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EP.21 教王と話し合いを開始しました

「<分身魔法(アフタリミッジ)>」


 俺は八体の分身を作り出し、特攻させた。


「小細工を」


 パンっ! パンっ! パンっ! パンっ! パンっ! パンっ! パンっ! パンっ! 


 弾丸を食らい一瞬で消し飛んだ。まあカカシのようなものだしな。


「他愛も無い」


 そう言ってマガジンを……、


「<風魔手裏剣>」


 させないよ? そのオートマチックの銃は八発の弾丸を込められると言うのは、もう分かっているのだから。よって八体の分身を作り出し、弾切れにさせた。そして、風魔手裏剣で、交換しようとしたマガジンを弾く。

 そもそも本物を見分けられなかった時点で、お前が他愛も無いんだよ。尤も隠密スキルとFFOコートの隠蔽があるのも大きいけど。それに分身魔法(アフタリミッジ)には多少俺の気配があるからな。


「くっ!」


 更に時間差で風魔手裏剣を投げた。勿論龍気を籠めてだ。


「ちぃぃっ!」


 左肩に突き刺さる。当然最強修道服を貫通させた。


「これで短剣で防ぐ事は出来ないな」


<縮地>


「ゼロ距離<クロス・ファングッッ!!>」

「ぐぁあああっ!!」


 俺の十八番である闘気剣――もはや龍気剣になるのだろうか――で、X字……いや体が斜めになりながら斬り込んだので、十字に刻まれローマジンは血を噴き出し倒れる。


「あの世で、せいぜい自慢しろ。俺がくれてやった、その十字の餞別をな」

「星O十字剣か?」


 だから、何でお前がそれを知っている?


「なんとなくなのだ」


 なんとなくで知っていて堪るかってんだよ。クソ妖精。


「主様よ、何気に酷いではないか。何故罵倒されないといけないのだ?」

「なんとなくなのだ」

「我の真似をされた!?」

「それより、このローマ人を回復してやってくれ」

「ローマ正教か?」


 そう言いながら、姿を現す。だから何で、お前がそれを知ってるんだって言ってるんだ!?


「なんとなくなのだ」

「もう良いや。突っ込んでも疲れるだけだ。良いから回復してやれ」

「構わぬが囲まれているぞ」

「問題無い。このうぉりぁ~文句より、雑魚共だから」

「主様よ、それはつまらないと言っておるのだ」


 まあ妖精はスルーして……、


「なぁお前ら?」


 俺がローマジンと戦っている間に集まって来た騎士修道会の連中に告げる。


「くっ!」

「ローマジン様をやったからって」

「この人数を相手に出来ると思っているのか?」


 一斉に掛かって……、


「止まれ!」


 来なかった。殺気に龍気を乗せて威圧したからだ。にしても龍気は扱い慣れていないせで、少し疲れたな。


「今から、お前らの大将を回復してやる。邪魔して死なせたいのか?」

「回復するのだ。<超回復魔法(メガ・ヒール)>」

「何故回復する? お前らの目的は何だ?」

「さぁね」

「所詮は賊か」

「もう良いや。ラキア、終わったなら、また姿を消してくれ」

「分かったのだ。<迷彩魔法(インビシブル)>」


 そうして、俺達は再び消える。


「何処へ行った?」

「賊め!」


 ウォリアーモンクと違い、コイツ等には気配を読み取れないようだ。

 まあ他に強者がいないし。もう楽々教王のとこへ行けるだろう。たぶんだけど。

 今日チャーチ大教会に転移魔法(テレポート)して来た時に、噂になっていた。背信者が姿を眩ましたと。で、優秀な奴らは俺達を探す為に、狩り出されたらしい。姿を消しながら町中を歩いていたら聞こえて来た。まあそれも狙っていたんだけど。

