EP.13 エリスはエロ過ぎました
俺はエルドリアに行く事になった。この二股クソ野郎のせいで。何が情勢を知りたければ来いだ?
ゲーマーとしては、情報が第一なんだから行かざるをえないだろうが。
は~。こいつの掌の上はシャクだが従わざるをえないな。そして、その日はロクリスのアジトに泊まる事になった……。
「ぅんっ!?」
ちょいちょい。お二人さん何してるの? キスしてるのバレバレですよ。俺のプレイキャラにしたのは暗殺者。暗殺者が暗殺されたなんて目も当てられないからな。
よって耳がめちゃくちゃ良いんだよ。丸聞こえ。しかも気配察知で、チョメチョメしてるのが丸わかり。
「////////」
おーう。大人のキスですか? 水音が響いてますよ? やばい俺のビッグマグナムが……。
クソ! エリスだけなら良いがロクームがしてるとなるとシャクだ。
沈まれ! 心を無にするのだ。
「はぁはぁ……」
キモい。二股クソ野郎が欲情してる。男の欲情なんていらん。
「ダークがいるんだぞっ!」
はいはーい。バッチリ、聞こえてるよ~。だから、二股クソ野郎止めんかーいっ!
「わかってるでガンス」
わかってねぇやん。
「……エリス、ありがとうでガンス。俺様の子を宿してくれてでガンス」
聞きたくない。マジで聞きたくない。俺だって子作りしてぇよ。
「はぁはぁ……」
エリスも欲情して来たな。うんうん。こっちは、是! 非! と! も! 聞きたい。
「大丈夫。お腹の子に負担が掛かるから最後までしないよ」
「ん~~」
「イヤ……」
「そう言いつつもエリスはその気になってるんだね」
丸聞こえで勘弁。今、二股クソ野郎の手がお山にあるのかな? あーエリスのお山なら是非とも登山したいわー。FFO屈指の美人キャラだしさ。
吸いーてな。挟みたいなー。なんて、つい考えてしまい、ビッグマグナムが完全覚醒してしまった。
「変な声出るからっ!」
おっふ~。良い声出すなエリス。あんな美人が、こんな声出すとなると俺も止まれなくなる。
クソっ!!!!! だから、余計に二股クソ野郎からしてるってのが気に入らない。
「じゃあ、おやすみでガンス」
お! 止めるのか? 最後までするのを聞きたいような聞きたくないような……。迷うとこだ。
いやエリスはともかく二股クソ野郎のは、聞きたくない。エ! リ! ス! は! と! も! か! く!
ドーンっ!
ん? ロクーム蹴られた?
「いたたた……何するんだよエリス」
あ、やっぱり。ざまぁぁ!! しかも、また蹴られてる。
「何をそんなに怒ってるのでガンスかぁ?」
「出て行け!」
エリスのドスの効いた声がしたぞ。こえ~~。でも、これで溜飲が下がったぜ。エルドリアの件はかなりイラっと来てたからな。
「……はい」
ざまぁぁ!!!
「ああ……」
おお? エロスっ! 間違えたエリス! エリス、一人で始めちゃった? それは是非とも聞きたい。壁に耳を当てて。当てなくも聞こえるが、もっとはっきり聞きたい。
ムヒヒヒヒ……良いものが聞けたぜ。これで俺も心置きなくビッグマグナムが吠えられるぜ。エリスがオカズだとマジうまうま。結局三杯おかわりしてしまったぜ。
次の日ついつい二股クソ野郎を見て笑ってしまった。いや~良い気味だ。
逆にエクスタシーまで達したエリスのを聞いてたから、まともに顔見れないな。
エルドリアに着き、怪しい扉の奥ではラフラカの魔導研究所を思わせるカプセルが並んでた。
そして白衣を着たコブリンシャーマンが魔法を唱えて来た。つい反撃して全滅させてしまった。
失敗失敗。ゲーマーとしては此処で情報聞くべきだったな。
ああ、そうだ。ユキもプレイアブルキャラの一人……いや一体だったキャラだ。
では、恒例のうろ覚えの最終エピソードのステータス。ドンっ!
