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アサシンズ・トランジション ~引き篭りが異世界を渡り歩く事になりました~  作者: ユウキ
第十一章 ウルールカ女王国の第一王女
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EP.08 幕間 ロリコン野郎の行方①

 サフィーネを辱め、腕一本斬り落とし、それ以外を全滅させた田中 一は、西に向かい、途中にあった洞窟の足を寄せた。其処は盗賊団のアジトだ。


「やぁ。君達のボスに会わせてよ」


 軽く手を挙げて、陽気な態度で見張りをしていた見張りの盗賊二人に声を掛けた。


「なんだぁ? ガキ! 此処は『鋼の狼』のアジトと知っての態度か?」

「いや、盗賊団の名前なんて知らないよ。良いからボスに会わせてよ」

「どうやら痛い目みないと分からないようだな」


 盗賊の一人が一を嘲笑い手に持つ剣で、素振りをして脅しに掛かる。


「別に良いけどさ。君にこれの相手できる?」

「あん?」


 盗賊が訝しげに一を見ていると横からオーガが四体現れた。


「僕はさ、魔獣を操る(・・)スキルを持ってるんだよね」


 一が持つスキルは魔獣誘導であり、魔獣操作ではない。つまりハッタリをかましているのだ。


「何故オーガが……」


 盗賊の二人が驚く。それもその筈、この辺はオーガの棲息圏ではないからだ。


「がぁぁぁぁっ!」


 驚いてる間に一を脅していた盗賊が、オーガの棍棒に叩き潰された。そしてオーガ四体は、そのまま何処かにいなくなる。


「もう一度言うよ? ボスに会わせて」


 一はニコやかにもう一人の盗賊に声を掛けた。


「あ、ああ。直ぐ呼んで来る」


 もう一人の盗賊は、腰を抜かしながらも急いで洞窟の中に入って行った。

 暫くすると盗賊が二十人程とボスらしき男が洞窟から出て来た。


「貴様か? 俺に会いたいってのは?」

「そうだよ」

「俺に何の用だ?」

「この盗賊団……えっと『鉄の子犬』だっけ? 僕が貰うから。今日から僕がボスね」

「『鋼の狼』だボケっ! それでボスになるだぁ!? オーガを四体操れる程度で寝言言ってるんじゃね。おい! お前ら、このクソガキを殺れ!」

「「「「「「「「「「へい、ボス」」」」」」」」」」

「四体ね~」


 一はこうなる事を事前に読んでいた。よって後ろに何歩か飛ぶ。


「威勢が良い割には逃げるのか?」


 ボスがニヤニヤしながら一に迫ろうとしたが……、


 ドドドドドドドドドドドド……。


 それは叶わなかった。

 盗賊達と一の間に数えるのも馬鹿らしくなる程の魔獣が横切る。そう一は事前に読んでいたので、誘導していた。そして下がったのは魔獣の通り道を作っただけだ。

 やがて魔獣達が通り過ぎる。


「僕がいつオーガ四体しか操れないって言った? ああ、それと僕を殺すと集団暴走(スタンピード)が起きて僕がいた場所で暴れまくるよ?」


 薄気味悪い笑みを浮かべながら言い放つ一。勿論ハッタリだ。


「……マジかよ」


 ボスに他の盗賊達も冷や汗をダラダラ流す。中には腰を抜かし座り込む者や失禁してる者までいる。


「今日から僕がボスだ。まだ問題ある?」

「ねえ」


 項垂れるように答えるボス……いや元ボス。


「じゃあ最初の命令をするね。近くの村か町に行って女を連れて来て。さっき可愛い女を食い損ねて誰でも良いから食っておかないと気が納まらないんだ」

「女か?」

「ああ、そうだよ。ちなみに十四歳以下ね。それ以上の歳の奴を僕の前に突き出したら魔獣の餌にするから」

「「「「「「「「「「ヒィィ~」」」」」」」」」」


 怯える盗賊達。


「まぁ君達にもお零れは必要だろうし、そっちの分の女を連れて来ても良いよ。そっちはババァでも良いけど僕のとこには全ての十四歳以下を連れて来てね。それと金とかも欲しければ勝手に略奪して良いよ」


 そう一に取って十四歳以上はババァなのだ。


「……あのボス」

「何?」


 元ボスに呼ばれて首を傾げる現ボスの一。


「町か村に行って女を攫うのは構いやせんが、冒険者が滞在してやす。我等だけで行っても簡単に返り討ちにされてしやいやす」

「それなら問題ないよ。僕が魔獣を操作して集団暴走(スタンピード)を起こすから、壊滅状態になった町に入れば君達でも平気だろ?」

「「「「「「「「「「おぉ~」」」」」」」」」」


 先程、お零れをくれると一が言ったので、女や金が簡単に手に入る事に喜び、浮かれる盗賊達。


「それなら行けそうでやすね。それともう一つお聞きしたいのでやすが……」

「何?」

「十四歳までと言ってやしたが、何歳からで?」

「う~ん」


 一は腕を組み熟考しだす。


「前に穴さえあれば良いやって七歳くらいの女を使おうとしたんだけど……小さ過ぎて口に突っこんで我慢したんだよな~。って訳で十歳くらいからにしておこうか」

「……一つ良いでやすか?」

「何?」

「ドン引きだよっ!!!」


 確かに穴さえあれば良いとか最悪の考えだ。それで七歳を犯そうとし、出来なかったので銜えさせたとなればドン引きも良いとこである。他の盗賊達もかなり引いていた。


「好みはそれぞれじゃない?」

「……そうでやすね」

「で、何処の町か村を襲うの? 魔獣を操作するから方角を教えて」

「一番近いのは南東でやす。半日もあれば着くでやす」

「じゃあ見張りに四人残して行って」

「へい。おい野郎共! 新たなボスが女をご所望だ。俺達も食って良いらしいから、きっちりやるぞっ!!」

「「「「「「「「「「へい!!」」」」」」」」」」


 やる気十分と言った感じで盗賊団『鋼の狼』は南東の村を目指して移動を開始した……。

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