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アサシンズ・トランジション ~引き篭りが異世界を渡り歩く事になりました~  作者: ユウキ
第十五章 スイースレン公国の腐敗
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EP.11 ローゼインを鍛える事になりました

申し訳ございません。

スイースレン公国の王城がある場所を王都から公都に変更します

公国なのに王都は変かなと思いました

一応この章から全て公都に変えていますが、ここで改めて

『あ、お願いがあるんだけどー』

「皆まで言うな。(ファミリア)で覗いていた。ローゼインとやらを鍛えれば良いのだろ?」

『うん、そー。でも直ぐに来れるー? ナターシャお姉ちゃんもいないよねー?』

「2、3日は掛かるだろうが問題無い」

『分かったー』


 伝心を終え俺は、エーコ達がいるスイースレン公国に向かう。とは言え、まずは龍気心拳の師匠の許可を取る事だ。

 まあ余程の事がなければ許可は貰える。但し龍気だけは教えてはならないと言われていた。尤もそんなものを覚えている奴が希だと思うが。

 それから王都にいる転移屋に行く。転移屋とはまんま他のとこに転移してくれる。まあ転移魔法(テレポート)を使って貰うだけだが。

 しかし、本人が行った事がある場所というとなると限られるし最寄りの場所って感じだな。

 今回の場合は、スイースレン公国の公都スーレンまでだ。そこから徒歩か馬車になる。まあ俺は徒歩のが速いから徒歩にするが。

 それよりも問題が転移屋は値段が高い。これもまた希少な魔法だからなぁ。俺も空間魔法を磨けば使えるようになるかもしれないが、レベルが上がらないんだよな。たぶん才能なんだろう。上がるのはポンポン上がるし。


 今更ながらスイースレン公国の地理を説明しよう。

 まずスイースレン公国の中央辺りにあるのが公都スーレン。北には港町スイがあり、俺達がウルールカ女王国からやって来た港町だな。南は未開の地に入る足掛かりにしたポロック村がある。

 公都スーレンの北西にはチューリヒとい町があり、此処にスイースレン魔導学園がある。公都スーレンの北東にはバーゼルという町があり、此処にスイースレン武技学園がある。

 そして南西にジュネーブという町があり、此処にスイースレン総合学園がある。なんかこの学園がある三都市って一昔前の最も住みやすい町ベスト10にランクインしていたスイスの都市の名前だよな。

 尚、全学園交流試合は中心にある公都スーレンで行われる。


挿絵(By みてみん)


 閑話休題。


 そんな訳で、転移魔法の順番待ちとかなんやかんやで約束の三日でジュネーブの学園近くに到着。

 エーコに伝心すると近くの空き地に来て欲しいそうだ。その空き地で待つ事暫くしてエーコ達がやって来た。


「ふざけてるのー?」


 開口一番これだ。いたって真面目ですが?


「エーコ達の知り合いってこの人」


 赤い髪を首の後ろで結び肩の下辺りで切り揃えており、赤い目をしたローゼインが胡乱げな眼差しで俺を見ながらヒソヒソとエーコと話す。この暗殺者の耳を持ってすれば丸聞こえなんですがね

 にしても赤髪に赤目ってビオサーラと被ってるね。まあビオサーラと違い眼鏡は掛けていなし小さい。何が小さいって? それはお山に決まってるじゃん。まあ年齢的に当然だけど。


「……どこ見てるのよ?」


 沙耶にジト目で見られる。どこってお山だよ、お山。文句ある?


「文句しかないわよ!!」


 久々だな、このやり取り。ほんとツッコミが好きだよね。


「アンタがさせてるんでしょうよ!」


 さいですか。


「にしても人に教える時って、それしないといけない呪いでもあるの? アンタ」

「そうだよー。アー……」

「ダークだ」


 遮ってやる。


「やっぱりふざけてるのー?」


 薄紫と赤目の双眸でめっちゃ蔑まされる。エーコにこの目で見られるの地味に痛い。


「いたって真面目だ」

「だってアー……」

「ダークだ!」

「は~。もう良いよ。じゃあダーク、その仮面は何ー?」


 この盛大な溜息は相変わらずだな。

 でだ、そう今の俺は鉄仮面を被ったダークスタイルなのだ。


「まだこの国で表舞台に立つ予定はないからな」

「あっそー。ローゼインさん、こんなんでも実力は私達なんか及ばない程だよー」

「まぁエーコさんがそう言うなら……」


 懐疑的だな。


「話は聞いた。君を鍛えれば良いのだな」

「その前に試して良いですか? エーコさんはこう言ってますが、実際試してみないと教えて貰う気になれません」

「あ、敬語は良いよ」

「そうですか」

「試したければどうぞ。いつでも掛かって来な」

「じゃあ遠慮無く」


 ローゼインは腰の剣を抜き斬り掛かって来る。まず初手は受けてみるか。俺も闇夜ノ灯(やみよのあかり)ノ灯を抜き受け止める。


「なに!?」


 振動剣……だと?

