表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アサシンズ・トランジション ~引き篭りが異世界を渡り歩く事になりました~  作者: ユウキ
第十章 月光の世界へ (第二部 開始)
305/563

EP.17 パーティ名をアサシンズにしました

「はいはーい。下げって下がって」


 俺は右手で小刀の闇夜ノ灯(やみよのあかり)を抜き、左手で下がるようにジャスチャーする。

 エーコなら余裕だろうが地形変動しまくる上位魔法を使わないといけないだろう。ナターシャは時間がかかりそうだな。沙耶は……たぶん勝てない。

 って訳で俺がサクっと倒す事にした。


 右手を垂直に上に伸ばしグングン闘気を纏わせる。ほーらほら闘気を沢山お食べ~。

 そうしてる間にジャイアント・ヤモリやら現れた。デカいなー。50mはあるんじゃないか?

 とりあえず威圧でジャイアント・ヤモリを怯ませ足を止めさせる。その間にも闇夜ノ灯が俺の闘気を喰らい刀身が黒いオーラを醸し出し、それが徐々に大きくなって行く。


 この闇夜ノ灯は闘気を喰らう事で格段に攻撃力が上がり、闘気による斬撃は普通の武器とは違い黒い斬撃になる。

 普通の武器なら白っぽい銀のような色。しかし、この闇夜ノ灯(やみよのあかり)は、最初から特殊だったので、丸で闇夜に明かりを照らしたかのような明滅した白い斬撃を飛ばしていた。

 だがルシファー大陸で、魔王と対峙した以降、変化が生じた。闘気を喰らうと黒いオーラを醸し出すようになり、斬撃も黒くなった。もしかしたら本来の闇夜ノ灯(やみよのあかり)の力を引き出せるようになったのかもしれない。

 ちなみに対になるもう一振りの小刀、光陽ノ影(こうようのえい)は、防御系で障壁を張れる。

 また初期の闘気剣は、通常の武器と同じく白っぽい銀だったのだが、同じく魔王と対峙以降、完全に白くなっった。こっちも本来の光陽ノ影(こうようのえい)の力を引き出せるようになったのかもしれない。


「はっ!」


 闇夜ノ灯を真っ直ぐ振り下ろす。先刻告げた通り黒い斬撃が飛びジャイアント・ヤモリが真ん中から縦半分に別れた。後ろにある森の木々も多少薙ぎ払われたのはご愛嬌。


挿絵(By みてみん)


「それじゃあ薬草採取に戻ろうか」


 俺は振り返り三人にそう呼び掛けた。


「だねぇ」

「わかったー」

「えっ!?」


 なんか沙耶が鳩が豆鉄砲を食ったようような顔してるな。


「いやいやいやいや……これこのまま?」


 そう言って周囲を見渡す。魔獣の死骸だらけだな。


「今日の依頼は?」

「……薬草採取」

「なら、早く終わらせよう」

「……それで良いのかなぁ?」


 釈然としないと言った感じで呟くが、スルーして俺達は薬草採取に戻った。

 暫くするとギルマスのガリラウスを含む何十人もの冒険者がやって来た。


「……………………は?」


 ガリラウスがたっぷり間を開け間抜けな声を漏らす。他の連中も、なんか呆けてるな。


「お前達何やってるんだ?」


 やがてガリラウスが我に返りそう問い掛けて来た。


「薬草採取」

「いや、おかしいじゃろ!?」

「何が?」

集団暴走(スタンピード)があったのに平然と薬草採取してるなんて」

「そう言う依頼だったし」


 ガリラウスが呆れたように言うが、それ以外にある?


「これお前達がやったのか?」

「ああ。魔獣なら採取の邪魔になるから始末しておいた」

「邪魔になるからって……」


 呆れたように言いながら見渡しジャイアント・ヤモリで目が止まる。


「おいおいおいおい。これ一撃か? すげーな」

「いや、ギルマスにも出来るだろ?」

「出来ない事はないが、こんな綺麗に素材が残ってるじゃねぇか」


 まあ真っ二つにしただけだしな。


「で、どうするんじゃ? はっきり言って素材売った方が薬草採取より金になるぞ」

「運賃の相場は知らないが、二倍出すから運んで。これ全部売ればお釣り来るだろ?」

「……来るが、そうで良いのか?」

「ああ」


 ぶっちゃけ運ぶの面倒。実はこれが理由で薬草採取していた。時間潰しみたいなもので。

 尤も俺は専門外なので周辺警戒という退屈なお仕事だったけど。いや、だって気配完知で魔獣が近付けば直ぐ気付くし。

 まあそれはともかく、先に逃げた冒険者がギルドに駆け込めば、討伐隊が来るだろうと予想していたしな。そいつらに運ばせようと考えた訳だ。


「野郎共! 討伐は無くなったが、運べは運賃二倍じゃってよ。金が欲しい奴は運べ!」


 ガリラウスが、他の冒険者にそう呼び掛ける。


「おお! 討伐せずに金になるとは……」

「楽に稼げたな」

「有難い」


 ほとんどの者は、嬉しそうにしていた。が、一部不安顔してるな。戦闘狂か?

 採取も終わったのでナターシャが、空間魔法で薬草をしまい冒険者達と帰還する事にした。当然手ぶらだ。


「そう言えばアーク、いい加減パーティ名決めないかい?」

「じゃあ『アサシンズ』で」


 ナターシャに問われ即答した。今日かなり殺しまくったしな。


「アサシンなのアークだけだよー」

「じゃあ変える?」

「私は何でも良いよ」


 エーコは不満そうだったけど沙耶はなんでも良いと言う感じだ。


「何でも良いなら、『沙耶はぺったんこ』」

「良い訳ないでしょうよっ!!」

「もうわがままだな~」


 天を仰ぎ首を左右に振る。


「アンタのそう言うとこ、ほんとムカ付くよ!」

「じゃあ『アサシンズ』だねぇ」

「ああ」


 ナターシャは、そんなやり取りをスルーしてパーティ名は『アサシンズ』にした。

 余談だがレベルが23まで上がっていた。当然だがステータスは上がっていないけど。

 あ、沙耶は少し上がっていたな。まあ元が低かったからな。



 名前:サヤ=ササヤマ

 年齢:八歳

 レベル:23

 種族;人族

 職業:魔侍

 HP:4800

 MP:1400

 力:550

 魔力:420

 体力:300

 俊敏:1000

 スキル:薙刀術LvMAX、剣術Lv4、柔術Lv3、格闘術Lv2、闘気Lv4、騎乗Lv4、炎魔法Lv6、風魔法Lv7、土魔法Lv3、療魔法Lv5、精霊誘引

 称号:複数精霊契約、転移者



 なんか魔法レベルも少し上がってるな。風の魔法薙刀を操ってし、昨日反復練習してたのかね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