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EP.24 Bランク昇格試験を行いました

ブクマありがとうございます


すみません

サールナートは、Sランク冒険者なのですが途中からAランクと記載していました

漏れがなければ修正しました

 -2――――月陸歴1521年6月1日



 ダンダレス帝国で、謁見の申し込みをして二日で、皇帝にお目通りが叶った。これもウルールカ女王国の女王様が根回ししてくれたお陰だ。



「面を上げよ」

「ははっ!」

「朕がフォートローダ=シアトル=ダンダレスである」


 厳かな声が響く。

 アメリカ合衆国ですか? まあ『ダン』は余計だけど。

 不思議な輝きがあるブルーブロンド。見る角度によって色合いが変わるんじゃないか? 正面から見ただけでも、左側が少し紫っぽく見える。それと紫紺の瞳。

 何より超美形のオジ様。ここまで整った顔立ち人は、見た事ないと言える美しさがある。顔だけ見て女だと言われても納得してそうまいそうな美しさだ。それに四十は行ってるらしいが若々しく見える。


挿絵(By みてみん)


「貴君がホサカンであるか?」

「はっ! 私がブリテント騎士王国宰相補佐官のホサカンです。ダンダレス皇帝陛下にお目通りが叶いました事、恐悦至極に存じます」

「うむ。ウルールカ女王より聞いておる。それにこの書簡を読ませて貰った」


 謁見の要件を最初に告げ、約束を取り付ける際に女王陛下より、先に聞いていたので、書簡をそのまま預けていた。


「問題は、ウルールカ、メハラハクラ間の事であるな」

「恐れながら、正にその通りでございます」

「この両国の問題が片付けば、我が帝国も力を貸すと約束しよう」

「ははっ! 恐悦至極に存じます」

「せっかく参られたのだ。歓待しよう」

「よ、宜しいのでしょうか? 我々は、いきなり参った次第でございますのに……」

「良い。ウルールカ女王国より連絡が来た際に、準備を整えておった」


 大らかに言い放つ皇帝。そこまで言われたら、逆に断れないよな。


















 だが、断りたい。


















「有難き幸せ」


 断れよボケェ!!


 とは言え、ただの食事会だったのは有難い。貴族達を多く招いてとか、ダンスパーティーとか、そんな仰々しいものではない。ホサカンはともかくこちらは、冒険者なので気を使ってくれたのだろう。

 ただ、挨拶とか超面倒だった……。


「ん?」


 味付けの濃い湖沼をふんだんに使った肉を口に運んだ時に違和感を感じた。

 いや、まさかな……?


「どぅした?」


 いや、お前がどぅした? サールナートは、右手の人差し指と中指を立て横向きにおでこに当てるポーズをしながら、優雅に左手で飯食ってるなよ。というか女がそのポーズするなら、ともかく男がやってもガッカリだよ。たまに女がピースの発展型のような感じで、そんなポーズするけどさ。


「……いや、気のせいです」

「そぅうか」


 その後、数日城の離宮に休んでも良いと言われたので、皆は滞在する事になった。俺はここで依頼完了という事で、次の日の朝には出発した。

 というかに城がデカ過ぎ! 流石は帝国。城がある土地だけで、下手な町より大きい。城から出るだけで数時間とかどうなってるんだよ?

 城から出ると皇都フランクフォートにある冒険者ギルドに向かう。そして、冒険者ギルドの受付嬢にホサカンが用意してくれた依頼完了書を渡した。


「依頼完了です。おめでとうございます。これからは【夜刀神】ですね」


 ニコやかに言われる。まあAランク冒険者とは冒険者ギルドに取って得難い存在だからな。


「それではギルドカードを宜しいでしょうか?」

「はい」


 紫のギルドカードを渡した。Cランクの頃は青のギルドカードだったが、Bランクに去年昇格したので、紫のギルドカードになっていた。


「では、ギルドカードを更新します……………………はい、完了です。お返しします」


 シルバーカードが帰って来た。お店の品物が半額になるの? って某エムブレムじゃないから無理か。

 ともかくそのギルドカードに確りと【夜刀神】と刻まれていた。



 名前:【夜刀神】アーク

 年齢:二十六歳(三十一歳)

 レベル:125

 種族:人族

 職業:龍忍



 ステータスにも【夜刀神】が刻まれたぞ。というか今更だけど誕生日が過ぎたのだな。メハラハクラ王国にいる辺りだったかな?


「早速ですがAランク冒険者の【夜刀神】アークさんに指名依頼です」

「え? いきなり?」

「依頼を受けて下さったAランク冒険者が、諸事情により依頼が出来なくなりましたので、いきなりですけど、お願い出来ないかと思いまして」

「悪いけど時間掛かるような依頼は無理だよ。これからスイースレン公国に行きたいから」

「アークさん次第で、今日中に終わります」


 どういう事? さっさと行って、特定の魔獣を狩って来いって依頼か?


