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EP.03 魔神アークを知らべていました

「<感電魔法(スタン・ボルト)>」


 狙いは悪くないんだけどな……。

 シスリーヴァは、雷魔法を唱え鞭を通し俺を感電させよとして来た。

 問題はチグハグなところ。


「<感電魔法(スタン・ボルト)>」


 はい、相殺っと。

 俺の感が、この女は強者と言っている。いや、正確には気配完知、魔力察知、索敵気法(さくてきほう)が俺より圧倒的強者と言っている。なのに危険察知が全く反応しない。それがチグハグだ。

 何より感電魔法(スタン・ボルト)とか雷魔法の初歩で、俺を仕留めようとしてるのがおかしい。こいつなら雷魔法の上位の雷撃魔法を持っていそうだ。

 って訳で、<鑑定>。


 バッチーンっ!!


 当然弾くよな。予想していた。こんな強者が弾かないなんて思わないし。

 なら龍気を乗せるだけだ。闘気を乗せて鑑定するより更に詳しく見れるようになった。


 <龍気鑑定>!!



 名前:シスリーヴァ=リュボー=アブィーヌイ

 年齢:十八歳(十二万六千九百六歳)

 レベル:235

 種族:人族

 職業:鞭魔士

 HP:8000

 MP:9000

 力:3500

 魔力:6000

 体力:2000

 俊敏:1800

 スキル:鞭聖術LvMAX、ナイフ術LvMAX、闘気LvMAX、紅蓮魔法LvMAX、零度魔法、爆風魔法LvMAX、雷撃魔法LvMAX、光輝魔法LvMAX、天空魔法LvMAX、幻影魔法LvMAX、生命魔法LvMAX、次元魔法、強化魔法LvMAX、魔力察知LvMAX、危険察知LvMAX、鑑定遮断LvMAX、空間把握(大)

 称号:ゴブリンスレイヤー、オークスレイヤー、オーガスレイヤー、ビーストスレイヤー、ヒューマンスレイヤー、ドラゴンキラー、デーモンキラー、魔族スレイヤー、天才、無詠唱、断罪者、時間遡行、予知、記憶喪失



 ………………………………………………は?










 何? このぶっ飛んだステータス。











 まずさぁこの年齢は何? ( )は、魂年齢だと思うけど十万超えってどんだけよ。『時間遡行』なんて称号があるけど、あんたどんだけ繰り返したんだよ!? 俺も幾度も繰り返した事があるが二ヶ月半くらいしか繰り返してなかったな。

 で、鞭聖術なんてのがあるけど、これは『鞭術の上位版で、更に洗練された鞭技が可能になり邪を払う』ってので、ケンの剣聖術の鞭版だけど、龍気により更に詳しい内容が見れた。『魔族特攻』があるよ。

 でも、それより魔法が半端無い。炎、風、光、空、癒、幻が上位でレベルMAXだし。

 更には氷属性が最上位に到達している。氷、氷結、凍結と来て零度だ。そして次元魔法って何だよ!?

 ウルールカ女王国の書庫でも見た事ないぞ。というか、此処に到達した奴っていないんじゃないか? 何せ龍気でより詳しく見ると隙魔法の最上位ってなってるしな。隙、空間、時空と来て次元だ。ナターシャですら時空魔法までしか行っていないのに。

 たぶんこの魔法じゃないのかな? 時間遡行なんてしてるの。


 もうここまで見てしまうと断罪する際にステータスアップする『称号 断罪者』とかもうどうでも良いわ。予知ですら霞むわ。まあ確かに未来予知は凄いけどさ。

 で、記憶喪失ね。通りで俺の危険察知は反応しないし、チグハグに感じる訳だ。最近知ったのだが、記憶喪失の者が自分のステータスを見ると覚えている範囲しかきっちり見れないらしい。

