表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/563

EP.20 秘密を打ち明けました

エピソード20でキリが良いので、ここでこの章を終わらせようと思います

なので、少し長いです

 ナターシャちゃん何で来ちゃったんだよ? わーわーどうしようどうしよう。

 コミュ症の俺はいつか素が出て嫌われるのを恐れて引き離したのに……。


 ジタバタ……。


 客間のベッドに飛び込みバタバタ暴れてしまう。

 しかも、ナターシャちゃんの前で怒鳴っちゃったよ。それに此処からたぶん俺の戦いだ。ナターシャちゃんだけは巻き込んだらダメだ。


 ジタバタ……。


 ってこれ言い訳か。

 俺はあんな可愛い娘に拒否られるのが怖いだけの臆病者なだけなんだ。俺を追い掛けて来てくれたのは嬉しいけどさっきので完全に嫌われたな。


 ジタバタ……。


 それにナターシャちゃんはプリズンなんだ。俺がダークである以上、近付いちゃいけない。

 あ、いやこれも言い訳か。ダークがナターシャちゃんに何をしたか知られたら嫌われる。

 俺はコミュ症で臆病なだけだ。だからこそ、どうしようどうしよう。マジでどうしよう。


 コンコンっ! と、その時ノックの音が聞こえた。


「……誰だ」


 ベッドでジタバタしてるけど暗殺者ロールプレイは確りしないとな。


「……あたい」


 げっ! ナターシャちゃん。つい確り座り直した。


「……帰れ」


 うわー。俺も何言ってるんだろ? 最悪だ。自分が嫌になる。


「嫌さぁ。入るよ」


 えっ!? 今日のナターシャちゃん何なの? あれだけ酷い事言ってるのに?

 これは引導を渡す気か? 面と向かってお前ウザいとか言うのか? 泣けてくるな。


 ガチャ! って、入って来たよ。俺も何で鍵を掛けなかったんだぁぁぁぁぁ!!!!!

 とりあえず顔合わせたくない。そっぽ向いておこう。


「隣座るさぁ」

「………」


 座らないでーーーーーっ!!

 俺の心の絶叫なんてお構い無しにナターシャちゃんが隣に座る。しかも、ピッタリくっついて。

 体温が伝わる。しかも柔らけ~~!! それに相変わらずええ匂いやな~。

 こんなくっつかれたら童貞の俺は興奮しちゃうよ? って言うか半覚醒して来た。


「……アーク」

「……何で来た?」

「あたいは、やっぱりあんたが好きだからさぁ」


 後ろから抱き着かれた。うほ~~。再びあのお山の感覚が背中に……。

 しかも前も思ったけどナターシャちゃんの胸って大きいんだよな。Fカップくらいかな?

 ヤバい! ビックマグナムがこんにちわしだした。処理したいから出て行ってくれないかな?


「……それは幻想だ」


 うわ! うわ! マジうわ! なんか中二発言しちゃったよ。


「あんたが殺し屋って事かい?」

「……そうだ」


 うん、そういう事にしておこう。

 俺は君と向き合う勇気はない。所詮引き籠りのコミュ症なゲーマーなんだから。


「でも、殺しが好きなわけではないでしょう?」

「気に入ってるぞ」


 魔物を倒し無双するの最高ですが何か?


「それはウソ」

「……何故そう思う?」

「だってあんた優しいじゃん」


 はい? 何の話?


「……俺が? おかしな事を言う」

「あたいが調合中に寝ちゃったりした時に毛布掛けてくれたり、私が疲れ切ってる時は家の事してくれたじゃない」


 いや、それと暗殺者は関係無くない?


「……殺し屋だってそのくらいしてもおかしくないだろ?」

「それにあたいに手を一切出さなかった……ってこれは己惚れか。あたいに魅力が無かっただけなのかもね」


 いや、そんな根性なかっただけですが? 毎日欲情しそうになってましたが何か?


「抱えてベッドに運ぶと理性が飛びそうだったから、毛布を掛けるだけにしただけだ」


 それに君は、プリズンだったから絶対そうしちゃいけないと思ったし。

 って言うか、俺も何を暴露してるんだーー!!


「それは嬉しいねぇ。飛ばしても良かったさぁ。あ、でも、できれば寝込みは止めて欲しいかねぇ。ちゃんと起こしてくれれば、あたいは構わなかったさぁ」


 構わないんかい!? って言うか俺は構うんだよ!!


