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EP.02 オドルマンを追い掛けて

「よーするにそのオドルマンをぶっ飛ばせば良いのだな?」


 ラスラカーン世界の事をパルサちゃんに聞いて、そう結論付ける。


「でも、もうこの世界にはいないサ」


 なん……だと?


「どういう事だ?」

「これを見るサ」


 中空に浮いたモニターをこちらに向けられる。そこには扉のようなものが映っていた。


「これは……まさか次元転移門?」

「良く分かったかしら」


 マジかよ。前にもお目にかかったが、こんなものを良く作ったな。次元転移魔法(ハイ・ラーク)が使える者がいれば、その魔法を解析して作れない事はない……らしい。

 らしいと言うのは俺は科学者じゃないから詳しく分からないからだ。

 ともかく前はそうやって作られたとか。だが、この世界は魔法がない。なのに作り上げたのだ。オドルマンって野郎は天才……いや、変態だッッ!!!!


「変態って言うか変人サ」


 おっと突っ込まれた。


「この門をくぐったのは何人いる?」


 人数によってはめんど臭い。全員始末するか、こっちの世界に引き吊り戻さないといけないからな。


「オドルマン一人かしら」

「はぁ!?」


 普通実験とかで部下を通したりするだろ? 失敗してたらどうするんだよ? それに他の世界に侵攻するなら大人数も必要だろうに。


「余程疑り深いのか、部下には次元転移門がある場所を教えていないのサ」

「そんなものを良く見つけられたな」


 人の口に戸は立てられいが、次元転移門の場所はオドルマンしか知らないなら探すのは大変だろうに。


「ふふ~ん」


 パルサちゃんが無い胸を張りドヤ顔しだす。まぁそりゃそうしたくなるはな。一体どれ程、これを見つけるのに苦労したのだろうか……。


「よーーしよしよしよしよし。偉いぞ」


 俺はパルサちゃんの獣耳をモフり出した。


「いや~ん」


 また体をクネクネしてるよ。


「ご褒美にもう一回戦してやろうか」

「……それは良いかしら。タケル長いサ」


 パルサちゃんがげんなりした顔で言って来て、直ぐにジト目で見て来る。


「一体この一週間で何人の女の子を抱いてきたのやら」


 何人だろう? めんど臭いし数えてない。


「それでこの場所の警備は?」

「あー誤魔化したかしら?」

「いや、続きを聞きたくてな」


 別に良いだろ。めんど臭い。


「は~……これがタケルかしら」


 大仰に溜息つくなよ。


「迷路のような建物に巡回する傭兵ってとこサ」

「傭兵? そんなのがいるなら、その傭兵に次元転移門を見つけられるだろ?」

「それが巡回ルート的に見つけられないように計算されてるのサ」

「それはまた……」


 相当用心深いな。


「そんな訳でタケルには、まずその傭兵の一掃をして貰うサ」

「了解」

「だけど、その前にネット上で何回か戦ってくれにゃ~い?」


 猫撫で声、それも猫言葉になるなよ。猫亜人だけどさ。


「何でまた?」

「ビジネス」


 は~。察してしまい溜息が出てしまう。ネットだけのやり取りじゃ金に限界があるんだな。

 ここの宿代もあるだろうし。もしかしたら、どっかから引っ張ってきたお金を返せてないのかもな。そんな訳で数回俺はネット上で暴れた。


 その後、次元転移門がある迷路になってる建物にいる傭兵を一掃。本当に迷路だ。迷う。

 索敵気法(さくてきほう)では、人の動きが敏感に分かるが空間を掌握する事は完全に出来ないしな。

 だが、パルサちゃんのナビのお蔭で助かった。常に俺の横の中空にモニターがあり、地図と現在地を示していてくれていた。


 ……ただネコがうざい。その地図アプリは絶対パルサちゃんが作っただろ? 地図の中にやたらネコがいる。

 しかもそこを曲がれの合図が『にゃ~ん』だしな。ほんとうざい。そんなわけで俺は次元転移門の前まで来た。


《寂しいけど一旦お別れサ》


