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アサシンズ・トランジション ~引き篭りが異世界を渡り歩く事になりました~  作者: ユウキ
第十一章 ウルールカ女王国の第一王女
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EP.20 ロリコン野郎の相手は億劫でした

 ロリコン野郎を追い掛け、追い付いたので、風魔法で飛翔力を上げつつロリコン野郎が乗っているワイバーンの上に乗った。


「こんにちわ。アークです」


 またまた骨騎士のような挨拶をする。


「クソ!」


 流石は職業軽業師だけはあるな。悪態を付いた瞬間には他のワイバーンに乗り移った。

 俺は、今乗っているワイバーンを踏み台にロリコン野郎が乗り移ったワイバーンに乗り移る。踏み台と言うか、闘気を籠め蹴ってる訳で、当然そのワイバーンは落ちる。


「クソ!」


 しかし、直ぐに次のに乗り移る。危険察知のスキルレベルが中位まであったし、俺が迫ってるのが直ぐ分かるのかね。俺も一応持ってるがレベル低いし、今まで効果を実感した事はない。

 ともかく同じように今のワイバーンを闘気を籠めて踏み抜き追い掛ける。


「お前のようなバケモンがいるなら、僕が呼ばれる必要なかっただろ!?」


 叫びながら次に移る。俺も踏み抜き次に移る。


「僕()だろ? ケンや静や眼也は、お前のようなクソ虫じゃなかったぞ」


 移る際に空中でそう返してやる。


「煩い! 他の奴と一緒にするな。僕のスキルはチート級なんだ」

「は? 何処が?」

「ともかくお前がいれば魔王なんて簡単に倒せるだろ?」

「何で魔王を倒す必要があるんだ?」


 ってまあ会話を続けているが、空中で追い掛けっこしながらだ。

 しかも、俺は闘気でワイバーンを踏み抜いて飛び移ってるので、次々にワイバーンが落ち、乗り移れる数が減って行ってる。


「何でって、この世界の脅威なんだろ?」

「だから何で、俺がそれを倒さないといけないんだ?」

「話の分からない奴だな!!」

「その役目があるのは、お前らだろ?」

「僕じゃなくてもバケモノが倒せば良いだろ!? 僕は女と楽しみたいんだ!!」


 女は女でも幼女だろ? ロリコン君。


「俺も転移者でね。呼ばれた理由は魔王討伐じゃないんだよ?」

「は?」

「だから、俺の目的は魔王じゃないって言ってるんだよ」

「お前も転移者か?」

「そうだと言ってるだろ?」

「だからチート級のバケモノなのか?」

「それは関係無い。お前が雑魚なだけ」


 って、俺はいきなりダークの体を使い出したからチートっちゃチートだな。だけど使いこなすのは苦労した。


「煩い! ともかく同じ転移者通しだ。見逃してくれ」

「は? 馬鹿なの? あ~ロリコンだったな」

「ロリコン言うな! 十五歳以上から女は腐って行くババァってだけだ」


 それをロリコンって言うんだよ。てか、せめて衰えて行くって言えよ。尤も衰え出すのは二十五辺りからだったような……まあどうでも良いけど。


「おいロリコン、ところでいつまで追い駆けっこするの?」

「ロリコン言うなって言ってるだろ!? お前が追わなくなるまでだよ!!」

「じゃあそろそろだな。もうワイバーンは、ほとんどいないし」


 散々空中でお喋りしながら蹴り落としていたし


「飛竜だろ!? って、何で数減ってるんだよ!!」


 え? 飛竜? 何言ってるんだ?


「逃げる事ばかりで周りが見えていない。俺がさっきから蹴り落としてるっつーのっ!!」


 はい。また一匹落ちました。


「クソ! どこまでバケモノなんだ!?」

「さっきからバケモノバケモノうるせーよ! ロリコン」

「お前こそロリコン言うな! 大体幼いうちに食ってやってるんだ! 女は食われてなんぼだろ!?」

「うぅわ! うぅわ! 三度(みたび)言おう。うぅわ!! ドン引きだよっ!!!」

「煩い! 趣味は人それぞれだろ!! お前こそあのアジトに連れて来たババァなんかを相手してるんだろ!?」


 カッチーンっ!! 


 今、ナターシャをババァと言いましたね。ナターシャをババァって言って良いのは俺だけだクソが!! このロリコン野郎マシでぶっ潰す。


「何だ!? 僕の危険察知の警報が跳ね上がった」


 正解!!


