EP.03 どこまでもクソゲーでした
動物が怖い。毎日逃げ続けた。五歳の僕が立ち向かって勝てるとは思えない。
それでも不眠不休が続き、注意力が散漫になり、遂には正面から出くわしてしまった……が、なんとかその辺で拾った木の棒で撃退できた。
《キツネのモンスターと再戦……レベルを3に上げた事で問題なく勝てたぜ。
マジでストーリーモードの初戦から、こんな苦労するとは思わなかったよ》
動物が怖いので木登りを覚えた。
でもたまに落ちる。
痛い。
痛い。
痛い。
痛い。
痛い。
痛い。
痛い。
痛い。
《痛覚が1/10でも痛いなこれ。ほんとしょっぱなからハードな展開だぜ》
なんでこうなったのだろうか?
どうしてこうなったのだろうか?
どうして僕がこんな目に?
最初はそんな事ばかり考えていた。
動物から逃げ回り数ヶ月が過ぎると動物の気配がわるようになった。
しかし、ある日ちょっとした油断から動物達に包囲され出していた。
逃げるように立ち回る。
だが、気配を探ってみたけど逃げ道がない。
徐々に逃げ道がなくなるように囲まれる。
そして遂にはオオカミ十頭に追い込まれた。
僕は貪り食われてしまった……。
GAME OVER
▽▲▽▲▽▲▽▲▽
は?
いやいやいやいやいやいや……何で? 戦闘も選択肢もなかったよね? なのにゲームオーバー?
おかしくない? 何を失敗した? わけがわからん。
どこまでクソゲーなんだぁぁ!!!
マジでクソゲーだ。ほんと何なん? やっぱキャラ変えようかな?
いいや、ここは意地だ。とことんやってたろうじゃねぇか!
こんちくしょぉぉぉっが!!!
まずは前回の自由モードで狩りを行った際に稼いだお金を使おう。幸いにして四時間狩りをしていたお陰でお金はある。
自由モードでは、開始直後の森だけではなく町にもいけるしな。
ただここで問題はナイフを購入して良いものか……。だってね、俺の選んだ暗殺者の得意武器は小太刀と書いてあったんだよ?
なのにステータスに使える武器に小太刀はない。使える武器はナイフだ。
しかも装備できない武器は買えない仕様だし。ほんとクソゲーだわ。これってレベルを上げて小太刀を装備できるようにしろって事かな?
まぁ使い捨てになってしまうけど仕方ないナイフを買うか。でも、ここで買える一番高いナイフは銀のナイフだが、流石に勿体ない。その分防具や回復アイテムを揃えるか。
名前:???
年齢:五歳
レベル:3
クラス:無し
称号:迷子
HP:35
MP:0
力:17
魔力:0
体力:7
俊敏:12
スキル:気配察知Lv2、隠密Lv1、ナイフ使いLv1
装備:木の棒(攻撃力3)→鋼のナイフ(攻撃力80)
布の服(防御力2)→鎖帷子(防御力40)
鋼の手甲(防御力20)
盗賊の靴(俊敏30)
何故か防具はちゃんとキャラ仕様のものを買えたな。制限があるのは武器だけか。
にしても……うん、大分強くなったね。というか基本ステータスより強過ぎじゃね?
ってわけで、準備もできたしパーティを募ってるとこに行き、また狩りでレベルを上げるか。
でもさ……、
今度は何時間かけたらレベルが上がるんだよおおお!!!
はぁ~。気乗りしないぜ。溜息が出てしまう。
そう思いながらパーティを募ってる集合場所に向かう。ああ、今更に思ったが名前は何で『???』なんだ?
それはともかく最初にいたのは、キャラ概要でエドワード=フィックスの弟と書かれていたマッチョキャラ。
兄であるエドワードと同じ金髪金目。ただね……、
モヒカン頭とかダッセーよ!!!