「……ともかく帰れ! いずれにしろ今の俺には、その気はない」


 早く覚醒したビックマグナムを吠えさせたいから、マジで帰っておくれ。


「聞いたさぁ。魔法が復活した事。これから大きな戦いになるかもしれないって。あんたはあたいを遠ざけてるの? だから、その気がないのかい?」

「……ああ」


 それでも良いや。本当はただ怖いだけなんだけどね。ごめんねナターシャちゃん。


「……本当の事は何一つ言ってくれないんだね」

「……何故そう思う」


 確かに言ってないけど。と言うか、都合良く変な解釈されるから、それに乗かってるだけだけど。


「だって一年……いや、アークが目覚めてから半年ずっと一緒にいたんだよ。なんとなくわかるさぁ」


 わかっちゃうの?


「……だから、それは幻想だ」


 うわ! もう俺も何言っちゃってるの? ダメだ。

 ただ怖いだけなのに、どう言えば良いのかわからん。


「またそれ? お願いだからちゃんと言って。あたいに魅力が無いならそれでも良いさぁ。ちゃんとこっちを向いて言って欲しいさぁ」

「……お前は必ず俺から離れる」

「殺し屋だから?」

「……そうだ」


 うんん? なんか話が戻ってるぞ?


「またそれ? 殺し屋をしたければすれば良いさぁ。あたいはもうそんな事気にしないさぁ。もしどうしても嫌なら無理矢理辞めさせるだけだよ」


 え~~。マジで言ってんの? 何だろ? ナターシャちゃんが全然わからん。

 コミュ症の俺じゃまともに会話ができない。


「……それでも離れる」

「お願いさぁ。こっちを向いて、ちゃんと話して。アークは何を抱えてるんだい?」


 いや、そっち向いたらテント張ってるのバレちゃうし簡便してくれよ~~。


「……幻想だからだ」

「何が幻想なの?」

「お前が惚れたダークと言うのは幻想だ! 忘れろ」

「あたいが、惚れたのはアークさぁ」


 どうしよう。マジでどうしよう。上手く話せない。


「……お前がプリズン家である以上、関わるべきじゃない」


 もう良いや。どうせ嫌われるだろうし、いっそこっちからぶちまけてやろう。あ~あ。マジでどうでも良くなって来たな。


「どう言う事だい?」

「……お前には、婚約者がいるだろう?」


 もう投げやりだ~~~!!


「何で、アークがそれを知っているんだい? まぁ知っていても構わないさぁ。もう昔の話さぁ」


 何か自嘲気味に語ってるな。まあわかるけど。その一端を俺は知っている。


「もしかして、アークはそれを気にしてるのかい? あたいに他の男の影があると? 確かに昔は彼が好きだったさぁ。だけど、あたいは失敗した。だから今度は、ちゃんと捕まえて置きたくて来たのさぁ」

「……お前の婚約者を町から追い出した事に、俺が関わってると知ってもか?」

「どう言う事だい?」


 ナターシャの声に怒気が孕む。そして、頭を掴まれ無理矢理振り向かされる。

 まあ投げやりになった瞬間からテントが萎んでるから見られても問題ないけど。

 でも、怖い! 桃色の双眸で睨まれる。


「三日連続で人死にが出たが、あれをやったのは俺だ」

「……何で?」


 桃色の瞳が揺れる。あー終わったな。完全に嫌われたな。でも、もう良いや。このまま突き放そう。


「そう言う依頼だった。これでも俺に惚れているなんて幻想を抱けるか?」


 ほれ、もう一層、その幻想をぶち殺すなんて、どっかのイマジンさんのような事を言って切り捨ててくれ。


「……あたいが惚れたのはアークさぁ。ダークでも幻想なんかでもないさぁ」


 の、割には視線が泳いでるよ?


「いずれにしろ関わるべきではない」

「それだけかい?」

「え?」


 は? またナターシャちゃんの目に力が入ったぞ。何でこんなに食い付くんだ? マジでわかんねぇ~。


「アークがあたいを遠ざけよとするのはそれだけかい?」

「……いずれお前は、俺から離れるようになる」


 結局俺は臆病なだけ。だから引き籠りなんてしてたんだし。


「そうなるなら、最初から追い掛けて来ないさぁ。ちゃんと全部話しておくれ」

「……ある馬鹿な男の話をしよう。聞くか?」

「ええ、喜んで」


 喜んでなの? 

