがいいんだけど・・・・・・」
元選手は工場長に言ってみるが、
「すみません。『ビールサーバー』は数が限られているので。『瓶ビール』に慣れている方は、瓶でお願いします」
「あの、プロ野球選手時代に『ビールかけ』をしたのって、一回だけなんだけど・・・・・・」
「一回やっただけでも十分です。ここにいる他のみなさんは未経験ですよ。さすがに、未経験の人たちに、『瓶ビール』でぶっつけ本番をさせるわけにはいきません!」
工場長は元選手のうしろで、フォークリフトに乗っていた。
そのフォークリフトで運搬するのは、『瓶ビール』一ダースが入ったケースだ。それが八ケース。
「ビールがなくなったら、いつでも補充できますからね。どんどんゾンビにビールをかけてください! プロ野球で優勝した時みたいに!」
その直後だ。精鋭たちの正面にあるシャッターが、ゆっくりと開いていく。監視カメラの映像によって、この近くにゾンビがいないことは確認済みだ。
女子大生が元気よく言う。
「みんなー、がんばろーねー♪」
「おー♪」
元選手を除いて、味方の士気は高い。
人類の反撃開始だ。
お酒は二十歳になってから