名前:ユキ
年齢:十八歳
レベル:100
クラス:テイマー
称号:レックステイマー
HP:8000
MP:2000
力:1000
魔力:4000
体力:600
俊敏:900
スキル:槍使いLvMAX
エクストラスキル:痛覚鈍化
ユニークスキル:極寒吹雪、魔物使役
装備:フレアランス (魔力で攻撃も可、攻撃力3500、魔力1000)
極寒のバケツ (防御力500、魔力300)
極寒の手袋 (防御力400、魔力200)
極寒の靴下 (防御力200、魔力100、俊敏300)
セット装備効果:極寒 (HP1000、攻撃力1000、魔力1000、防御力1000)
最強の魔力を誇るキャラだったんだよな。ただ、魔法を一切覚えないので活かせない。
魔力が必要なのはユニークスキルだけで、魔力値でテイムできるか判定されるらしい。それと吹雪による攻撃力だな。
まあ最後の最後にエドからフレアランスを渡され、やっと魔力が活きるって感じだな。尤も名前の通り炎属性なので、炎耐性がある魔物には無意味で、更に氷耐性まで持つ魔物となると、攻撃手段が減る極端なキャラだった。
尤もテイマーなので、使役している魔物次第では攻撃手段が増えるけど。が、NPCとして最終エピソードに登場したユキの使役魔物は、炎属性だった……。
それと防具はギャグかよ! と、言いたくなるものだ。バケツなんか特に。しかも裸かよと。
ついでにセット装備効果だけどユキえもんかよ! と、ツッコミたくなった。噂では、ド〇えもんのバスト、ウエスト、ヒップ、体重は全部100とかなんとか。
さて、ユキの紹介が済んだところで、この時の俺は、エドの言葉を思い出していた。『せっかく生きながら得た命だ。何か意味があったんじゃないか?』と。
俺に言い換えれば異世界転移したからには何か理由があるのではないか。もうダークじゃないだの言ってる場合じゃないのかもしれない。
確かに中身がダークじゃないのを知られるのは怖い。だけど、それ以上にやらないといけない事があるのではないか……。
そんな事をぐるぐる考えていたらフィックス城に来ていた。
「ロクームか……ん? アークも一緒か」
エドがそう言ってくれる。そうだな。俺はアークで良いのかもしれない。ダークは死んだ。
いつかこんな暗殺者ロールプレイしなくても良い日が来るだろうか。そうなって欲しいな。
「俺は、自分がダークだとは一言も言ってない」
そう俺は今の俺になってからダークと一度も言っていない。あ、ナターシャちゃんには言ってしまったか。
まあそれはともかくアークで良いのではないだろうか。だって俺にはもしかしたら、そんな事よりやらないといけない事があるかもしれないから。
「ダークは、あの大戦後、死を選んだ……そして、此処にいるのはアークだ! それで良いじゃないか」
そうだな。エド悪いな、気使わせて。もしかしら、これからも使わせるかもな。
「お~い。大変だじゃ」
「みんな、久しぶりー」
ん? この二人は……。
ラゴスとエーコちゃん。両方プレイアブルキャラだ。ラゴスは白髪のボサボサ頭に水〇黄門のような髭の通称ロマンじじぃ。じじぃのせいか人気は低い。
じゃあ、うろ覚えの最終エピソードのステータスをドンっ!
