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EP.20 新たな厄介事に巻き込まれました

 ゾウとの決戦から半年が過ぎた。ダークの肉体では二十八歳になっていた。尤も精神はまだ二十二歳つもりなのだが。

 ちなみにだが、ダークの誕生日は不明だ。VRMMORPGのファースト・(F)ファンタジー(F)・オンライン(O)の時も、公式で誕生日不明って扱いだった。

 なので、俺の誕生日はナターシャが拾ってくれた四月九日にした。尤も拾ってくれたのは前の時間軸での話なのだが。

 そんな訳でついこないだナターシャとエーコには誕生日を祝って貰ったのだけど。


「今日は良い天気さぁ」

「そうだねー」


 その日、俺はナターシャとエーコと洗濯物を干すついでにピクニック感覚で日向ぼっこの為に海岸まで足を運んでいた。

 季節は四月。徐々に暖かくなって行くのを感じる季節だ。

 広げられたシートの上に三人で座る。シートの上でリラックスしようと武装を全て解き脇に置いていた。


「たまにはこういうのも悪くないさぁ」

「だな」


 俺がナターシャに頷く。こうしてると平和を感じる。

 あのゾウとの決戦から半年だし、月日はあっという間だ。


「さぁお弁当を食べるさぁ」


 そう言ってナターシャが弁当を広げる。

 徐々にだが、食料供給率も上がり食べ物の値段が下がりつつある。また動物達も増えて来た。なので、レーションと言う味気ない食事が減りつつあった。


「エーコは、どれを作ったのかな?」

「卵焼きだよー」

「どれ」


 一つほうばり、咀嚼。


「うん~~美味い」


 塩見が調度良い。厚辛卵だ。

 俺好みに甘いのではなく、辛口であり、食べごたえがあるように厚い。

 二人は俺好みに作ってくれる。

 勿論俺好みでも二人に合わない場合もある。今回の場合エーコは、厚甘卵の方が好みで別に作ってあるのだろう。


「どういう事さぁ? エーコが作ったのを先に食べるのかねぇ?」


 いじけたように言ってくるナターシャ。


「だって美味いのは食べずともわかりきってるじゃん」


 そう言ってナターシャが作ったと思われる唐揚げをパクリ。

 う~~~美味い。

 やっぱナターシャが作ったのが一番だな。

 そもそもエーコの料理はナターシャに教わってる。早々に師匠を越えられたら、ナターシャに達せがないのだろう。


「嬉しい事言ってくれるさぁ。じゃあどんどん食べ……」

「どうした?」


 ナターシャがの言葉が途中で止まったので問い掛けた。


「……アーク、それ何?」


 ナターシャの視線が俺の真下に注がれる。

 うん? なんだろ?


「なんじゃこりゃ?」


 俺が座っているとこに魔法陣が浮かび上がる。それは赤く明滅し大きくなって行った。


「アーク!?」


 エーコも驚く。

 なんかこれまずくね?

 そして一層光が増した。眩しいくらいに光り、視界が塞がれる。


「「アークっ!!」」


 二人が慌てて俺に触れて来ようとしたのが眩しくても気配で分かる。

 そんな二人を俺は突き飛ばす。


「アーク?」

「ちょっとー」


 この魔法陣は俺を狙ってのもの。二人を巻き込むわけには行かない。そう思い突き飛ばしたのだ。

 やがて二人の気配が、ピタっと消える。代わりに何十人もの気配を感じ、光りも収まった。


 俺は、だだ広いとこに座っていたので、立ち上がり見回した。周りに何十人もいるが、どれも黒、黒、黒、黒。みんな髪が黒なのだ。

 金髪や茶髪も混ざってるようだが……。

 歳は皆十五歳前後といったとこだろうか。全員同じ服を着ている。これは何処かの学校指定の制服だろうか……?

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