「内容は?」

「Bランク昇格試験の試験官です」

「それって、試験内容も合否も俺が好きにして良いってやつ?」


 俺もBランク昇格試験を受けた時に説明された。試験官によって試験内容も違うし合否の判定も違うと。

 という事は、Aランク相当の魔獣狩りを試験にしても良い。しかもその報酬と魔獣の素材は試験官の物なるというふざけたものも有りだ。

 勿論そんな試験内容にしたら、評判が悪くなり評価が下がる。AランクやSランクは、その評価が低くなると降格させられてしまう。Aランク以上は特権があるからこそ厳しいのだ。そのようにBランク試験の時に説明された。

 まあ過去にそんなふざけた試験内容にした奴がいるという例に出された訳だな。


「はい。試験官に一任されています」

「じゃあ可愛い女の子なら合格で、むさい男だったら不合格にしても良い?」

「………………構いませんけど……評価が下がりますよ?」


 丸でゴミを見るかのような、めっちゃ蔑みの目で見られた。


「冗談だ」

「……そうですか。では、とりあえず訓練所に行きましょう。あと数分もすれば受験者が来ます」


 信用されていないのか、ジト目で見られてしまう。

 まあそんな訳で、受付嬢と一緒に訓練所に向かう。そこで待つ事、数分で受験者がやって来た。二人だ。


「では、こちらパワレベルさん、こちらがサラサさんです」

「おう! 宜しくな」

「……宜しく、お願いします」


 自信満々のムキムキなおっさんに、少しオドオドしている十歳行っていないように思える幼女だ。


「試験内容は如何なさいますか?」

「必要無い。君、合格。はい、以上」


 サラサを指差し合格を告げ終わらせた。


「………………本当に可愛い女の子だから、合格にしたのですか?」


 またゴミを見るような視線を受けた。


「おい! てめぇ、試験も無しにどういう了見だ!?」

「鑑定した結果だけど問題ある?」

「なるほど。そうでしたか。てっきり私は、見た目で判断したのかと」


 ムキムキのおっさんを無視して、受付嬢に問い掛けると一応納得してくれた。


「待てや! 鑑定だかなんだか知らないが、それで納得出来ると思ってるのか!?」


 パワレベルとやらがマジで煩いな。


「分かった分かった。なら一度だけ試してやるよ」

「何様だ!? 俺様を誰だと思ってる?」

「誰でも良いよ。やらないなら、今の合否で話は終わり」

「上等だ! 俺様は、レベル……」

「あ~煩い! 口上なんてどうでも良いよ」


 何でこんなイキり立ってるんだ?


「ちっ! じゃあ試験内容は何だ?」

「俺からの一撃を耐える事」

「ハ! 何かと思えば……てめぇぶちのめしても良いのか?」


 話を聞いてるのか? 仮に耐えたとしてもそこで合格の判定が出て終わりだろ。


「一撃を耐えた後、好きにしな」

「レベル168の俺様にデカい口を叩いた事を後悔させてやるよ」


 聞いてねぇよ。


「おい、ガキ! お前はいくつだ?」

「……え? えっと……82ですが……」

「ハン! ちょろいぜ。たかが82にを合格にするとか、とんだ節穴だな」

「ちなみに耐え切れなかったら、Dランクに降格な」

「て、てめぇ、何の権限があって……」

「受付嬢さん、そういう事で問題ないですよね?」


 パワレベルの無視して受付嬢に話を振る。


「はい。Aランク冒険者の権限により、問題ありません」

「ちっ! 上等だ! たかがてめぇの貧相な攻撃を受ければ良いだけだろ?」

「ちなみにサラサは、耐え切れなくてもCランクのままで良いぞ」

「おい、それはどういう事だ!? 扱いがちげぇじゃねぇか?」

「当たり前だろ。特別に試験してやるんだ。本来ならそんな必要もないのにな」

「ちっ! わーったよ。だが、耐えた後にてめぇをボコすからな」

「はいはい」


 そんな訳で訓練所の真ん中に移動する。お互いの距離が5mは離れていた。


「受付嬢さん、開始の合図を」

「分かりました」

「ちなみに俺はレベル125だけどね」

「は?」

「始めっ!!」


 右手で小太刀を抜き縦一文字。


「ごはっ!」


 はい、パワレベルに剣閃が直撃。そのまま吹っ飛んだ。
















 ドゴォォォォンっっ!!
















 そのまま端っこの壁に減り込んでしまう……。

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