 は~。黒歴史も語る事になるのか。俺ってどんどん自分の首を絞めているな。コミュ症だから、何て言えば良いのかマジわかんないからな~。


「馬鹿な男には友がいた……」


 学校のクラスでの他愛もない虐めだ。ダチは誹謗中傷を受けた。俺をそれを真に受けた。

 だけど俺が、もしもっとコミュニケーション能力があればじっくりダチと話せて誤解だとわかった。だけど上手く話せなくて最終的に裏切った馬鹿な男だ。


「それで、その馬鹿な男はどうなったんだい?」

「家に閉じ籠り人と話す能力が元々悪かったに、更に損なわれ腐って行った」

「それとアークはどう関係あるんだい?」

「馬鹿な男はずっと見ていた。ダークが苦しみ、藻掻き、止む得ず暗殺者になるしかなかった。そして、ラフラカを倒した後、彼は自分の罪悪に耐えかね死を選んだ事を。そして、気付いたら馬鹿な男は、傷だらけのボロボロなダークになっていた」

「……何言ってるの?」


 ナターシャちゃんが呆れ顔で見て来た。

 そうなるよね。でも、異世界転移とか言われても信じないだろうな。


「……信じたくなければそれで良い。話は終わりだ。帰れ」


 何で俺はこんな事しか言えないんだろ。


「もっとわかりやすく話しておくれよ」

「俺は異世界転移した」

「えっ!?」


 つい話してしまった。エドの言葉もあり、気が緩んでいたのかも。頭イッちゃってる人だと思われたな。まあそれでも良いか。もう投げやりになってるし。


「俺は死んでしまったダークの体を間借りしてる馬鹿な男って事さ。どうだ? こんな可笑しな話をする奴だぞ? 離れたくなるだろ?」

「……アーク」


 じーっと、俺の顔を見詰められる。

 これはアレか? ビンタされてサイテーとか言われるのかな? 投げやりになったとは言え、それが現実となると哀しくなるな。


「ちゅ!」


 えっ!? 今何した? キスされなかった?

 初めてのチュー、君とチュー。

 って、どっかのアニメソングが脳内で流れているんですけど……。


「可笑しな話をしていてもあたいの気持ちは変わらないよ」

「ナターシャちゃん」

「ちゃん?」


 やべ!


「素が出ちまった」

「それが馬鹿な男の素かい?」

「うん」

「つまりアークはダークを演じてたわけね」

「うん。まあ」

「あはははははは……」


 大笑いされた。俺のガラスハートにヒビが入ったよ。


「これで合点が行ったってもんさぁ」


 何の話だ?


「途中からおかしいって思っていたさぁ。クールを気取ってるようにしか見えなくて。何でこんな無理に無口な喋り方をしてるんだろうと思ってたさぁ」

「……見破られてた……だと?」


 俺の完璧な暗殺者ロールプレイが……。

  俺の完璧な暗殺者ロールプレイが……。

   俺の完璧な暗殺者ロールプレイが……。

    俺の完璧な暗殺者ロールプレイが……。

     俺の完璧な暗殺者ロールプレイが……。

 大事な事だ六度言おう俺の完璧な暗殺者ロールプレイが……。


「やっぱりあたいが惚れたのはアークで間違いないさぁ。ダークじゃない」

「えっ!?」

「だって、あんたはダークが死んでから、その体使ってるんでしょう?」

「信じるのか?」

「合点が行ったって言ってるでしょう」

「でも俺は……」

「離れないから! もう二度と離さないから。もう間違わないから!!」


 何その殺し文句? 真剣な目付きで何言ってくれちゃってるの?

 ヤバい。またビッグマグナムが覚醒しそう。


「それにアークは、知ってるようだけどあたいも昔、裏切った事があるんのさぁ。だからあんなとこで一人で暮らしして、引き籠ってたのさぁ」


 マジか。それが理由で、あんなとこに住んでいたのか。でも、俺よりあきらかにコミュニケーション能力高いぞ。


「きっと離れて行く」


 それが俺は怖い。


「しつこいよ」

「コミュ症だからな」

「なら約束するさぁ。あんたのそのコミュ症で気に入らないかったら絶対矯正してやるさぁ。それを理由で離れたりしない」

「男前過ぎるぞナターシャちゃ……ナターシャ」

「もうちゃんでも何でも付けな。それより……」


 なんかまた眉が吊り上がる。怖い怖い。何? 今度は何?


「あんたは、さっきあたいの元婚約者が町を出て行ったのに関わっていると言ったねぇ?」

「ああ」


 ペッシーンっ!


 ビンタされた。


「え?」

「早速矯正! それをやったのはダークでしょう? あんたは、それを見ていただけ。嘘を付くんじゃないさぁ」

「ごめんなさい」


 有言実行ですか。早速ですか。そうですかそうですか。それでも……、


「例え矯正されても、いずれ君は俺から離れて行く。俺はそれが怖い」


 もういろいろ暴露してしまったし本音を出してしまった。そう俺は臆病なだけだ。


「またあたいからさせるのかい? あたいだって恥ずかしいんだからね」


 ナターシャちゃん目を瞑り唇を突き出す。えっとこれして良いんだよね? マジで?


