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EP.01 作戦会議を始めました

すみません

時間がなく暫く休んでおりました

「さて、では作戦会議を始めようか」


 エドが号令を掛ける。

 それにより、それぞれ歓談してたみんなが中央に集まって来た。


「皆、もう見てると思うが、山より大きな魔物の討伐だ」


 チェンルから見えており、この宿屋に向かう途中にそれぞれ、それを垣間見て騒いでたな。


「では、ここからアーク頼む」

「ん?」


 エドが俺に話を振り、その際にロクームが眉をひそめたのが視界の端に映った。

 なんだろうか? まあ良いっか。説明するか。


「あ、あ~……あれは明後日の昼過ぎ頃動き始める。当初の予定では明後日の朝に討伐しに行く予定だったが、えーっと一日予定が早まった。なので明日討伐しに行けば、どんなに苦戦しても丸一日余裕があるって訳だ。仮に移動開始しても、俺達の知ってる場所なら帰れるのだが、楽観視はできないし、町や村を破壊されるかもしれない。えっと、と言う訳で動き出す前に討伐したい訳だ」


 ふーなんとか言えた。めっちゃ緊張したな。十一人の前で説明するとか、俺にどんな羞恥プレイを要求するんだ。

 コンチキショー! まあつっかえつっかえだったのはご愛嬌。


「待つでガンス。何でお前が仕切ってるんでガンス? それに明後日動き出すとか何で知ってやがるんでガンスか!?」


 ロクームが何故かおかんむりだ。突っかかって来やがった。エーコ達から聞いたのではないのかな?

 俺があの屋敷を調べて色々分かったって。さて、どうしようかね。


「ロクーム、聞いていなかったのか? アークは私の依頼で、あのゾウとやらを造った奴の屋敷を調べたのだ」

「そ、うなのでガンスか?」


 俺が悩んでるとエドが代わりに説明してくれた。やはりロクームは聞いていなかったのだな。

 だが、エリスは黙って聞いてる。やはりエーコあたりが確り説明したんだな。

 どうせロクームの事だ。女の事ばかりで頭に入っていなかったのだろう。

 もしかしたら、ナターシャばかりを見ていたのか……。そうならイラっと来るな。


「ああ。だからアークに説明して貰ってる」

「だったらエドでも良いでガンス アークから聞いてるんでガンスだろ? こんなまともに喋れてない奴に任せるなでガンス!」


 カッチーン!


 悪かったな。まともに喋れてなくて。マジうざくなってきた。


「私も全てを聞いた訳ではない。黙って聞いてろ」

「分かったでガンスよ」


 ロクームが苦虫を嚙み潰したよう顔で引き下がった。よし、じゃあ説明再開だな。


「ウッホン! で、あのゾウだが、足を同時に潰さないと再生する。なのでバラけて、同時に潰して貰う。配置だが……」

「やっぱ納得いかねぇでガンス。何でお前が仕切るんでガンス? 配置なんてお前に決められたくねぇでガンス!!」


 またかよ。いちいち話の腰を折らないと気がすまないのか? クソが!


「黙れ! そして消えろ!」

「なんだと?」

「ちょっとアーク!」


 流石に頭に来まくったので、言い返したら、ナターシャに止められてしまう。


「エリス、頼めるか?」

「分かった」


 エリスに頼むと、ロクームの腕を掴みだす。


「何をするんでガンス? エリス」

「良いから、お前は出ていろ」


 そのまま引っ張って行く。

 ザマーー!!!!!!!!!!!


「何ででガンス?」

「煩い! 出て行け!」


 そのまま扉に引きずられ、追い出された。


「すまないアーク。これで静かになったし続けてくれ」

「じゃあ続ける。アレの足は六本。六手に分かれる。まず右前足、エドとユキ」

「分かった」

「分かったルマー」


 ちなみにどんな仕掛けか事前に武に聞いてる。従って、その仕掛けを突破が可能な人員にした。


「次、左前足はナターシャとエーコ」

「分かったさぁ」

「分かったよー」


 この二人がセットなのは、ダークが来ると予想されるからだ。

 戦力を下げないために余計な戦闘は避けるには、エーコが説得するのが一番だしな。


「次、右中足はムサシとエリス」

「承知したでござる」

「あとでロクームが煩いぞ。一応ロクームと別行動にした理由を教えてくれ」


 尤もだな。


「この右中足は、魔法が封じられた中で、強力な魔物と一対一(サシ)で殺り合わないといけない。悪いがエリスでも一人で勝てる相手ではない」


 接近戦でエリスより弱いロクームじゃ話にならない。


「確かに……魔法が封じられた中では厳しいかもな。それならムサシが一人で戦うのだな? それは分かるが、私の役目は?」

一対一(サシ)の前のザコ狩りの援護と、一対一(サシ)での戦いの前後は魔法が使えるから、ムサシの回復だな。中位以上が欲しいからエリスにした」


 下位で追いつけないダメージを負うかもしれない。正直ムサシじゃ少し不安なんだよな。

 まあそれでもムサシは接近戦において、かなり強い方だし任せるしかない。


「理由は分かった……。しかし、何故お前は、そんなに私達に詳しい? 私の力量も把握してるようだし」


 げ! そう来たか。ここでダークですって言う訳には行かないし、なんて答えよう?