まぁともかく名前はアルフォード=フィックス。格闘家で武器は当然素手。
なのに全キャラ最強の攻撃力を誇るとか書いてあったな。ただしリーチが短く扱い辛いとか。
次に現れたのはエドワード=フィックスを持ちキャラにしてる人。あれ? この人は前回一緒に狩りしたラーユって人だな。
最後に現れたのは、小っちゃい女の子。髪は鮮やかなピンク色でセミロングの髪をハーフツインテールにしている。目は緑色だな。
このキャラは八歳と小さいが魔力が高く、最終的にトップクラスになるとかキャラ概要に書いてあったな。
まぁ俺の開始五歳には負けるが、俺の場合は時代が大分過去からスタートするらしいからな。最終的には俺の方が年上になる筈。
名前はエーコ=アローラ。魔導士の村の末裔とかいう設定だったな。
ちなみにこのキャラはNPCだ。人が来なかったのでNPCを入れた。そんな事も出来る機能があった。尤も弱いらしいが。
って言うかこのキャラって、まだ実装されてないんだよな。NPCで先に参戦かよ。
「まずは自己紹介からですかね? 私はダブラ。以後お見知りおきを」
キザったらしい言い方で、最初に口を開いたのはアルフォードを持ちキャラにしてる奴だ。
「あたしはラキと言います。よろしくお願いします」
次に自己紹介したのは、エーコが持ちキャラのNPC。って言うかNPCが名乗るのかよ。しかも可愛い声をしているな。
「初めまして。俺はラーユだ。宜しく」
続けてエドワードを持ちキャラにしているラーユ。うん知ってる。
「オサムさんとは二回目だな。また頼むな」
「……あ、ああ。えっと、俺はオサム。よろしく」
ヤバっ! 大分どもってしまったな。あまり人と関わっていない引き籠りのコミュ症だしな。
ってわけで狩りを開始……と言うか蹂躪だわこれ。だってさ……、
「凍結の力を持って我が前の敵を凍らせよ! <氷系中級魔法>」
エーコのNPCラキが広範囲氷漬けにしてるんだもんな。
というかもう中級魔法覚えてるとか、エーコのストーリーモードどうなってるの?
俺は、最初の戦闘で苦労してるのに、この差は何? ほんとマジクソゲーだわ!!
まだ解禁されてないキャラだけど、後から解禁されてるって事は強いのか?
まぁそれでもMPとかあるし、氷耐性持ちのモンスターもいるわけで、その時は普通に戦闘してるわけよ。
ラーユもボーガンで俺を射抜く事もなく後ろから援護攻撃してるしやりやすい。
ただね、問題はアルフォードを持ちキャラにしているダブラだな。だって全然攻撃が当たってないんだよ?
素手だしリーチが短いから仕方ないし、まだフルダイブ型のVRゲームに慣れていないのもあるのかも? それでも10回に1回は当たり、かなりの破壊力で瞬殺してたな。
さて、そんなこんなで落ちるとかでメンバーを入れ替え8時間頑張ったよ。それでやっとレベル2上がるとか、マジでしんどい。 他の面々は普通にレベル上がってるのにさ。
もう一度言いたい。
どこまでクソゲーなんだよぉぉぉ!!!
名前:???
年齢:五歳
レベル:3→5
クラス:無し
称号:迷子
HP:35→120
MP:0→5
力:17→38
魔力:0→2
体力:7→15
俊敏:12→80
スキル:気配察知Lv4、隠密Lv3、ナイフ使いLv1
プレイヤー補助スキル:鑑定
装備:鋼のナイフ(攻撃力80)
鎖帷子(防御力40)
鋼の手甲(防御力20)
盗賊の靴(俊敏30)
俊敏が凄い上がってるな。流石は暗殺者にいずれなるキャラだな。
にしても小太刀使いというスキルが出て来ないな。はよー装備したいんだけどな。
それにナイフ使いのレベルが上がってないな。熟練度的なものでもあるのかな?
ちなみにプレイヤー補助スキルというのは、プレイヤーだけ分かるというスキルだと説明書に書いてあったな。つまり鑑定しても、その内容はキャラには分からないというわけだ。
さて、レベルも上げたしもう一度ストーリーモードスタート。
オオカミ十頭を倒すとかいう展開になるのかな? それとも全く変わらずゲームオーバー? もしそうなら、もうこのキャラ投げるな。確実に投げる。
▽▲▽▲▽▲▽▲▽
数ヶ月が過ぎると動物の気配がわるようになった。それに自分の気配を消せるようになった。
《ん? んんん? 自分の気配を消せるようになった……だと? つまりあれか? スキル隠密のレベルを上げないと進まないのか。
そんなのわかるかー!!》
寝てる時に動物が近付くとパっと目が覚めるようになった。動物からの逃亡者としては十分だったと思う。
更に数ヶ月経つと逃亡者から襲撃者になっていた。動物を狩り、火を起こし食らう。
僕の暗殺者としての原点はたぶんここから始まった……。
名前:???
年齢:五歳
レベル:5
クラス:無し
称号:襲撃者
HP:120
MP:5
力:38
魔力:2
体力:15
俊敏:80
スキル:気配察知Lv4、隠密Lv3、ナイフ使いLv1
プレイヤー補助スキル:鑑定
装備:木の棒(攻撃力3)
ボロの服(防御力1)
お! 称号が変わった。襲撃者か……かっちょ良いじゃねぇか。
というかストーリーモードでは、ストーリー上の武具しか装備できないのか……しかも布の服がボロになってるし。
これは後々また厳しい戦いがあるかもな。また勝てなくてレベル上げとかさ。もうマジでめんどくさい。レベルが上がらな過ぎてイライラするしさ。
でもまぁこれでプロローグは終わった。長かったーーーーー!! いやマジで。
やっと第一章のストーリーに進めるわけか。でもな、それでもだ! 最後にもう一度言いたい。
このクソゲーがーーーーーー!!!