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EP.02 反ラフラカ帝国組織に行きました

特に意味はないですが、1時間起きに更新


「アークス、まだ大丈夫だった。仕事取って来たぞ」

「アジトはどこだ?」

「『しの道』の先だと」


 文字通り『し』の形をした道だったな。


「面倒だな。六、七歳の時にあそこの北を通って帰ったけど見通しが良い上に動物が多い。今は、魔物に狂化され余計に面倒だ。まぁ苦労はしないが次から次へと来られるのは鬱陶しい」

「お前さん森の中でも確か方向感覚狂わないよな?」

「ああ。大丈夫だ」

「なら、この森を通っていけば、そこまで苦労しない」


 ダームエルが地図を起き、森を指差す。


挿絵(By みてみん)


「そうか。で、今回はダームエルの来るのか?」

「いや、情報収集の徹するよ。今回は反帝国組織はエルドリアに行くらしいからな。ラフラカ帝国の動向とか調べておく」

「わかった」

「今回は仕事が終わったらサーストックスかカルドリアで集合な」

「わかった」


 こうしてサバンナにある森まで馬を借りそれで向かう。馬は賢いから離すと元居た場所に戻るので買わなくて済むのは有難い。

 そうして、森を通り反帝国組織のアジトに向かった。


「……今回、雇われたダークだ」


 アジトと思われる場所にいた門番に声を掛ける。


「少々お待ちを」


 門番が中に入っていく。

 やがて、金髪金目のキザそうな俺より二、三歳上に見える男を連れて来た。


「やあ、こんにちわ。私が君の雇い主になるエドワード・フィックスさ」


 髪をフサ~。本当にキザいな。


《マジでキザいな。てか、ドラ〇もんのス●夫君ヘヤーだ。これもプレアブルキャラなんだよな。とりあえず鑑定っと》



 名前:エドワード=フィックス

 年齢:十四歳

 レベル:50

 クラス:マルチウエポン

 称号:反抗王子

 HP:5000

 MP:100

 力:700

 魔力:60

 体力:900

 俊敏:700

 スキル:ナイフ使いLv3、短剣使いLv2、剣使いLv5、小太刀使いLv1、小刀使いLv1、刀使いLv1、弓使いLv4、槍使いLv5、鈍器使いLv1、重機使いLv2、闘気Lv1

 エクストラスキル:毒耐性

 ユニークスキル:武器支配



《いや、一歳上だな。設定では二歳上だったが早生まれか? にしても称号の反抗王子って別の意味に聞こえるぞ》


 とりあえず跪くか。


「これはエドワード王子。お初に……」

「待った待った! 此処では仲間って事になるんだから、気軽に私の事はエドと気軽に呼んでおくれ」


 制止の声を掛けられたので俺は立ち上がる。


「……では改めて、ダークだ。よろしくエド」

「じゃあ中を案内するよ」


 エドに案内されアジトの中に入った。最初に向かった部屋は子供がたくさんいた。

 生まれたてから五歳くらいの子とさまざまだ。それを何人かで見てる。


 その中で一際目立つ少女がいた。

 歳は俺の五歳くらい下だろうか? 半分放心状態なような少し虚ろな目をしている。

 子供を見るのを嫌そうにやっているというより、何でこんな事をしてるんだろうっと言った感じだ。

 黄緑色の髪。水色の双眸は、一切人間味を感じさせない程の輝いてるだけに虚ろなのが、惜しい奴だな。


《これもプレアブルキャラだな。見た目が人間味が無くて、それがまた人気だったような……。まあとりあえず鑑定っと》



 名前:ルティナ=プランフォート

 年齢:十歳

 レベル:50

 クラス:魔法剣士

 称号:流されし者

 HP:3000

 MP:1500

 力:700

 魔力:1200

 体力:400

 俊敏:900

 スキル:剣使いv4、短剣使いLv2

 エクストラスキル:全中位魔法、麻痺耐性

 ユニークスキル:無し



《こっちは設定通り四歳下だな。って言うか、ステータス低くない? 他のプレイヤーと狩りをしていた時に、このキャラをプレイキャラにしてた奴が言っていたが、レベルはポンポン上がるがステータスは全然上がらないとか。大器晩成なのかね》