 俺は助けを求めるようにナターシャ、エーコ、ルティナを見た。

 しかし、三人とも無理無理と言わんばかりにかぶり振る。簡便してくれ。


「あー、それは私だな。私が個々の能力を教えて、適切な配置をアークに任したのだ」

「なるほど。良く分かった」


 エドがフォローを入れてくれた。助かったー。

 しかもロクームがいなくて良かった。『だったら、仕掛けをエドに教えろ』ってまた突っかかって来られるとこだった。


「では次、右後足は俺とアル」

「応!」

「次、左中足はロクームとガッシュ」

「分かった分かった」


 さて、この左中足と次に言う左後足は未完の場所。繰り返す中で、タケルがまだ踏破していないんだよな。

 正直賭けなんだ。ロクームは冒険家だし、未完の場所だろうが、慎重に進めるだろう。ガッシュも野生の感でどうにかなりそうだしな。


「最後、左後足は武とルティナ」

「はいよー」

「分かったわ」

「ルティナちゃん、宜しくね」

「ええ」


 ここは武の希望だ。どんな難関な場所でも突破してみせると豪語した。

 まあ実際前足と中足は全部一人で攻略してるしな。右中足は俺とルティナがいたけど、ぶっちゃけいらなかったし。


 ただ不測の事態も考えられるから、自分の不得意な魔法が得意な人と一緒が良いと言いだしルティナを指名した。

 武は中位クラスの回復魔法が使え、その魔法が不得意と言っているのだ。そうなると上位が使える者と限定される。

 上位が使えるのはエーコとルティナとエリスの三人のみ。エーコはダーク説得にナターシャといるべき。


 そうなるとルティナとエリスだけだ。だから良いんだけどね。良いんだけどさー。

 絶対お前、独身の女だからルティナを指定しただろ?

 それに武とルティナってめっちゃ過剰戦力じゃね? 武&ルティナvs残り全員ってなった時に武&ルティナが余裕で勝つ程の過剰戦力だ。


「以上だ! 何か質問は?」

「応! 何で俺はアークとなんだ?」


 真っ先に声と手を挙げたのはアルだ。


「お前、武からアンクレット貰っただろ?」

「ああ」

「左中足はスピードが要求される。お前はアンクレットの力で対応できる。それに……」

「それに?」

「お前との模擬戦なんてめんどくせぇ」

「はぁ?」


 俺の投げやりの言葉にアルが素っ頓狂な声を上げた。

 他の皆も何を言ってるんだ? って顔で見てくる。


「今回一緒に行くんだ。勝手に俺の動きを見て勝手に速くなれ。速さを求められて模擬戦挑まれても迷惑だって事だよ」

「お、おう」


 俺が投げ出すように言うとアルが呆気に取れたような返事をした。


「他には?」

「では私が」


 次はエドが挙手した。


「何だ?」

「エーコとタケルは、君の交流関係的に恐らく本人に直接言ってるだろう。他の面々も今言った。そうなると私とユキだけが、この配置の理由を知らないと思える。なので是非聞きたい」

「余り」

「はい?」

「だから余り」


 ぶっちゃけそこ余りなんだよな。厳しいそうなとこや、タケルの指定から配置し余ったのが、右前足。

 言い方は悪いが、ここは二人いれば大半が攻略できる。つまりエドとユキである必要はない。


「そ、そうなのか」


 何故かエドが意気消沈して肩を落としているな。まあはっきり余りとか言ってしまったし。

 仕方ねぇ。少しフォローしてやるか。


「あえて言うならユキとの連携」

「連携?」

「ユキが魔物と言うのもあるが、交流が皆と少ない。そんな中、おそらくはエドが一番交流してる筈だし、ユキの事をよく理解してるだろう。だから連携しやすいと考えた」

「なるほど。良く分かった」


 ふ~。エドが立て直してくれたぞ。

 あの二股クソ野郎ならともかく、エドには世話になってるしな。


「じゃあ他に何か質問はあるか?」

「じゃあ私から」


 次はエリスか。


「何だ? あの二股クソ野郎関係だったら、あまり話したくないな」


 おっとつい本音が。


「ふふ……二股クソ野郎か。言い得て妙だな」


 エリスが柔らかく微笑む。が、直ぐに冷え冷えした笑みに変わる。


「だが、あまりそれを私の前で言うな。あんなのでも私の旦那だ」

「ご、ごめんなさい」


 反射的に謝ってしまった。だってめっちゃ怖かっただもん。


「まぁ良い。で、聞きたいが、先程同時に潰すと言ったな?」

「あ、はい。言いました!」


 あまりの怖さに、直立不動のきょうつけを行い言葉もへりくだってしまった。


「どうやってだ? 分かれているのに合図をどう送る?」

「あーすまない。それ言い忘れてた。エド」


 俺はエドに水を向ける。


「それはこれを使う。我がフィックスで開発したもので、範囲が限定されてしまう試作段階のものだが、今回はこれが使える」


 エドが引き継ぎ、あるものを取り出す。


「フィックス城は機械技術の最先端でござるからな。これは期待できるでござる」


 とムサシ。

 この後も細々とした事を話し合い解散となった……。

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