EP.02 現在のステータスを確認しました
-59――――月陸歴1521年4月4日
「お世話になりました」
「うむ。良くぞ我が修行に耐えた」
俺は、辰の道場師範と正座で向かい合い頭を下げた。約四年半……此処で修行していた。漸く龍気心拳免許皆伝を貰えた。
「じゃが、お前のような素質ある者が去るのは惜しいのぉ」
「あれから、沢山門下生が増えたじゃないですか」
「そうなのじゃがな……」
俺を惜しんでくれる。正直悪い気はしないが、やはり目的があって教えを乞うたので、この道場に残る訳には行かない。そもそも『干支の騎士』なんて興味無いしな。
師範も俺の決意は固いと分かってるのか、やがて未練を断ち切るようにかぶりを振る。
「まぁ良い。アークよ、お前にギルドより指名依頼が来ておる。王都の冒険者ギルドに寄ってくれ」
「分かりました」
「では……達者でな」
「はい」
俺は、立ち上がり出入口に向かう。
「アークさん、行っちゃうですか」
「寂しいっす」
「今までありがとうございました」
「先輩、また会いましょう」
「アークさんに追い付けるように精進します」
後輩達が声を掛けてくれる。
「みんな元気でな」
こうして俺は辰の道場を卒業した。
さて、この四年半の成果を確認するか。俺は自分のステータスを見た。
名前:アーク
年齢:二十五歳(三十歳)
レベル:124
種族:人族
職業:龍忍
HP:12000
MP:1050
力:2185
魔力:650
体力:3200
俊敏:4900
スキル:ナイフ術LvMAX、剣術LvMAX、短剣術LvMAX、龍刀術Lv6、龍闘術Lv6、投擲LvMAX、忍術LvMAX、隠密LvMAX、鍵開けLv6、ワナ解除Lv6、毒耐性、痛覚鈍化、炎魔法Lv6、突風魔法Lv8、雷魔法Lv6、氷魔法Lv6、治癒魔法Lv2、空間魔法Lv2、気配完知、魔力察知Lv6、危険察知Lv5、鑑定、神獣使役、空間把握(小)
称号:コソ泥、襲撃者、殺人鬼、修羅、忍、ゴブリンスレイヤー、オークスレイヤー、オーガスレイヤー、ヒューマンスレイヤー、ドラゴンキラー、デーモンキラー、大英雄、転移者
装備:飛竜の小太刀 (攻撃力4000、俊敏400)×2
FFOコート (防御力1000、俊敏800) 自己修復、隠蔽機能、属性妨害
飛竜の装束 (防御力600、俊敏800)
疾真鍮の手甲 (攻撃力200、防御力300、俊敏500)
飛竜の靴 (防御力300、俊敏1200)
セット装備効果:飛竜 (攻撃力100、防御力100、俊敏100)
はい、まず年齢。龍気の力で更に詳しく見れるようになった。
( )の年齢って精神年齢って奴だな。いや、精神年齢って言ってしまうと俺がそれだけ大人で成熟してるみたいな言い方だな。なので、ここは魂の年齢と言っておこう。たぶん治時代から年齢だな。
次に体力がガッツリ上がっていますね。何せ闘気系は体が資本だから。よくよく考えたら、闘気って体内エネルギーなんだよね。体を動かす力……即ち体力。
だから、真っ先に体力を鍛えなければいけなかった。なのに俺はそれを完全に失念しており、俊敏とか他の所に拘っていた。
よって道場に入って最初の半年は、体力作りだけをしていた。
次にスキルを見て行こうか。まず龍刀術……これは刀系を統合したものだ。それに加え刀系は、龍気が流し易いというもの。
ちなみに刀系とは、刀術、小太刀術、小刀術の三つだ。遂に俺も刀が使えるようになったぜ。遊びでちょっと振ったら余程才能があったのか、直ぐスキルになった。まぁ今更小刀から替える気がないけど――と言いつつ装備は小太刀。何せまだ小刀は修復中。あぁ、武が修業期間中にやって来て闇夜ノ灯と光陽ノ影を回収されちまったけどな。