「……ちゅ!」


 触れるだけのキス。


「もっと豪快にできないのかい?」

「無茶言うな。それに女がそれ言っちゃダメだろ?」

「それもそうさねぇ。ふふふ……」


 ナターシャちゃんが微笑む。見惚れてしまう。マジでナターシャちゃんって可愛いよな。いや、綺麗系だけど。俺より歳が上だしな。ああ、俺の中身の年齢よりだな。

 それでも、エーコちゃんの次に可愛いと思ってしまう。って、それじゃあ俺ロリコンじゃねぇかっ! 断じて違うぞ!!


「それとアーク。ダークの半生を見て来たって言ったけど人の不幸を楽しんでいたのかい?」


 え!? 何かまた変な誤解されている。目が怖い。


「えっとあっと……アレだ。ナターシャちゃんが愛読している薬嬢物語ってあるだろ?」


 慌てたが良い例があった。

 ナターシャちゃんの家にあったし、少し読ませて貰った。

 内容は、薬師の女が薬で様々な人々を助けて行くって話から始まるのだが、感謝されるのは最初だけだったんだよな。

 段々異端だの魔女だの言われて命からがら逃げる。そして、それでも人々を助けたい主人公は、逃げながら様々な町で薬を配るって話だったな。最後まで読んでないから最終的にどうなるか知らんけど。


「それが?」

「例えばあれが現実にある別の世界の話だったとして、それを誰が予想する?」

「つまり、あんたに取ってダークの半生は物語の一つに過ぎないって言うのかい?」

「そうだ。家に引き籠った俺があくまで娯楽の一つでダークの物語を楽しんだだけだ。まさか、それが現実にある世界とは知らずにな」

「そうかい」


 良かった~。納得して貰えた~。マジ今度こそ死ぬかと思った。冷や汗ものだったけどな、AIア〇さんよ。


「ところでさアーク。あんたの本当の名はなんて言うんだい?」

「えっ!? ……アークス=アローラ」

「アークス? あら、あたいが付けた名前に似てるねぇ」

「言ったろ? 昔そんな名で呼ばれた事もあったなって」

「そうだったね。あれ? アローラって……」

「ああ、エーコちゃんはダークの娘だな。本人は知らないけどな」


 そうエーコちゃんは設定上のダークの娘。本人は知らないけどラゴスは知っている。


「それはダークの本当の名でしょう? あたいは、アーク(・・・)の本当の名を聞いてるのさぁ」


 ややこしいな。


「治。治=高梨」


 久々に名乗るなこの名前。


「変わった名だねぇ」

「言ったろ? 異世界転移したって。此処とは別の世界では、それが一般的な名だよ」

「そうなのかい。じゃあ今だけオサムって呼ぶさぁ」

「何か照れるな」

「あたいも同じだよ。ちゃん付けされて」


 顔が熱くなるのを感じる。


「今だけちゃん付けでも良いさぁ。あたいもオサムって呼ぶから」

「わかった」

「オサム……」


 また目を瞑り口を突き出してくる。


「ちゅ!」


 触れるだけのキス。


「クチュ!」


 お返しされた。しかも、舌が入って来た。頭がフワっとする。ダメだ。これ以上したら理性がゲシュタルト崩壊する。

 俺は手で押し返した。


「っ!?」


 手に柔らかい感触が……。

 こ、こここここ、これは、おおおおおおっぱい!?


「あわわ……ごめん」

「何で謝るんだい? あたいは好きだって言ったさぁ」

「ダメだよ」

「やっぱあたいじゃ魅力ない?」

「いや、ナターシャちゃんは可愛いよ。でも、ナターシャちゃんには悪いけど俺の中にある感情はそれだけだ」


 可愛いとは思うけど恋愛感情まではない。


「ほらえっとえっと、このままだとただ体だけを貪っちゃうよ。嫌でしょうそれは?」


 俺も何言ってるんだろ? 童貞卒業の最大チャンスなんだから嘘でも好きとか言えよ! このヘタレがぁぁぁぁぁぁっ!!!!