 ローゼインの剣が振動し、俺の小刀を斬り込んで行く。直ぐに距離を取る。あぶねー。自動修復がある武器で良かったぜ。まあ直ぐに修復されないから、暫く使えないだろうけど。


「まだまだ」


 距離を詰め斬り掛かって来る。


「えっ!? 消えた? どこに?」

「後ろ」

「はっ!」


 振り返りながら斬り掛かって来る。が、再びローゼインの後ろに周り軽く背を押す。


「くっ! でも、まだ」


 またまた斬り掛かって来るが、俺の姿を見失う。


「また後ろね。……えっ!? いない?」

「今度は上」

「なっ!?」


 ローゼインが目を剥き固まる。まあ空飛ぶ奴なんて滅多にいないからね。


「まだ続ける?」

「降参するわ。疑って悪かったわ」


 ローゼインが両手を挙げ降参のポーズをする。それを確認し地上に降り立った。


「良ければどうか私を鍛えてください」


 ローゼインが頭を下げる。


「だから敬語はいらんよ」

「そういう訳には行きません。教えを請うのですから」


 意思の強い瞳を覗かせる。だけど少し陰りがあるな。余程の事情を抱えているのかな? だが、俺はそこまで踏み込む気はない。

 というか硬いな。敬語はマジでいらんのに。そもそも俺は貴族じゃないし、立場的にはローゼインのが上なんだよな。だが、エーコ達が身分をでっち上げる以上『平民です』なんて言えないしな。


「まあ良いや。じゃあこれから育成方針が考えるから、まず鑑定させて貰って良いかな?」


 一応確認を取るのが礼儀だ。プライバシーだしな。


「鑑定までお持ちとは。流石エーコさん達に信頼されているだけはありますね。どうぞ」

「……そんなにしてないけどねー」


 なんかボソっと言ってる奴がいるがスルーして置こう。

 ともかく鑑定っと!



 年齢:十一歳

 レベル:33

 種族:人族

 職業:剣士

 HP:4500

 MP:400

 力:650

 魔力:200

 体力:500

 俊敏:550

 スキル:剣術Lv5、炎魔法Lv6、水魔法Lv3、氷魔法Lv3、雷魔法Lv4、強化魔法Lv4

 称号:分子運動

 装備:ミスリルの剣 (攻撃力1500、防御力800)

    制服-ブレザー (防御力200、魔力150) 清浄

    制服-シャツ (防御力80)

    制服-スカート (防御力40、俊敏100) 清浄

    学園靴 (防御力100、俊敏50)



 なるほどね。さっきの振動剣はこの称号か。


「全学園交流試合で、どうしても負けられないんだよね?」

「はい」

「善戦したい訳じゃないんだよね?」

「はい」


 意思の強い瞳で真っ直ぐ俺を見据える。ほんと何を抱えているのやら。少し気にはなるが、深入りするべきじゃない気がする。これ以降関わるか分からない相手だしな。


「分かった。じゃあ選択肢を2つ用意する。無難に鍛える。それか賭けに出る」

「賭けとは?」

「一点突破だね。ぶっちゃけそれが飛躍的に伸びるか分からないから賭け」

「賭けでお願いします。無難になんかやっても勝てるとは思えませんから」


 『勝てる』ね。『勝ち続けられる』じゃないのね。まあエーコに『負けられない相手がいる』みたいな事を言ってたし、余程負けたくないのだろう。

 そう駆り立てる何かがあるんだろうな。いや、それは良いんだけど何か引っかかるな。目の前の事しか

見えていないというか……。

 それだけの事が過去にあったのだろう。だけど、それを振り払うかのような姿勢がどうも気に掛かる。上手く言えないが、過去を乗り越えようとしてるのではなく、過去を見ないようにするよな……。

 いや、それも違うな。ともかく乗り越えようとしてるようには見えない。 


「分かった。じゃあエーコにも手伝って貰う」

「分かったー」

「沙耶は……………………………………まあ今のうちにマッサージでもしといたら?」

「仮面越しでも厭らしい笑みが垣間見えるようよ。というか何のマッサージよ!?」

「決まってるじゃん。大きくする場所だよ」

「アンタのそういうとこ、ほんと嫌いよ!!」


 さいですか。その②

地図はあくまで目安です

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