「<ライト・ファング>、<レフト・ファング>、<スラッシュ・ファング>、<スラッシュ・ファング>」


 ライト・ファングは右手の小刀を右上から左下に振り下ろす闘気剣、レフト・ファングは左手の小刀を左上から右下に振り下ろす闘気剣。そして振り下ろした小刀を逆手に持ち替えつつ、クロスしてしまった手を広げ……そして、振り上げるスラッシュ・ファングを右と左で二連発。


「<ライト・ファング>、<レフト・ファング>、<スラッシュ・ファング>、<スラッシュ・ファング>」


 振り上げたのを再び順手に持ち替えつつクロスした手を広げ同じ事を行う。

 本当は闘気を節約し、さっさと戻ってエーコの手伝いをしようと思って、お喋りしながらワイバーンを踏み抜いていたのだけど、俺が踏み抜くとこをロリコン野郎が踏み抜きやがった。俺の地雷(・・)を。

 もう数も残っていなかったし。これで終わりだ。


「なんだっとーっ!?」


 ロリコン野郎が目を剥いてる間に、今俺が乗っているワイバーンを踏み抜きロリコン野郎が乗っている最後のワイバーンに乗り移った。


「こんにちわ。アークです」


 三度(みたび)繰り返しました骨騎士ネタ。


「クソ!! はっ! まさか……お前が魔王か!?」

「な訳ねーだろ。ロリコン!!」


 遂に俺は魔王にジョブチェンジか。それも悪くないかもな。


「だが、場合によっては魔王の味方になるかもな。俺が転移して来たのは魔王討伐とかチンケな事じゃねぇから」

「魔王討伐がチンケ……だと!? どう言う意味だ?」

「聞きたい? 聞きたいなら引き返せ! 引き返したら命は取らないでやる」

「クソ!! 分かったよ」


 よし! 追い付くまでに闘気を使い、ワイバーンに乗る為に飛翔するのに闘気を使い、踏み抜くのや闘気剣で闘気を使ったせいで、結構ギリなんだよな。

 帰りの足が出来て丁度ええわ。


「誇って良いぞ。この世界に来て初めて追い詰められた。良く頑張ったな。ロリコンだけど」

「ロリコン言うな! 何が『追い詰められた』だ!? 余裕そうじぇねーか」

「全部のワイバーンをお前が誘導出来ていたら、ガス欠でこっちが終わってた」

「クソ! やっぱ竜は上等過ぎて誘導できないのか!?」

「さっきから思ってたけど、これワイバーンだぞ? 竜と一緒にするなよ。竜とワイバーンじゃ大人と赤子の差があるぞ」

「は? こいつら飛竜の山ってとこにいたぞ」


 ふ~~ん。


「この世界ではワイバーン如きを飛竜と呼ぶのかね? どうでも良いけど」

「で、引き返してるんだから聞かせろよ! 魔王がチンケとはどう言う意味だ?」

「この世界は滅ぶのが確定してるのだよ。ロリコン君」

「ロリコン言うな! 滅ぶとかでたらめも言うな」

「いや信じないの? あっそ。じゃあ此処で話しはおしまい」

「クソ! 結局煙に巻いただけか。だったら墜落しろ!!」


 やば!! せっかく帰りの足を手に入れたのに挑発し過ぎた。このロリコン野郎。落下するように誘導しやがった。


「お前も死ぬぞ?」

「その前にお前を振り落とす」


 ふ~~ん。


「よっとっ! あ~~~れ~~~~振り落とされた~~~~」

「うわ~~~~~~~~!!!???」


 嘘です。自分で落ちました。ロリコン野郎を掴むと同時に。って言うか……、


「ロリコン野郎に触れたらロリコンが移りそうだ! バッチィ!」

「ダメだ! 死ぬ~~~~~~!!! 僕の幼女ハーレムが~~~~」


 あ、遂に幼女って認めたなロリコン。

 でだ。着地の瞬間、風魔法で上昇気流を起こして危なげなく着地と。


「幼女ハーレムなんて一生作れねぇーよ! つか、もうお前が言うババァさえ食えなくなるよ! ザマーロリコン君」

「今、何した!? 何で普通に着地してるんだ?」


 聞いてねぇし。

 まあ良いや。首チョンで寝かせよう。話すのも億劫だし。


「ぅ!?」

「さてエーコのとこに戻りますかね」


 (ファミリア)で確認。まあエーコなら無事だと思うけど。

 ありゃナターシャ達も到着したのね。これは楽勝な殲滅戦だな。と言うか、弓使いのナターシャからすればボーナスステージじゃん。

 湖に被害も出なくて万々歳。サフィーネもいるし引き渡す為にさっさと戻ろう……。

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