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日律帝国最後の反抗  作者: mitotayo
名も無い島で
14/17

日律帝國最後の反抗14

mitotayo(みとたよ

皆さんこんにちは。今回は名も無い島編(仮名)を終わらせるためだけに本編を短くして出しました。どちらかと言うと恐らく後書きの方が文章の量が多いと思いますよ。

〈十八章 お互い様〉

 太陽は水平線に沈み、赤い空も段々と藍色に染まり始めた頃。

 「にしても、これからどうしようか」

 アウグレットは呟いた。

 「んあ、なんて?」

 アウグレットの呟きを聞き取れなかったのか、白石はそう言った。

 「ああ、ただこれからどうしようかと考えてただけだ」

 「そうか……」

 白石は小さく相槌をうった。

 「お前はウォール島が近いし助けを呼べるだろ?だがな、俺は機動艦隊がもう居ないとしたらどうしようも無いんだ」

 「ん?あんたの堕天使(エンゼルタイガー)は電信機を積んで無いのか?」

 「堕天使かい?そのあだ名は言い得て妙だな。んで、電信機なら積んでるが……一体何をする気だよ」

 アウグレットは怪訝な顔をして問いかける。

 「なぁに、まだ近海に居るんなら電信使って救助して貰えばいいじゃないか」


 1時間が過ぎた頃。

 「ヒルチャー司令!通信兵が奇妙な暗号文を傍受した模様です!」

 「……どんな文だ」

 「はっ。読み上げます」

 息を切らした中佐の階級章を付けた参謀がメモ用紙を取り出した。

 「大東海第一機動艦隊に要請する。こちらはアウグレット・フェルト少尉。機体が損傷した影響でウォール島周辺の島に不時着した。応急修理は完了している為、これ以上の飛行に支障は無し。貴艦隊の座標及び帰還の許可を求める。……との事です」

 「…………」

 ヒルチャーは無言のまま、何か考え込んでいる。

 「ヒルチャー司令、小官はこの電文を罠だと考えます。我が艦隊の座標を特定する為の」

 他の参謀達も頷く。

 「……しかし、不時着自体はあり得る話だ。現に攻撃隊唯一の生還者の……ルイーダ少尉の証言とも一致する」

 「……でしたら、少し策を講じましょう。」

 「ほう、聞かせてくれ」


 「返信来ました!!」

 さらに30分が過ぎた時、艦橋を支配していた重い沈黙を破る報告が入った。

 「質問の返答、全て正確に解答しています!」

 「ああいった情報は日帝は知る由もないはずです。これで電信の向こうに居る人物は確定しましたね」

 「……うむ。座標と帰還許可の旨を送れ、我々はここから動かないとも伝えておけ」


 「ふぅ」

 ──まさか機体識別番号と出身地を聞かれるとは……。

 アウグレットは味方機動艦隊の返答を聞いて息を吐いた。

 「ん?終わったか?」

 白石が茂みの中から出てきてそう言った。

 「ああ。すまんな、一応俺とお前は敵同士だから暗号を知られちゃ不味いんだ」

 「それはお互い様だ。それより、いつ出発するんだ?こっちの救助は明日の午前中らしいぞ」

 「……夜明けと同時に離陸しよう。そうすればウォール島の基地にもバレないはずだ」

 「そうだな。レイブンも日律も朝は苦手らしい」

 2人は笑った。敵同士、いつこうやって会えるかも分からない中で2人はこの時間を互いに噛み締めていた。

 「朝早く起きないといけないから、俺はさっさと寝ることにするよ」

 アウグレットはそう言って堕天使の操縦席に向かった。

 「ああ、そうした方が良い。俺も寝ることにしよう」

 「ん。じゃあ、おやすみ」

 「ああ、おやすみ」

 白石も自分の機体に向かって歩いていった。


 「じゃあ、またいつか」

 アウグレットはそう言った。後ろでは堕天使がプロペラを回して待っている。

 「ああ、あんたとはまた会いたいが、戦争中は会いたく無いな」

 「違いねぇ」

 アウグレットはそう言ってニヤッと笑った。

 「さぁ、早く行けよ。燃料が勿体無いぞ」

 「おう、じゃあな!森下さんによろしく!」

 アウグレットは堕天使に飛び乗って出力を最大にした。レシプロエンジンが一気に唸りを上げて機体が加速していく。尾輪が浮き、そして前輪が浮いてアウグレットは飛び立っていった。白石はその様子を1人になった砂浜で見つめていた。

 「……またいつか、敵ではなく、友人として会いたいな」

 白石は大空を見つめ、遠く豆粒より小さくなったアウグレットに向かってそう呟いた。その2時間後、白石は救助に来た駆逐艦によって無事に救出された。白石の愛機はそのまま放置されることになり、白石は愛機に向かって最後に敬礼をして島を去った。

日律帝國の戦艦について(続編)

 前回書いた通り、ここでは戦艦の諸元をメモの様に書き記します。まだ出ていない戦艦に関しては名前を出さず、諸元だけ書くことにします。


長州型戦艦

主砲 三十六センチ連装砲4基。副砲 十二センチ単装砲10基。対空砲 八センチ連装砲8基。

全長225メートル。全幅35メートル。基準排水量39200トン。速力26ノット。

???型戦艦

主砲 三十六センチ連装砲6基。副砲 十二センチ単装砲2基、十二センチ連装砲4基。対空砲 八センチ連装砲6基。

全長228メートル。全幅33メートル。基準排水量35500トン。速力24.5ノット。

???型戦艦

主砲 三十六センチ連装砲6基。副砲 十二センチ連装砲4基。対空砲 八センチ連装砲8基。

全長230メートル。全幅33メートル。基準排水量35500トン。速力25.1ノット。

西日型戦艦

主砲 三十九センチ連装砲4基。副砲 十二センチ連装砲4基。対空砲 十センチ連装砲8基、八センチ三連装砲4基。

全長238メートル。全幅29メートル。基準排水量34990トン。速力29.2ノット。

???型戦艦

主砲 四十三センチ三連装砲4基。副砲 十五センチ三連装砲4基、十二センチ三連装砲6基。対空砲 八センチ三連装砲6基。

全長272メートル。全幅48メートル。基準排水量66050トン。速力28.6ノット。


 基本的にモデルとなった戦艦に多少(?)のアレンジを加えて設定しています。

 これ書いている途中、某オーキド博士がくれる図鑑が埋まっていない状態を見ているみたいな気分になりました。

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