 例えば自分は『力なんて無い非力』だと思い込んでいると、例え力が5000あっても1000としか表示されないのだとか。

 だから、こんなぶっ飛んだステータスでも本人は気付いていない。

 それとこの女もライオスと同じで闘気と強化魔法のハイブリッドだ。


「シスリーヴァ! 何してるんだよ!?」

「ちょちょちょ……ちょっとー! このアークが魔神に見える?」


 一瞬状況に着いていけてなかったのか呆けていたナデェーイとウララが慌てて止めに入る。


「……そうですね。申し訳ございません」


 シスリーヴァの敵意が消えたので鞭を離してやる。


「一体何だったんだ? 説明くらいしてくれ」

「そうですね。わたくしには記憶がございません」


 うん、知ってる。


「唯一覚えていたのが、自分の名前と……」

「魔人アークとやらね」


 魔人って言うからには魔導が得意な奴かね? 魔女の男バージョン的な?


「いえ……魔神です」


 ん? 神? なんか不穏になったぞ。


「アレだけは復活させてはいけないと、それだけは覚えていました」


 復活ね。なんか嫌な予感がするな。そう上位悪魔(アークデーモン)だ。アレと同じじゃないか?


「そのアークってどんな字を書くんだ?」


 字を教えて貰う。


 ………………………やっぱり。異世界文字では説明が難しいが、英語で表記するなら『Arc』だ。そして俺は『Ark』になる。つまり……、


「スペルがちげぇよ」

「そう……ですか。大変失礼致しました」


 シスリーヴァが頭を下げる。まあ誤解が解けたようになりより。


「ところでお前達は、どこ行く予定だったんだ?」

「王都キャットに」


 ナデェーイが答える。


「で、キアーラ海王国への護衛依頼がないか冒険者ギルドで確認するんだ」


 ウララが続ける。つまり、国を移動するついでにお金を稼ごうという訳か。前に俺もやったな。


「キアーラ海王国? 何でまた?」

「それは……」


 なんかシスリーヴァが言い辛そうにしている。


「無理に言わなくても良いが……それ魔神アーク絡みか?」

「……はい」


 歯切れが悪いな。にしても魔神アークか。不穏でしかない。これが世界崩壊の元凶とかだったら分かり易くて良いんだけど。まあそんな都合良く行かないだろう。

 だが、最悪の状況でも打てる手は打って起きたい。もし、仮にだがこれが元凶だった場合も考慮する必要があるな。


「俺、キアーラ海王国に伝手があるんだ。良ければ聞かせてくれない?」


 正確にはナターシャが、だが。


「そうですか。実は、わたくし達は地底世界に行きたいのです」


 地底世界? 三年前にナターシャが向かったとこだよな。


「何でまた?」

「………………っ!?」

「えっ!? 何? 何で驚いてるの?」


 何か三人して目を丸くしてるし。


「あの……地底世界ですよ?」

「それが?」

「え?」

「は?」


 何? 何が言いたいの?


「地底世界なんて存在するのかー?」

「何それー? 意味分からなーーい?」


 ナデェーイとウララが、棒読みで何か言ってるな? 何? いきなり俺に三文芝居を見せたい訳?


「って、普通は思うんじゃないか?」

「そうそう」


 あ~~~。そういう事か。


「だから、俺は伝手があるって言っただろ?」

「なるほど。地底世界は隠されていますので、それを知る者との伝手とは驚きです」


 シスリーヴァが目を見張る。


「実は、その地底世界に行けば魔神アークについて分かるかもしれません。そこにわたくしの失われた記憶の手掛かりがあるかもしれません」

「残念だけどキアーラ海王国から行けないよ。まあ地底世界への入口が二つ以上あれば、話は別だけど」

「っ!? どういう事でしょうか?」

「俺が知る地底世界への入口は、塞がれたから」

「そんな……」


 シスリーヴァが顔を青くする。そんな絶望する事なのか? まあ記憶がないから焦っているのだろう。


「『予知』で、それ分からなかったのか?」

「何故それを?」


 あ、やべ! またやっちまった。鑑定するのはプライベートを覗く事で褒められた事ではない。だから、鑑定してもそれを言っては駄目だった。つまりバレなければOKが通用しなくなる。


