表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
519/563

EP.17 エピローグ -side Ark-

「もしかして伝心魔道具(スマートシーバー)もかい?」

「そうだーね」


 やっぱりそっちも使えなくなるのか。となると暫く伝心出来ないな。


「アーク、聞いていたかい?」

『ああ』


 とりあえず伝心した。


「どうするかい?」

『どうしようっか~~~~』

「あたいに聞かれてもね……」

『でもさ、魔王と人類側との間に子が出来てるなんて前代未聞じゃない?』

「そうだねぇ」

『だから、もしかしたら世界崩壊を防ぐ鍵になる可能性もあるんだよな』

「それは都合良過ぎじゃないかい?」


 確かにそうなんだけど。例えば今までと同じ事を永遠と繰り返すだけじゃ、このまま世界は崩壊するだけだと思うだよな。感だけど。

 だけど、今までにない試みをする事で突破口が出来るかもしれない。その鍵が魔王の子である可能性がゼロじゃないと思うだ。


「確かにそれはそうかもねぇ」

『だから、ナターシャの直感に任せる』

「他力本願だねぇ」

『俺はナターシャの判断を信じてるから』

「嬉しい事を言ってくれるねぇ。分かったさぁ。この依頼を受けるさぁ」

『じゃあ暫くお別れだし、二人にも代わって』


 ナターシャは、伝心魔道具(スマートシーバー)をキアラに渡す。


「何ですか? 覗き魔アーク」

『………』

「何か言ったらどうですか?」

『……ラキアに代わって』

「ウチに言う事がそれですか!?」


 キアラが憤慨する。だってねー。代わるなりふざけた事を言うからだろ。覗かれたくなかったら、(ファミリア)を外せよ。


『元気でな。淫乱妖精』

「……やはり最低です」

『ウチなら良いですよ……とか言ってくれるかなって思って』

「なななな……こんな時まで心底、本当最低です」


 顔を真っ赤にしたキアラは、ラキアに伝心魔道具(スマートシーバー)を投げる。


「姉上よ、大事に扱うのだ。……主様よ、主様の愛人のラキアなのだ」


 コツンっ!


 ナターシャのげんこつが飛んで来た。


「痛いのだ」

『お前、馬鹿だろ』

「主様、もっと優しさをプリーズ」

『恍惚させながら言われてもな……』

「そ、そんな事ないのだ」

『まぁ適当に頑張れ』

「扱いが雑なのだ!!」


 今度は真面目に怒っている。真面目って言い方はアレだが、まあアレに言ってる言葉だし良し。


「良し! じゃないのだ」

『だから、俺の心を読むな。ドM妖精』

「はふ~~」


 キモいので切りました。別れの挨拶くらいまともに出来ないのか。この駄目妖精姉妹が。


「じゃあ依頼料としていくらかの金銭を渡すねーえ。それとアレを」


 そう侍女に指示を出すと侍女が部屋出て行く。

 暫くすると三人掛かりで抱えた盾を持って来た。


「「これは……」」


 キアラとラキアが目を剥く。


「何か分かるのかい?」

「神樹の力を感じます」

「そうなのだ」

「流石は精霊族だーね。これはかつての仲間だったエルセリアが、精霊族の里で貰った秘宝なのさーあ」

「でも、あたいら誰も盾は使わないさぁ」


 確かに俺達の中に盾を使う者はいない。


「ワタシの通り名を忘れたのかーい?」

「【付与月姫(カノープス)】」

「そうだーね。この盾に付与された能力をナターシャの胸当てに付与するさーあ」


 それ付与なの? 移し替えるのではなく?

 そうして左手で盾に触れ、右手でナターシャのプラチナメイルに触れる。次の瞬間、ナターシャのプラチナメイルが輝いた。それと同時に盾の輝きがくすんでしまう。なんか白銀の輝きが増したな。


「はぁはぁ……出来たさーあ」


 ノルンがフラっとし出す。


「大丈夫かい?」

「MPを一気に使ったせいだーね。それじゃ子供のとこへ案内するさーあ」

「あ、その前に今回の依頼の達成をギルドに報告しに行かないと」


 依頼が完了した際にギルドに行くのが規則だしな。


「それは平気だーね。ワタシの方から言っておくかーらね。それに新たな依頼の手続きもねーえ」

「そんな事出来るのかい?」

「ワタシャ、現Sランク冒険者だーよ。特権があるのさーあ」

「なるほどねぇ」


 そう言えばSランクだった。で、二つ名が【付与月姫(カノープス)】。

 四人は、子供のいる部屋に移動する。何かカプセルのような物があるな。これが時を止める魔道具コールドスリープマシンか。

 中には銀髪の赤子がいる。ノルンと同じ色だな。ただ流石は魔族の血が流れているだけはあり黒い。それに背中には翼があり、おでこには小さな角がポツンと生えていた。


「名前は?」

「スクルド=スルーズだーよ」


 『未来』って意味だよな? 確かに随分未来で目覚めさせる事になったな。


「スクルドね。魔王闘気を操れるようになったら、真っ先にノルンさんの下へ連れて来るさぁ」

「そうしてくれると嬉しいねーえ。……アガースラの忘れ形見だーしね」


 3000年前の旦那に思いを馳せているのか悲しそうに目を伏せる。


「最初のお前を騙せ! 世界を……」


 黙れ! そのネタじゃねぇよ。それを知ってるラキアも問題だが、『未来』って意味だって思ったって言ってるんだよ。


「残念なのだ」


 残念なのはお前の頭だ。

 こうしてナターシャ、キアラ、ラキアは、スクルドを連れて地底世界に向かった。























 あ! ファーレが俺の面倒を見るってフラグを回収しちゃった。

やっと次章から主人公中心に戻ります


本当はもっと引っ張る予定でした

アルベリアなんて全く活躍しませんでしたしw

他にもナターシャとノルンとの出会いを、アラタとノルンの出会いの焼き直しにするプロットもありました………………破棄しましたけど

エーコの時もそうですが、サクサク進めて主人公の出番を早めました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