「此処の子供達はラフラカ帝国の被害にあって親を亡くした子供達だ」


 エドが説明し始めた。


「それで、此処にいるレディ……ルティナおいで」


 その呼び掛けで少し虚ろな目をした女がやって来た。

 それにしても女をレディと本人の前で呼ぶ奴は初めて見たな。


「……はい」


 なんか機械的に喋ってるというか抑揚がない喋り方だな


「彼女はルティナ。今回の作戦の要だ」

「……宜しく」


 抑揚(よくよう)の無く話し、軽く頭を下げる。


「……ダークだ」


 これが要? 少し、いやかなり訝しんだ。


「このレディはね、この去年までラフラカ帝国の操り人形にされていたんだ。お陰で、まだ感情表現ができない」

「……そうか」


 其処を訝しんだではないんだがな。


「詳しくは言えないが、レディには、それだけの利用価値があった。救出したは良いが、私達も感情が、まだ虚ろなレディに頼むのは酷だったが、今回の作戦に参加して貰った。ダーク、君の仕事の最優先は、こちらのレディを守る事だ」

「わかった」


 その内容は少し気になったが、俺には関係ない。守れと言うなら守るだけ。それが俺の仕事だ。


「じゃあ、そろそろ作戦会議だ。会議室に案内する。ギリギリのタイミングで仕事受けてくれて助かったよ、ダーク」


 そう言って俺の肩にポンっと手を起き、次の部屋に案内した。其処では指揮官らしき男が副官らいき男と打ち合わせをしている。


「ん? ……集まったな」


 指揮官らしき男が重々しく声を上げる。


「では、会議を始める。貴様が何でも屋のダークか?」


 最初に俺に振ってきた。


「……ああ」

「指揮官のガーリンソンだ。宜しく頼む」

「……宜しく」


 ちなみに先程から俺の口数を少なくしてるのはダームエルの入れ知恵だ。喋り方のクセからアークスとして対面した時にバレるかもしれないとか。念には念を入れてる奴だよなあいつは。


「では今回の作戦目的だが、エルドリアの炭鉱奥に、ルティナを無事送り届ける事だ」


 だいぶルティナを重要視してるな。


「彼女には、知っての通り精霊と交信する力がある。それにより、エルドリアにいると思われる精霊と対話を行う」


 ほー。精霊と交信か。魔法の契約というのは知識としてはあるが、あれは一方的に語りかけるものだ。

 魔法の力を借りられるが会話できないと言う。それをできるのか。

 人工魔導士を作ってるラフラカ帝国に取って、欲しい人材かもな。詳しくどう使うのか知らんが。

 ちなみに反帝国組織は精霊との対話により、味方にしてケフラカ帝国に対抗するらしい……。


「本来なら港町ニーベかチェンルから船でフィックス領行く所だが、サバンナで時間を取られるわけには行かない。あちらも動き出してるだろう。何より港封鎖とかされかねない。其処でフィックスの技術力で作った最新鋭の船で此処から出発。出発は明日なので、今日は良く休んでるように」