ちなみにレベルが6と下がってしまった――小太刀と小刀はレベルMAXだったが――が、問題無い。
刀術のレベルが上がり気付いたが武技系は、レベルに応じたスキル補正が入るってだけだ。補正無しに自在に操れるならぶっちゃけスキルが無くても問題無いのだ。
重要なのは龍刀術と『龍』が付いた事。何せ龍気が流し易いのだから。これはスキルがあってこそのものだ。
刀術が上がった事で気付いたのだが、暗器術が実は忍術に統合されており、俺は暗器術を触った事もなかたのに、スキル補正でそれなりに扱えた……まぁたぶん使わないだろうが。
龍闘術は、龍気と格闘術を統合したもので、更に格闘に龍気が流し易いという効果のスキル。そう……つまり今の俺は龍気レベルが6もあるのだ。5も上がった。
他に特記すべき事は、遂に神獣使役に至った事かな。やっとファーレと思念伝達が出来るようになったぜ。
ついでだしファーレのステータスも見るか。
名前:ディスファーレ
年齢:五歳
レベル:65
種族:神鳥
状態:成長期
HP:6600
MP:3800
力:1000
魔力:2700
体力:900
俊敏:3200
スキル:拳術Lv2、紅蓮魔法Lv1、風魔法Lv4、雷魔法Lv6、閃光魔法Lv4、治癒魔法Lv5、鑑定遮断Lv5、変化、魔力視認
称号:アークの従魔
成長期に入りステータスが跳ね上がった。今のファーレは完全に戦力と見て良いだろう。マジで強い。スキルも増えているし。しかも俺が神獣使役に至り思念伝達が出来るようになったので、連携も容易だ。
大きさは羽根を広げた時の全長が3mに及ぶ。羽根に指が生えて来ており、プテラノドンのようになって来た。尤も綺麗な羽で覆われているのだけど。
そして、赤い色が一層に鮮やかになり、神獣だけに増々神々しくなった。
後なんかさりげなく『称号 アークの従魔』ってのが付いた。俺が神獣使役に至ってからだ。まあ内容は俺と思念伝達が出来るってものだ。つまり一方通行の思念伝達ではないって事だな。
まぁそんな訳で、王都に向かう。
そんな道中で多数の魔獣と戦う三人に出くわした。男一人に女二人だ。
ヒュー! ハーレムパーティーだね。裏山しい………………えっ!? お前が言うなって? 細っけ―事は良いんだよ!!
「手を貸そうか?」
基本獲物は捕らないのが冒険者のルール。
「あ、頼む!」
男が答えた。
って訳でサクっと処理。
茶髪をポニーテールにしており、背中より少し上程度の長さの水色の目をした十代後半辺りの男と、金髪で首の辺りで切り揃えた、紫色の目をした十代中盤辺りの女だ。
もう一人の女は男と同じくらいの年齢で、ノルンと同じ銀髪で髪型も同じで三つ編み。ただ長さがノルンより短くて背中の辺りまで。瞳は少し冷たい印象がある青色だ。
というか超絶美女じゃね? こんな美女を美女じゃないなんて言ったら世界中の美女9割が美女じゃなくなるな。まあ冷たい印象のある目で、近寄り難いのだけど。
「助けてくれてサンキュー。俺はナデェーイだ」
熱血漢タイプの双剣士かな。
「助けてくれてありがと。あたしはウララだよ」
活発系女子の弓士かな。
「……シスリーヴァ」
ミステリアスな鞭士かな。
「俺はアークだ」
「アーク……ですって!?」
突如シスリーヴァが目を剥きバックステップで俺から距離取り、鞭を打ち付けて来た。まあ俺は左手でその鞭を掴むけど。
「………………魔神アーク」
何言ってるんだ?