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日律帝国最後の反抗  作者: mitotayo
帝都空襲
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日律帝國最後の反抗18

mitotayo(みとたよ

お久しぶりです。投稿期間が二ヶ月以上空いてしまい本当にすみませんでした!もう学校とか部活のせいで全く時間が取れないんですよね。でも絶対に失踪なんてしませんのでどうか最後まで付き合って頂けたらなと思います。

〈二十二章 帝都空襲〉

 「B42の集団を確認!これより迎撃を開始する!」

 羽川飛行場所属の二式戦闘機15機が、無線にそう言い残してB42の集団に突撃していく。B42からは防護機銃が無数の弾丸を放っているが、二式戦のパイロット達は機銃弾をものともせず肉薄してB42に十二ミリ機銃を撃ち込んでいく。

 「くそっ、やっぱり硬いな」

 「十二ミリじゃあ全然撃ち落とせねぇ……!」

 パイロット達は二式戦では火力不足を感じながら懸命に装甲の薄い箇所を狙って一撃離脱を繰り返している。すると1機のB42がエンジンから火を吹いて爆散した。

 「1機やったぞ!」

 「エンジンを狙え!機体下部は特に装甲が薄い!」

 二式戦のパイロット達はそれぞれ弱点を探り当ててB42を撃ち落とし始めた。

 「蒲島、青山からも増援が来たぞ!」

 「戦果を横取りされないようさっさと片付けるぞ!」

 帝都東奏まであとわずか数キロメートルしか残されていない中、焦らずにいるパイロットは少ない。その数少ないパイロットの中に、白石武も含まれていた。


「草加部、水島、行くぞ」

白石は短く無線に語りかけると三三式艦戦を一気に加速させた。草加部と水島も無言でついていく。白石達が飛んでいるのはB42がいる高度よりも1000メートル高い高度6500メートルだ。白石はそこからいきなり急降下を始めた。草加部と水島も慌てず急降下についていく。高度計のメーターが5600メートルを示した瞬間、白石は二十四ミリ機関砲の引き金を引いた。二十四ミリの曳光弾は吸い込まれるようにB42のコクピットに向かっていき、命中した。恐らく操縦手達は何が起こったのかも分からず体を粉々にされただろう。B42はそのまま態勢を崩して高度を落としていった。草加部と水島はそれぞれ違うB42のエンジンを狙い、見事に撃墜した。

 「数が多いな……」

 白石は思わず唸る。

 「1機ずつ落とすには限界がありますね」

 「とにかく数を減らすしかありません!中尉殿、ここは小隊を組まず散らばって迎撃するべきです!」

 「そうだな、たまにはお前らの腕を信じることにするか」

 白石は小隊を解く決断をした。

 「おい、隼人!この空戦でどっちが多くB42を撃ち落としたか勝負しようぜ!」

 「仕方ないなぁ」

 草加部と水島はどこか楽しそうに無線で話しながら左右に散らばっていった。

 「楽しそうだな」

 白石は呟きながら急上昇してB42の機体下部に二十四ミリ曳光弾を撃ち込む。B42は右翼を切断されて空中分解して墜落していった。白石は撃墜した機体には目もくれずに次の獲物に目線を移す。白石を始めとする三三式艦戦の増援によって怜軍爆撃隊の撃墜数は着実に増えていった。しかし……、

 「怜軍爆撃隊は帝都上空に侵入!邀撃隊(ようげきたい)は至急迎撃せよ!」

 無線から新たな司令が飛んできた。

 「なんだって?」

 「爆撃隊は俺達が今迎撃してるじゃないか」

 二式戦のパイロット達が混乱している中、第一機動艦隊の航空隊員達は各々で帝都東奏の上空に全速力で向かった。

 ──あの爆撃隊は60機より確実に少なかった……。やはり違う方向から回り込んでいたのか!

 白石は舌打ちをして帝都上空を睨む。その先にはB42約20機に横川、曽根飛行場所属の二式戦闘機、新型の三式戦闘機が言葉通り決死の覚悟で肉薄していた。


 「くそっ!弾が切れやがった!」

 「俺もだ……ちくしょう!」

 「体当りしてでも叩き落としてやる!!」

 有言実行というべきか、数機の二式戦が体当たりしてB42を墜落させた。しかしB42は引き返す訳もなく、残っている12機のB42が爆弾槽を開いた。

 「間に合わない……」

 白石を始めとする第一機動艦隊航空隊員の面々は三三式艦戦を速度を限界まで上げて爆撃を始めようとしているB42を追尾するが、なかなか射程圏内に入らない。

 ──まただ……また俺は、大切な人達を、大切な物を……守ることができないのか……?

 白石が見ている前で、B42の爆弾槽から焼夷弾が投下され始めた。

 ──俺は……俺は……。

 白石の視界が涙で滲む。

 「俺は……また大切なものを失うのか?」

 涙が瞳から溢れて頬を伝う。

 「……俺は……一体……何のためにこの空にいるんだ……」

 白石は自分の太腿に拳を叩きつけた。

 ──俺は……僕は……どうしたら良い?……母さん……。

 白石の目線の先にはあの時の、第一次世界大戦の帝都初空襲と同じ景色が写っていた。

 「中尉殿!なにぼんやりしてるんですか!」

 無線機から怒鳴り声が聞こえてくる。草加部の声だ。

 「中尉殿、今は爆撃を終えた敵爆撃機を1機でも多く地獄に叩き落とすことが先決です。今は空戦に集中してください!」

 水島の声も無線機から聞こえてくる。白石は涙を拭った。

 ──そうだ、俺はあの時とは違う。今は敵に復讐する手段を持っているんだ。泣くのはその後で良い。

 白石は心を落ち着かせて無線機越しに二人の部下に答えた。

 「ああ、1機残らず叩き落としてやろう」

陸軍の戦闘機について。二式戦闘機には愛称がつけられています。その名は「翔燕しょうえん」、燕のように自由に空を舞い、必ず生還出来るように願いを込めて名付けられました。今回登場した最新鋭の三式戦闘機の愛称は「颯鷹そうよう」。鷹のように空を支配する航空機になるようにと名付けられたようです。

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