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屋根裏のメタルウィザード

作者: RN・マーチヘア

 日本近海から発掘されたレアメタル。ヒヒイロカネと名付けられたそれは、エネルギー鉱石として注目された。

 しかしその夢は直ぐに崩れ去った。

 一定以上の電力を浴びたヒヒイロカネは覚醒。独立行動を行い、人類に牙を剥く。

 ヒヒイロカネは鉱石では無く、炭素系生物だったのだ。

 かくして日本は、その小さな国土をヒヒイロカネに囲まれ、絶望的な戦いに身を投じる事となった。


 その装甲車は交差点の中心にドリフトしながら停車して、

「VT-18・くりから、スタンドアップ!」

 そして立ち上がった。

 縦にフレームが伸び上がり、装甲がポンチョのように垂れ下がって全身を覆う。両サイドから腕が伸び、その手には機関砲。

 垂直戦車。ヴァーチカル・タンク。

 戦車の装甲と打撃力、歩兵の走破性と機動力を兼ね備えた人型陸戦兵器であり、その特性から山地や市街地では良く戦った。

「とは言え」

 道路の四方、路地の角、ビルの上からなにから、無数のヒヒイロカネがこちらを包囲していた。

 友軍は全滅。弾薬も燃料も残り僅か。

「これはもうお手上げよね」

 くりからの操縦士、竜胆牧夏(りんどう まきな)は言葉通りに両手を上げて、

「だったらそれ、貰っていいよな」

 ヘッドセットに男の声が響いた瞬間、全てのモニターが消え、

「アイハブ・コントロール!」


「あっはっはっはっはっ!」

 ヘッドマウントディスプレイのリアルな3D映像。グリップやリクライニングシートには操縦の振動まで再現されている。

 その中で各務純直(かがみ すなお)は、ハッキングしたくりからを縦横無尽に暴れさせた。

 黒いヒトデのようなフォルムのヒヒイロカネを翻弄し、ビルの壁面にぶら下がるや体操選手のようなアクロバットを披露しながら射撃。宙返りをしてその背後を取って、

「このスットコドッコイがぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 そして最後の一体を、バックドロップで粉砕した。

 くりからのコックピット内の牧夏は、無茶な機動に振り回されて目を回している。

 それに苦笑しながら、純直はHMDを外した。

 その屋根裏には冷蔵庫のように巨大なCPUが森のように乱立していた。中心の操作ブースにはシートに横たわる純直。

 そして、

 屋根裏に続く梯子から、外に繋がる天窓から、雪崩のように特殊部隊員が急襲。

「やっと来たか」

 純直は、ヒヒイロカネに侵食された半身を引きずりながら、

「寄越せ。奴らと戦う力を! 俺にっ!」

 ガ○パレード・マ○チ、コ○ドギ○スに影響を受けていると思います。

 ちなみに「ウィザード」は凄腕ハッカー、「くりから」は不動明王の化身と言われる竜の事です。

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