「敵意を向けて来たからな。鑑定して対処も考えるさ」


 まあ今回は丁度良い大義名分があったな。


「………そうですね。通りで戦闘中に何かされた違和感があった訳です」


 鑑定遮断のレベルが上がると鑑定された事に気付くらしい。だけど記憶喪失の為に違和感としか捉えていなかったようだ。


「良く鑑定出来たな。シスリーヴァの記憶の手掛かりをと思って調べようと鑑定して貰ったが、弾かれちまったし」

「だね」


 ナデェーイとウララが苦笑いを浮かべる。鑑定士にでも頼んだのかね。


「まあ俺は、鑑定遮断を突破出来るから」

「なら、シスリーヴァの事を教えてくれよ」

「何か手掛かりになるかもしれないし」

「悪いがそれは出来ない」

「「えっ!?」」


 二人が目を丸くする。


「記憶喪失の奴にあれこれ言うと最悪精神崩壊する。例えば何か嫌な事があって自分の記憶を封じたなら、それを思い出してしまったりとか。その内容によっては悲惨な事になる。他にも自分の記憶を受け入れなかったりして拒絶反応したりとか、な。そうなると目覚めが悪くなるから言わないようにしている」

「………そうだよ、な」

「うん、あたしもそれに賛成」

「で、『予知』はどうなんだ?」


 俺は再びシスリーヴァに水を向ける。


「たまに予知する事もあります。ですが……それは失われた記憶なのか予知の結果なのか判断出来ない状態です」

「なるほど……な。じゃあ、あまり具体的に言うと良くない結果になるかもしれないからこれだけ。シスリーヴァは、隙魔法を学んだ方が良い」

「隙魔法……ですか? それはどうんな魔法でしょうか?」


 隙魔法の事は、完全に忘れているようだ。次元魔法に到達にしてるのに勿体ない。


「空間を操る魔法だ。旅をするなら便利だぞ」

「分かりました。王都に着いたら調べてみます」

「どうせなら一緒に行くか? 俺も王都の冒険者ギルドに用事があるんだ」

「マジか? じゃあ一緒に行こうぜ」

「旅は道連れ世は情けって言うしね」

「それでは、王都までの道中宜しくお願い致します」


 こうして俺は三人と一緒に王都に向かう事になった。ちなみに魔獣は皆で運ぶ事になった。隙魔法を披露し、収納魔法でしまっても良かったのだけどシスリーヴァに見せるのは拙い予感がした。

 考え過ぎかもしれなが、繰り返しまくっているシスリーヴァに見せる事で、悪い結果になるかもしれないからな。次元魔法まで到達し魂年齢が十万超えとか、訳アリ確定だし。

 その魔獣はパーシヴァル町の冒険者ギルドで換金し、お金の一部を貰った。結局ナデェーイ達はキアーラ海王国に行かないにしても王都で、俺に言われた通り隙魔法を調べたり、今後の予定を立てるとか。別にパーシヴァル町でも同じ事が出来ると思うのだが、王都のが情報が集まるだろうとの事。

ちなみにシスリーヴァ本人にはこう表示されます


 名前:シスリーヴァ

 年齢:十八歳

 レベル:???

 種族:人族

 職業:鞭魔士

 HP:8000

 MP:3000

 力:2500

 魔力:2000

 体力:1000

 俊敏:800

 スキル:鞭術Lv8、ナイフ術Lv4、炎魔法Lv8、氷結魔法Lv3、突風魔法Lv5、雷魔法Lv7、閃光魔法Lv1、治癒魔法Lv3、強化魔法Lv5、魔力察知LvMAX、危険察知LvMAX、鑑定遮断Lv4

 称号:予知、記憶喪失


あくまでもステータス全般は目安ですけど

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