 そうして執務室の前に到着した。


「中に三人の気配。ラキア、手筈通り行くぞ」

「分かったのだ」


 一気に突入。そして一瞬で、宰相と思われる奴と護衛修道士と思われる奴を龍気を籠めた掌打で気絶させる。宰相はともかく護衛修道士は、耐打性能の最強修道服を着ているが、打撃無効ではないので、加減無しで掌打を放てば意識を奪える。

 そうして二人を執務室から追い出す。


「何事だ!? 誰か!! 侵入者だ!!」


 教王が叫ぶ。まだ三十代くらいの若い奴だな。青髪の美丈夫。服装は想像通り白を基調としたローブ。それも金でアクセントが入ってるゴージャスなものだ。


「教王猊下!? 何事ですか?」


 騎士修道会が集まって来る。


「<闇防御魔法(ダーク・シールド)>」


 ラキアが、入口を闇防御魔法(ダーク・シールド)で防ぐ。


「くっ! 何が目的だ?」


 何か苦いものを口に入れた顔をするが、状況把握が出来る教王のようだ。こう言う時に、『そんなものさっさと破って、入って来ないか!』とか言って騒ぎ立てる無能な王もいるってのに。


「話し合いをしよう」


 そう言って、適当なソファーに腰を掛ける。


「話し合い?」

「ジパーング聖王国と休戦協定を結べ」

「何!? き、貴様は、ジパーング聖王国の者か?」

「いいや」


 俺はかぶり振る。


「ただの旅人だが、今はレオン獣王国に雇われている」

「何故レオン獣王国に雇われている者が、ジパーング聖王国との休戦協定の話をする?」

「その話は後でする。まずは、休戦協定を結ぶか否かの答えを聞きたい」

「断るっ!」


 やはりな。まあ当然だろう。この国がこんな(・・・)状態じゃ。


「何故だ?」

「背信者だからだ」

「なるほど。じゃあジパーング聖王国を滅ぼした後、ウルールカ女王国も、この国の国教を理解出来ないようなら、攻め込むのか?」

「そうだ」


 断言するねー。


「そうかそうか。そうやって、ジパーング聖王国、ウルールカ女王国と次々に土地を枯らす(・・・)訳か」

「…………何の事だ?」


 心底分からないって態度だけど、一瞬目が泳いだぞ。ついでに汗がタラリと垂れたし。


「で、山崩れも起こさせる訳か」

「だから何の事だっ!?」


 怒鳴り出した。それじゃあ肯定してるも同義なんだけどな。


「冷静な対応していたのに、焦りが出て来ているな。図星だったか」

「違う! き、貴様が訳の分からない事を言うからだ!!」

「ふーん」

「教王猊下、お待ちを。直ぐにこれを破ります」


 外ではショットガンを持ってきた奴がいるな。


 パーンっ!! …………ピキっ!


 亀裂が走る。流石にショットガンじゃ闇防御魔法(ダーク・シールド)も持たないか。たぶんこの国で、最大火力の銃なのだろう。


「<水結界魔法(ウォーター・ドーム)>」


 ラキアは、水で出来たドーム状の結界を作り出す。


 パーンっ!! シュゥゥゥ~。


 気の抜けたような音を鳴らして、威力が減衰し、あっさり闇防御魔法(ダーク・シールド)に弾かれた。銃の弾丸は水に弱いから、威力が落ちる。だから、ラキアを連れて来たんだよな。

 というか二種類の魔法を同時展開とかエーコにも出来なかったのにすげぇな。

 まぁこの世界の理じゃそれも可能なのだろう。今のエーコならきっと出来ると思う。何気に俺もしていたし。前に風魔法で空を飛び風の魔法剣と、風魔法を同時展開した。


「さて、簡単には破られないだろうし。話し合いを続けるか」

「これを話し合いと呼べるか」


 吐き捨てるように言う。


「背信者とか意味不明な理由を作って、他国を攻めてる奴に言われたくないな」

「だから、貴様は何を言ってる? 私には何の事かさっぱり分からん」


 あくまで白を切るようだ。

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