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EP.03 エーコたんを堪能しました

ブクマありがとうございます




 俺達は、王都メルーシの書庫に数日籠り本を読み耽っていた。

 そんなある日、セイラが帰りたいと言い出す。


「ん? 突然どうした?」

「いや~旅立つのが急だったじゃん。だから、荷物置きっぱなしなんだよね~。それに家も引き払わないと~」


 なるほどな。いつまでも留守の家を借りていてもお金の無駄だしな。荷物も持って行きたいか。


「なら、ナターシャは護衛で着いて行ってくれ」

「分かったさぁ」

「それと荷物は収納魔道具(ストレージカード)に入れてくれ」


 そう言って収納魔道具(ストレージカード)を渡す。

 収納魔道具(ストレージカード)とは、収納魔法(ストレージ)と同じよう感じで、物を収納できる魔道具(アーティファクト)だ。大きさは、地球で言う運転免許証の二倍くらい。

 バリストン様から、せっかく貰ったのだ。有効活用しよう。


「どうしてだい? あたいの魔法に入れれば良いんじゃないかい?」

「セイラの荷物だ。セイラが管理するべきだろ?」

「分かったさぁ」

「それと。皆、今後の予定だけどルナリーナ南部大陸に行きたいと思う」

「未開の地かい?」

「そうだ」


 ナターシャに問われ即答した。此処数日で過去の魔王との戦いで未開の地の事で、興味深い事が書かれていたからだ。


「具体的何処の国に行くのー?」

「ウルールカ女王国から船が出ているのはスイースレン公国とダンダレス帝国なんだが、港町が王都から近く、更に船旅が短いのはスイースレン公国の方だ。よってスイースレン公国を目指す」

「それで良いさぁ」

「わたしもー」

「反対はしないよ」

「私も良いと思うよ~」

「あ、残念ながらセイラは、来なくて良い」

「何でよ~!?」


 セイラが眉が吊り上がる。


「いや、仕事。まあ当てが外れたら来て貰うけど」

「あ~、そう言えば。良い仕事頼むよ~」


 おい! 忘れてたのかよ。


「でだ、港町ルカ、港町スイの情報を集めるのとセイラの仕事の件で、明日西にあるダレスの町に向かおうと思う。そこでエーコだけ着いて来てくれ」

「良いよー」

「あたい達は、どうするんだい?」

「俺にお金を貢げばOK」

「ヒモじゃないのよ!?」


 沙耶から鋭いツッコミが来ました。ハリセン持たせたくなる。


「何でよ!?」


 あ、口に出てた?


「いや、お金の管理してるのナターシャだよ? でだ、セイラの職場を作るかもしれないから結構な額頂戴。ああ勿論、セイラの仕事が上手く行けば、俺に金がガッポリ周るように手続きする予定だから」

「ギャンブラーの言い分じゃないのよ!?」


 沙耶が目を剥く。あ、そうかも?