 モニターの地図からパルサちゃんの顔が映りそう言ってきた。


「帰ってきたらまた相手してやるからな」

《そう言って、また新たな女の子を垂らし込んでいるんじゃないかしら?》


 それは否定出来ない。


「例えそうでも今回はパルサちゃんが頑張ってくれたから、要望は聞くぞ」


 ほんと今回はパルサちゃんにはかなり助けられた。いや、こういう文明が進んだ電子的な世界は全てパルサちゃんに助けられる。電脳世界の猫魔女と呼ばれているだけはある。


《約束だからかしら》

「了解」


 俺はそう言って次元転移門をくぐった。こうして俺は再び星々の(スターライト)世界にやってきたと言うわけだ。ちゃんちゃん。

 って、まだ終わらんぞ? ここからがまた面倒な事になるんだよな。時間逆行する世界は、ほんとめんど臭い。


 俺は次元転移門をくぐり別の世界にやってきた。


「ここは……洞窟か?」


 どうやら洞窟にいるようだ。とりあえず出よう。だが迷った。初めて来る洞窟に放り出されれば、そりゃ迷うよ。そして出られたのは夜だ。


「あれ? なんか見覚えが……」


 空を見上げてると満天の星空が広がってる。だが、その星の並びに既視感を感じてしょうがないのだ。


「<転移魔法(ラーク)>」


 試しに転移魔法(ラーク)を唱えた。


「あ! やっぱり」


 確り使える。一度来た事ないとこには飛べない転移魔法で確り飛べた。俺は昔に訪れた旅人を襲うふざけた村の前に来ていた。

 ここは星々の(スターライト)世界だな。知ってるとこに来るとは偶然か?


「<転移魔法(ラーク)>」


 前に来た事がある世界だとわかり直ぐに元の洞窟の入り口に転移魔法(ラーク)で戻って来た。


「<空間跳躍噴射魔法(ウィング)>」


 続けて空間跳躍噴射魔法(ウィング)を唱える。この星々の(スターライト)世界にあった風系上位飛行魔法(ウィング)を俺なりにアレンジした。空間魔法と炎魔法の組み合わせだ。ただ燃費が悪いんだけどな。

 俺は空高く舞い上がり、大陸を俯瞰した。


挿絵(By みてみん)


「ふむ。ユグドラシル大陸と同じく小さい大陸だな。だが船での移動が多い」


 大きさは大した事ないが地続きになっていないのは面倒だな。それを確認すると地に降りた。

 さて、空に浮いた時に確認したが東に町があるし、今日はそこで休むか。そう考え東に歩いて向かう。空間跳躍噴射魔法(ウィング)じゃ直ぐガス欠するからな。

 それとこの世界では、道着でもたぶん目立たないだろう。と言うかラスラカーン世界の服のが前衛的過ぎる服だ。なので、着替えるか。


「<着装>」


 右腕を右に突き出し言霊を唱える事で一瞬で道着に変わる。この道着に付与された術式は便利だね。

 やがて町が見えて来て銀月と言う宿を取った。お金は物々交換で、どうにかなった。この大陸は、どうやら深刻な資源不足のようだ。

 次の日は、情報収集や物資をそろえる為に俺が最初に立ち寄ったエルドリアと言う町で一日過ごした。

 物資とは、この世界でも違和感ない服や旅に必要な道具だな。俺の収納魔法(ストレージ)の中には、それなりに入ってるがやっぱ限りがあるし。足りない物の補充とかだな。

 服は一応買うが、どこかに潜入とか紛れ込むとかしない限り着ないだろうけど。そもそも今着てる道着は、お気に入りで炎を無効にし、核さえやられなければ再生する優れものなので、滅多に着替えない。性能良過ぎるのだ。


 そして、二日後を情報を集めがら各地を回った。

 大陸の切れ目は空間跳躍噴射魔法(ウィング)で横断。この世界の船は、かなりのんびりなので、ガス欠する可能性が高いが空間跳躍噴射魔法(ウィング)で移動した方が良い。

 本当なら空間跳躍噴射魔法(ウィング)で大陸中を駆け回りたいが、俺にはそこまでの魔力はない。

 修行期間が四年の間、気の鍛錬を重点においていた。そのお蔭で魔力操作、魔力制御が苦手で絶対魔力量も少ない。そう俺にも弱点があるって訳だ。

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