名前:ラゴス=マゴス
年齢:七十一歳
レベル:100
クラス:老魔導士
称号:自滅爺
HP:6000
MP:3000
力:500
魔力:1800
体力:400
俊敏:700
スキル:杖使いvMAX
エクストラスキル:上位火炎魔法、上位稲妻魔法、上位氷結魔法、上位水流魔法、中位大地魔法、上位回復魔法
ユニークスキル:自爆魔法
装備:ウィザードスタッフ (攻撃力200、魔力500)
爆散の衣 (防御力1200、魔力500)
爆散の靴 (防御力400、魔力500)
セット装備効果:爆散 (魔力500)
魔法は、大地のみ中位のせいで全魔法となっていない惜しいキャラ。ちなみに大地の上位魔法は、最強魔法とされている隕石魔法だ。尤もルティナかエーコちゃんが使った時に限られるが。ああ、勿論ルティナの場合は究極魔法のが強い。
エリスも使えるが、何故かあまりダメージが出なく他の魔法を使った方が良かったりもする。
自爆魔法とはドラゴン探求とかで、お馴染みのメ〇ンテ、メ〇ザルから始まる自爆魔法の他に自爆する事で、確定状態異常にさせるものや、即死させる事ができる魔法もある。しかも即死魔法の即死率が0.1%で、これが全ボスにも適用される。つまりはボスも一撃で倒せるわけだ。
しかし、自爆するせいで、ソロでは最も使い勝手の悪いキャラ。
この自爆魔法といい、防具の名前といい、装備のセット装備効果を含め、魔力が全て500上がる事から通称ロマンじじぃと呼ばれている。
そしてエーコちゃん。エーコちゃん可愛ええよ。マジ天使。俺の嫁と言いたくなるぜ。
フィギュアが出たら真っ先に買ってやったぜ。だが、残念ながらそう言う商品化の前に転移した。
髪がピンクで三つ編みでサイドテールにして左肩から垂らしているのがまた可愛らしい。
魔力がルティナより上という強キャラ。これで当時九歳だったのだから末恐ろしい。
そして、ダークの……いや、これは考えるのはよそう。
では、恒例のうろ覚えの最終エピソードでのステータスをドンっ!
名前:エーコ=アローラ
年齢:九歳
レベル:100
クラス:魔導士
称号:神童
HP:7000
MP:3800
力:600
魔力:3400
体力:500
俊敏:1000
スキル:無し
エクストラスキル:全魔法
ユニークスキル:魔知魔眼
装備:大魔導の法衣 (防御力1000、魔力500)
大魔導のビスチェ (防御力300、魔力400)
大魔導の靴 (防御力100、俊敏100、魔力200)
セット装備効果:大魔導 (魔力500、防御力300、俊敏200)
スキル無し、武器無しで一見弱く見えるが、魔力がヤバい。
ルティナの半精霊化はステ二倍になり、究極魔法があるので、ルティナのが上に見えるが、ルティナは、MPをガシガシ削り、直ぐに枯渇してしまう。
よって、魔法戦において長期戦ができるのはエーコの方なのだ。まあ使い分けと言うか差別化だろうな。
だが、武器を使えないので魔法耐性の強い魔物には厳しい。ついでに小さいせいか体力低くく持久力がない難点もある。
ちなみに魔知魔眼は、魔力完全察知する魔眼だな。エーコのオッドアイの薄紫の瞳で見た全ての魔力を完知するユニークスキルだ。
さて、この二人だが、後からプレイアブルキャラになった二人だ。追加キャラって奴だな。それ故に最終エピソードまでが一番短い。
まあオマケみたいなキャラなので、サブキャラで使う人が多いようだ。
「ワンワンっ!」
おっと! 考え込んでいたらハンターが来た。やっぱ本来の主がわかるんだな。とりあえず撫でておこう。
でも、ごめんな。中身違うんだ。
そして、俺は異世界転移して来た意味をまた考え始めた。アークとしてコレを解決するべきなのか……。
「いや、儂らは魔導士の村に住んでいるのじゃ」
「だからー、そういう事には敏感なんだー」
「なるほど」
「……待て! それに気付いたのは何時だ?」
俺も暗殺者ロールプレイに慣れたものだな。考え事しながらでも、ちゃんとダークらしく会話できてるな。うんうん。
「お前は、さっきから何を言いたいんでガンスかっ!?」
「黙れっ! お前とは話していないっ!!」
でも、無意識に暗殺者ロールプレイをしていても、これにイラっと来た。何よりエリスと良い感じなのが腹ただしい。だから素が出てしまった。
「ダー、いや、アーク。こないだから思ってたけど、ロクームに当たりがきつくないか?」
「……いや、すまない。気が立っていた」
エリスが相手なら普通に話ができるのに二股クソ野郎は、ほんとムカ付くな。
何でエリスもこんなの選んだだよ! 二股だぞ! 二股野郎。
って、それはもう良いや。俺には他に考えないといけない事がある。
「ガハハハハ……兄貴久しぶりだな」
と思っていたら、またプレイアブルキャラの一人が来たよ。
今度は筋肉バカ……もとい何処かの空手家か。