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アサシンズ・トランジション ~引き篭りが異世界を渡り歩く事になりました~  作者: ユウキ
第十章 月光の世界へ (第二部 開始)
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EP.22 差出人を追い掛けました

「ナターシャ、ちょっと行って来る」

「わかったさぁ」


 そう言って俺は窓際に向かった。出入口の扉ではなく窓際だ。ナターシャは俺がする事を理解しているのか、それについて言及しない。

 窓際から外を眺める。宿屋の入り口がある表通りが見渡せるのだ。

 そして手紙を投げ込んで来た奴の気配は気配完知でずっと補足している。裏口を使われたらそれまでだが、恐らくないだろう。

 裏口を使うと言う事は宿屋の経営陣もグル。経営陣がそんな危険な橋を早々渡ると思えない。

 尤も裏口から出たら出たで、宿の屋根に飛び上がり追い掛けるだけだが……。


「来た」


 予想通り表の入り口から逃げ去るように飛び出て来た。俺は直ぐ様飛び降りる。此処は四階だが問題ない。

 エーコが調べてくれたお陰で、この世界の魔法は便利だ言う事を知った。ちょっとした事象を起こすのに詠唱も魔法名いらないと思ったのだ。よって着地の風魔法で軽い上昇気流を起こし衝撃を無くす。初めての試みだが上手く行った。

 尤も失敗しても闘気を足に集中していたので問題無かったのだが……。


 ちなみに闘気とは体内エネルギーであり、身体を動かそうとする力。勿論筋肉とかもあるが、誰でも微弱ながら闘気も流れており、その闘気で身体を動かしてる。

 闘気を自由に扱えなくても微弱ながらに闘気を誰でも持っているから、覇気として漏れ出て、それを俺は気配と呼んでいる。その気配を完全に察知するスキルを俺は持っているのだ。

 尤もスキルとして表示されるのはこの世界特有の理で星々の(スターライト)世界にはなかった


 ちなみにMMORPG FFOでもスキルで表示されていた。そして闘気を扱えるキャラは闘気レベルも表示される。

 レベル1でMPと魔力以外が1割一定時間アップ。

 レベル2で3割、レベル3で5割、レベル4で8割、レベル5で10割一定時間アップする。

 またレベル5から五分の確率で闘気剣を飛ばせる。

 レベル6からはある程度闘気を好きな場所に集められる。例えば防御したい時は防ぐ腕と踏ん張る足腰に集中させ、肩とか腹とかにはあまり集めないようにすると言った具合に。まあ精度は悪いが。


 レベル7になると闘気技が自在になり、闘気を操る精度も上がる。ただもう此処まで来るとユニークスキルで良いと思うんだけどな……。

 只のスキルは、大抵のキャラが習得可能。エクストラスキルになると一部のキャラしか覚えられない。また魔法系もこれに含まれる。

 そしてユニークスキルはまんま唯一無二のスキルで一人しか習得できない。俺のキャラの場合だと気配完知がそうだな。


 で、闘気だがレベル5に到達出来るのは、俺のキャラを含め五人で、うち一人がガッシュ。6に到達出来るのはエリスとムサシ。そしてMAXになるのはエドワードの弟のアルフォードだけだ。よってレベル7から完全にユニークだな。

 レベル8になるとダメージを喰らい出血しても一定時間止血したり、痛みを抑えたり出来る。

 レベル9でMAXとなり、MPと魔力以外が2.5倍に一定時間アップって設定なのだが……あくまで設定だけで存在しない。

 何故ならアルフォードがMAXになった時点でユニークスキル 闘気解放という名に変わるからだ。そして闘気解放になると完全に自由自在に闘気を操れ、且つ爆発させる事で一定範囲を吹っ飛ばせるというチート級になる。


 ただこれはあくまでゲームでの話だ。リアルは違う。

 俺が異世界転移しダークの体を乗っ取り闘気を扱えるようになった際に止血や痛みを止める事が可能だった。

 この世界では表示されレベル7になっていたが、俺が扱えるようになった時点でレベル7級の力を発揮できたとしても、止血やら痛み止めはレベル8からなのでおかし過ぎる。なのでリアルは違うという訳だ。


 さて、話が大分反れてしまったな。

 俺は手紙を差し出した本人の後ろに風魔法で静かに降り立ちソイツの肩にポンと手を置く。


「えっ!?」


 一瞬ギョっとした顔になるが、直ぐに平静を装う。


「あの……何か?」

「来い!」


 俺は首根っこ掴むと一気に走り出し、裏通りに連れて行き放り投げる。


「いたっ! ……何をするのですか?」


 俺のスピード主体なので、ぶっちゃけめっちゃ速い。そんな加速をして、放り投げたと言うのにその程度反応とか()()()()()()がなってないな。

 ちなみに今から刃傷沙汰になるので、裏通りまで運んだ。往来で血を見せるのは、一般市民には不憫だ。

 さて、とりあえず鑑定っと。



 名前:バックス

 年齢:百十三歳

 レベル:53

 種族;紫魔族

 職業:幻覚術師

 HP:5500

 MP:2500

 力:400

 魔力:450

 体力:370

 俊敏:300

 スキル:杖術Lv7、幻覚魔法Lv4、大地魔法Lv3、氷結魔法Lv3、稲妻魔法Lv3

 称号:ヒューマンスレイヤー



 魔族かよ。つか、よわっ! 百年以上生きててそれ?

 まあステータスだけ見ると沙耶よりは強いけど、沙耶は闘気Lv4なのでMPと魔力以外8割アップするので沙耶より弱いかもな。

 まあリアルとゲームは違うから、闘気がどう左右するかわからないし、負けるかもしれないけど。

 で、幻覚魔法ね。この世界特有の魔法だったか。それで人間のフリをしてるわけね。


「立て!」


 睨み付けて言い放つとバックスとやらは、睨み返しながら渋々立ち上がる。


「だから何なんで……がはっ!」


 最後まで言わせずドテっ腹に掌打。パンチだとその部位だけにダメージを与えるが、掌打だと内部に浸透する。更に闘気を放ったので相当響いただろうな。

 現に幻覚が解けてるし。肌が紫で20cmくらいの角が二本生えた奴に姿が変わった。幻覚は強い衝撃を与えると解けるらしいし。

 つか、魔族キモいな~。

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