「良いよそれで。いつか振り向かせてやる」


 やっぱ男前過ぎるよナターシャちゃん。その言葉で俺の理性が崩壊した。


「ナターシャちゃん……」


 押し倒しました。そして、双山をニギニギしてしまう。


「ちょっとがっつき過ぎ」

「童貞舐めるな」

「開き直り過ぎ……もう」


 ナターシャちゃんが上になった。三度(みたび)言おう。やっぱりナターシャちゃん男前過ぎます


「今日はあたいからするから。オサムからはまた今度ねぇ。正直痛かった」

「ごめん」

「言っておくけど、あたいも初めてなんだからねぇ」


 ナターシャちゃんが、顔を赤らめてそう言う。

 初めて顔を赤くしてるの見たな。てか、マジか。処女だったのか。

 それはそれとして、俺は童貞を卒業した……。


 グッモーニン、エブリワン!!

 昨日は最高のピンクタイムでした。ナターシャちゃんめっちゃ可愛かった。気付いたら元気良過ぎだって呆れられました。

 いや、だって初めてだと言うのに痛がったの最初だけなんだよ? そりゃ何度もしたくなるってのが男ってもんっしょ。


「あ、おはよう。アー、いや、オサム」


 うわ。隣に裸の女の子がいますよ。朝っぱらから元気になってしまいますよ。


「………」

「どうしたんだい?」


 再びビックマグナムが覚醒して我慢しておりますなんて言えません。

 だけど黙っていたら握られた。


「はふ~」


 やば! 変な声出た。


「昨日あれだけしたのに満足しなかったのかい?」

「昨日は昨日で良かったけど、朝起きたら隣に可愛い女の子がいればこうなりますとも」

「あら嬉しい事言ってくれるねぇ……ちゅ!」


 またキスされた。ダメだ。抑えらえない。


「ちょっと!」


 気付いたらお山を触っていた。


「も~しょうがないねぇ。一回だけだよ? あたいが朝弱いの知ってるでしょう? それにまだ痛いさぁ。初めてだって言ったのにオサムが何度もがっつくから……」


 はい、バッチリ三回しましたとも。初めてと思えない程にナターシャちゃんが可愛いから悪い! 断じて俺は悪くない。うわ! 俺も責任逃れとか最低だな。


「一回だけって言ったのに……あまり酷いと離れるよ?」

「………」


 めっちゃ睨まれた。あの桃色の双眸に睨まれると怖いんだよな。


「冗談さぁ。あんたほんとに人に慣れていないんだねぁ」

「ごめんね。ナターシャちゃん」

「良いさぁ。気持ちは無くても求めてくれるのは嬉しいさぁ」


 本当にそれで良いのかな? 少しは抑えないとな。

 あの快感を覚えたからってやり過ぎは良くないよな。


「ところでオサム。昨日言い忘れたんだけど」

「何?」

「ルティナが南から精霊の強い気配を感じるって」

「流石は親が精霊……やば! あまりこれ言ったらまずいね。聞かなかった事にして」

「大丈夫さぁ。昨日それも聞いたさぁ」


 ふむ。皆から色々聞いたのか。


「それで、地図確認したら南の島にある昔とある貴族が使ってた屋敷が怪しいってなって、そこに当たりを付けたさぁ」

「船出てないだろ?」

「ラゴスのお爺ちゃんが、此処に来る前に誰だったかな? 飛行船を持ってる人……」

「ストラトスか?」

「そう……その人に会ったんだって。それで飛行船を蘇らせてこっちに合流するってさぁ」


 飛行船……ファルコンを蘇らせるのか。

 ストラトスの友人が開発したもので、友人の死後、その墓に一緒に眠らせたんだったな。

 その友人はラフラカに殺されたんだったかな? 飛行船を所有してて邪魔とか言う理由で。

 だから、ストラトスは、ラフラカ関係でしか絶対にファルコンを蘇らせない。

 事実ラフラカ決戦の時だけ蘇らせた。たぶん、決戦後に再び眠らせたんだろうな。


「そうかファルコンをか」

「だから、皆それ待ちさぁ」

「状況はわかった」

「それまで時間あるし、アークの話を聞かせてくれるかい?」


 うん? アーク? オサムじゃなくて?


「俺の話?」

「ややこしいねぇ。ダークの話だね」


 それ昨日、俺も思いましたとも。


「ダーク?」

「オサムの話も聞きたいけど、今のその体はダークなんでしょう? その半生を聞きたいねぇ」

「良いですとも」


 って、どっかのベーザさんみたいな事を言ってしまった。


 さて、これから始まるのはダークの物語。相棒を見殺しにし、妻を看取らず、娘を捨てた。

 罪悪に生きてきた男が唯一歩めたのは暗殺という修羅の道があったからこそ。そんな男の物語……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