「分かったさぁ」

「じゃあ沙耶は、このまま本の閲覧と、あとは王都メルーシの観光でもしててくれれば良いから。ナターシャもセイラと戻って来てからは沙耶と同じで。セイラは二人の手伝い」

「あのさ~。私の仕事だよね~? 私が見ていなくて良いの~?」

「サプライズにしたいし」

「もう半分サプライズじゃないよ~!?」


 セイラも目を剥く。あ、そうかも? その2。何せ何処で仕事の準備をするか話してしまったしな。


「それとスイースレン公国に入ったら俺は(・・)、未開の地に行くな」

「『俺は』ってどう言う事だい?」


 俺の言い回しが引っかかったのかナターシャがそう問うて来た。


「今回の件で思ったんだが、王族とか上層部とコネを持っていた方が後々上手く行くじゃないかって」

「そうだねぇ」

「だから、この世界に来て最初に言った通り、そろそろ別れて探索する頃合いかなって」

「なるほどねぇ」

「なので、状況的にどうなるか分からないけど、俺は未開の地に行くのは確定で、他のメンバーは、手が空いていれば俺に着いてる来る感じかな」

「分かったさぁ」

「分かったー」

「分かったよ」


 全員頷いてくれた。


「じゃあ、あたいはセイラと一旦サイールの町に戻るさぁ」


 そう言ってナターシャとセイラは、書庫から出て行った。


「沙耶、絵心あるか?」

「普通よ? でも、何でそんな事を聞くのよ?」

「セイラがいなくて丁度良いからな。これ」


 そう言って俺の描いた落書きを渡した。


「何よ? これ」

「俺、絵心ないからな。これ見て描き直してくれると助かる」

「分かったよ」


 渋々了承してくれて、沙耶が俺が描いたのを描き直し始めてくれた。

 結果上手い。上手過ぎる。


「何処が普通だ?」

「何よ?」

「上手過ぎだろ?」

「え? そんな事ないよ」


 頬染めそっぽ向く。何だ? 照れてるのか?


「沙耶って字も上手いよな」

「何なのよ? 急に褒め称えて。習い事が多かっただけよ」


 増々顔を赤くしちゃってさ。


「可愛いとこあるじゃん。胸も可愛いしな」

「煩いよ! それ小さいって意味じゃないのよっ!」


 あ、違う意味で赤くなっちゃった。


挿絵(By みてみん)


 そんな訳で、次の日の朝、出発し夕方にはダレスの町に到着した。

 ちなみに早馬で、それくらいの時間が掛かり、馬車だと急いでも夜になるような距離なのに徒歩で、その距離を踏破してやったぜ。

 エーコを抱えて猛ダッシュ。今回は急いでないし魔法は使用していない。

 エーコたんの体を堪能したぜ。ハァハァ……。


「気持ち悪いよー」


 何か聞こえた気がしたがスルー。

 その日は宿を探し夜まで、まったり。夜はエーコと同じベッドに入る。


「何で同じベッドに入るのー?」

「え!? 一緒に寝るからだけど?」

「何で一緒に寝るのー?」

「寝たいからだけど?」

「は~~~。……ロリコンー」


 溜息を付かれボソっと言われた。アレのせいでロリコンとかめっちゃ不名誉にしか思えない……そもそも不名誉でしかないのに余計にだ。しかし俺は……、


「エーコたん専用ロリコンならOKだ」

「わたしは良くないよー」

「久々に一緒に寝ようぜ」

「いつもナターシャお姉ちゃんを入れて三人でしょー?」

「こんな小っちゃくて可愛くなったエーコと寝ないと言う選択肢はあるの? いやない!」


 断言できる! 何故なら十四歳でも十分プリティーなエーコが八歳に若返ったんだ。可愛さに磨きが掛かるのは当然。


「意味が分からないよー」

「ともかく一緒に寝たい」

「は~~。分かったよー。でも、恥ずかしいんだからねー」


 顔を赤くし了承してくれた。よっしゃー!!! このまま抱き着いて寝るぜ。


「何でくっ付くのー?」

「エーコたん、クンカクンカ」

「聞いてー!! 匂いも嗅がないでー」


 更に顔を赤くして可愛いのー。


「エーコが可愛くて、良い匂いなのが悪い」

「ロリコンー!!」

「エーコたん専用ロリコンです」

「開き直るなー。ナターシャお姉ちゃん言い付けるよー」

「良いよー。それで今日こうしてー、寝れるならビンタの百発くらい安いものだよー」

「わたしの真似しないでー。は~~~~~~~~~。分かったよー。あまり強く抱き着かないでねー」


 めっちゃデカい溜息を付かれたけどお許しが出たので、エーコを抱っこして寝た。

 久々に超快眠で、次の日起きた。


「エーコのお陰で超快眠だったぞ」

「……わたしは、寝れなかったよー」


 肩を落としながらボソっと呟かれた。


「愛するアークに抱き着かれて興奮してたんですね。分かります」

「そんな訳ないでしょー!?」


 エーコが、目を剥き叫ぶ。あちゃ、ちょっと怒らせちゃったか。


「興奮はしてなくても多少は嬉しかったんだよね?」

「そ、そんな事ないよー」


 顔赤いぞ。


「エーコは俺が大好きだしね」

「またそのネター? もう良いよー。それより出掛けるよー」

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