 指揮官がほぼ一歩的に喋って終わった。そして、今度は休める部屋に案内されたので、その日はそのまま其処で休んだ。

 次の日、反帝国軍が百人程、船に乗り込む。昨日の会議にあんないなかったけどな。まあ其処は俺の考える事ではないか。

 とりあえず到着まで自由にしてろと言われた。船の中は退屈だ。

 最新鋭で、馬より速いと言うが自分で走ってるわけではないから暇で仕方無い。まあそれでもこれでエルドリアまで一週間というのだから、それまでの辛抱だな。


 そして、夜中。俺は夜風に当たりたくて甲板に出た。其処にはルティナという女もいた。海を眺めてるようだ。


「貴方も風に当たりに?」


 抑揚のない声がする。振り返らずに話していたので誰に話してるのかわからなかった。

 精霊と交信できるというのだ。海に精霊がいるのかもな。


「……俺に言ってるのか?」


 念の為に聞いた。


「他にいるの?」


 俺だったか。こいつの気配察知能力は俺より上かもな。


《いや、そんなスキルなかったぞ。たぶん半分精霊って設定故のスキルとは、違った能力のだろう》


 俺は気配を消すのがクセになっている。だと言うに気付きやがった。


「……いや」

「ねぇ貴方は何でも屋をやってると聞いたけど、何の為?」


 何の為、だと? そんな事考えた事ないな。


「……生きるため」


 無難に言っておくか。まあ実際俺にはそれしかないからな。


「そう……私には何をしたいのかわからないわ。何の為に生きているかわからない」


 俺が知るかよ。と言うか人と話す時はこっち向けよ。


《ダークに激しく同意》


「……では、今回は何の為に引き受けた? 無理矢理やらされる事になったのか?」

「……わからない。ただ頼まれたから、やって見る事にしたの」


 言われたからやる。それじゃあラフラカ帝国にいた時の操り人形と同じだろ。


「……でも、何かが変わるかも知れないと思ったの」


 そうルティナは続ける。何だ。自分の意思があるじゃん。まあ感情表現がまだ上手くできないとか言ってたしな。


「その変わるかも知れないとか、自分がやりたいと思った事をすれば、今までとは違う景色が見えるかもな」


 俺もそうだ。ダームエルと組みたいと思ったから今がある。


「えっ!?」


 そこで彼女は振り返った。


《って、ダークがいなくなってる。コイツめっちゃ良い事を言うだけ言って去りやがって。格好付け過ぎだろ》


 それから六日が過ぎて船の旅は終わり。残りは、陸地での旅が一日。それでエルドリアに到着した。

 炭鉱都市で有名で、亜炭や石炭が取れる。しかし、帝国との戦闘になるかもしれないという事で今日は発掘は控えさせたそうだ。

 此処もフィックス領だけあり、エドの権力が届く。そして、鉱山に入って直ぐ前方から魔物の集団が現れた。直ぐに俺は小太刀を抜く。


「あれは敵ではない。協力者だ」


 エドが制止の手を挙げる。魔物が協力者……だと?


「るまるまるまー」


 何言ってるんだ? というかこの魔物に乗った魔物? シャドーウルフに乗った雪だるまか?


「エド、いらっしゃいルマー」


 な、に!? 魔物が喋った。しかも、その喋った雪だるまの魔物は、他の雪だるまより、上位個体のダークネスウルフに跨っている。


《此処でもプレアブルキャラか。唯一の魔物で、雪だるまとかまたギャグかよ、としか言えない魔物だ。まあ鑑定だな》



 名前:ユキ

 年齢:七歳

 レベル:50

 クラス:テイマー

 称号:ウルフテイマー

 HP:3500

 MP:900

 力:500

 魔力:1800

 体力:400

 俊敏:500

 スキル:槍使いLv6

 エクストラスキル:痛覚鈍化

 ユニークスキル:極寒吹雪、魔物使役



《ステータスは、あまり高くないがユニークスキルが二つあるので、強いのか弱いのかイマイチわからんな》


「やあユキ。こんにちわ」


 エドが挨拶をし、俺の方を見る。


「彼は雪だるまのユキ。雪だるま一族で唯一人間語が喋れる」


 そんな魔物もいるのか。


「じゃあ奥に案内するルマー」


 そう言って、雪だるま達に先導される。しかし、途中で後ろが騒がしくなる。


「ルマルマルマルマルマーーっ!!」


 後ろから来た雪だるまが何か言ってるが……、


「何だってルマー! 大変だルマ! ラフラカ帝国が来たルマーっ!!」


 ユキとやらが通訳してくれたので、内容が理解できた。


「何だと? ユキ、この先に開けた場所はあるか? 大人数が戦えそうな空間だ」


 指揮官が慌ててユキに詰め寄る。


「あるルマー。この先は一旦外に出るルマ。其処なら戦えるルマー。ユキ達も戦うルマーっ!!」


 魔物と一緒に戦うのか。これはまた変わった展開だな。


「宜しく頼む」


 指揮官が重々しく答えた。


「ダーク、此処から私は顔を隠す。立場的にまだバレるわけには行かないからね」


 そう言って、エドは色眼鏡をかけた。


 …。

 ……。

 ………。

 …………。

 ……………。

 …………………。


 キザっ!! 何処までもキザだな。


《奇をてらっているとしか思えないぞ》

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