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EP.01 タケルとパルサ

再開します

最初から確認したのですが、年齢とかをミスしまくっていました

全て修正したつもりですが、残っているかもしれません

治は15歳の中三で引き籠りになり2年後にFFOをプレイ。その2年後に異世界転移しております

その後、タイムリープを繰り返すようになるまで約2年間異世界で過ごしているという設定です(もっとも過去に飛んでいるので、意識不明の月日を含め体感では2年以上ですが)

 俺の名は渡内 武。今は星々の(スターライト)世界に来ている。

 何故この世界の名を知ってるかって? 前にも来された事があったからだ。全くあっちこっち連れ回されていい迷惑だぜ。


 前に来た時は北欧神話にありそうな名前の村で一泊したら、旅人を襲うふざけた村だった。全員ぶっ飛ばしてやったがな。

 まぁそこで風系上位飛行魔法(ウィング)と言う魔法を覚えられたのは良い収穫だった。とは言え、俺は風系魔法は使えないので、他の属性で使えないか試行錯誤したんだが……。おっと話が反れた。


 何故星々の(スターライト)世界に来てるか話す前に、そもそも何故異世界なんてとこに来てしまったかを語らないといけない。俺は、あるダチと一緒にいたばっかしに異世界に呼ばれてしまった。正確には俺のダチが……。

 勇者召喚と言うテンプレも良いとこの理由でダチが異世界に行く事になった。俺は近くにいたって理由で巻き添えになってしまったのだ。

 しかも本命は勇者のダチで、巻き添え喰らった俺は、人里離れたとこに転移するとか最悪な展開。

 その後、生き延び、そして元の世界に帰る事を目指し、自らを鍛えダチとも再会した。

 しかし、召喚した連中は勇者以外いらんと言う態度で、しかも勇者しか送還出来ないとかふざけた仕様だった。全くナメてるよな?


 そしてある時、自称神を名乗る奴が俺の前に現れ、その自称神は契約を持ち掛けて来た。『自分が管理する世界を渡り歩き安定させろ』と。

 さすればいずれば元の世界に帰すと言い出したのだ。俺には選択の余地がなかったので従う事にした。お蔭で自称神の犬だな。全く!

 そもそも安定ってなんぞやと言いたくなる始末。一番手っ取り早いのは滅ぼす事だとか。

 おいおい神がそれで良いのか? これだから自称は……。


 まぁ幸い俺には鍛えた力もあるし滅ぼそうと思えば脆い世界なら可能だ。だが、面白くない。

 どうせなら面白可笑しくやってやろうじゃないか。そんなわけで一つ自分の中で制約を作った。

 可能な範囲でその世界の事はその世界の奴にやらせる。俺はちょっとした手助け程度。じゃないとバランス悪いしな。

 勿論どうしようもない時は全部俺がやる。


 そんなわけで安定させる為に様々な世界を回る、異世界漂流者となった。安定とか漠然としていたが、その世界の脅威を潰せば良いのだと徐々にわかってきたし。

 出来ないなら滅ぼせば良い。実は滅ぼした世界もあったり……。

 俺一人ではめんどーだし限界があるので、仲間達と一緒にだけどな。色んな世界を回るので、様々な世界で仲間ができたし。

 俺の事情はこんなとこで。では、何故星々の(スターライト)世界にいるか話そう。そもそも最初はラスラカーン世界にいたのだがな。


「次はラスラカーン世界に行け!」


 これだよこれ。一つの世界を安定させると自称神が俺の前に現れる。そして異世界転移させられるのだ。幸い次元転移魔法は習得したので、いつでも他の世界に戻れるがな。

 仲間の力が必要なら、その仲間がいる世界に転移すれば良いだけだけ。難点は一度行った世界にしか飛べない事だな。

 それはともかく一つの世界を安定させると、『次は〇〇世界へ行け』と言われ、その世界に行く事になる。次に安定させる世界はラスラカーン世界ってとこらしい。

 そこからなんやかんやあって一度行った事がある星々の(スターライト)世界に再び来る事になったって訳だ。

 なんやかんやってなんやって? それは長くなるから順を追ってな。


 って訳で、今回の冒険の舞台はラスラカーン世界。冒険なんかしたくないがな!! けっ!

 と言うかさっさと元の世界に帰せ! 何年も自称神にコキ使われている始末だ。


 ちなみに俺が最初に勇者召喚に巻き込まれたのは十九歳の時。その後、自らを鍛えるのに四年。そして、自称神が来やがって契約して十年くらいになるか。しかし、若い姿に戻れる術を見付けたので、肉体的に二十歳~二十八歳を維持するようにしている。今は二十五歳だな。

 あ~~あ。ともかくやってやれねぇ。帰りてぇな~~~~~。


 俺はラスラカーン世界行けとか言われて強制転移させられたが、実は一週間放置していた。一週間何をしていたかって? 他の世界の物見遊山さ。

 とは言うものの安定した世界のアフターケアも兼ねている。せっかく安定させたのに不満を抱く者の暴動などもあるしな。

 そして、何よりラスラカーン世界は、文明が進み過ぎている。俺では、この世界の現状なんて調べようがないので、コンピューター関連に強い仲間を連れて来て、一週間調べさせていたのだ。


「さて、それじゃあ連絡しようかね」


 俺はズボンのポケットから携帯トランシーバーを取り出す。ただのトランシーバーではない。世界を跨いで連絡ができ、魔力で充電出来るように改造してある。大きさは普通のスマホの倍くらいかな。

 トランシーバーを操作し目的の人物に連絡を行う。プルルルル~と三コール程で出た。


《もしもし、タケル?》

「パルサちゃん進捗は?」

《バッチリかしら。今、迎えに行くサ》


 そう言うやいなやパルサちゃんは電話を切り、直ぐに目の前に転移魔法(ラーク)でやって来た。


「会いたかったサ。タケル~」

「はいはい」


 甘えるのように抱き着いて来たので耳をモフった。うん。いつ触っても良い手触りだ。パルサちゃんは目を細め気持ち良さそうにしていた。

 亜人は尻尾や耳を触られるのは嫌がられるものだが、何故かパルサちゃんの一族は喜ぶ。


「じゃあ宿に案内するサ」


 暫く耳を堪能してるとパルサちゃんが離れそう言う。


「<転移魔法(ラーク)>」


 転移魔法(ラーク)を唱えてパルサちゃんが取っている宿屋に転移した。


「随分文明が進んでるようだな」


 俺はベッドと思われるタマゴ型のものを見て言った。


「それじゃあどうするかしら? 食事? 情報? それともあ・た・し?」


 あざとい。言い方もだが、俺の懐に入り込み見上げて来るとことかが実にあざと過ぎる。


「じゃあパルサちゃん」

「いや~ん」


 言葉とは裏腹にめっちゃ嬉しそうだな。体をクネクネさせるなよ。しかし、このベッドじゃ出来んな。仕方ない立ちプレイだな。


「ふ~」


 最近女に困っていないから終わるまでに時間掛かってしまったな。パルサちゃんがぐったりしている。

 困っていないと言うのは、とっかえひっかえしてるからだ。クソ最低だって? それはパルサちゃんも理解してるし、そういう契約なんだよな。って訳で、細っけー事は良いんだよ!! おっと昔のダチの口癖が出てしまった。


 彼女は元の世界では天才ハッカーで、ネット上で知らぬ者はいないと言う程に有名だった。悪事を行ってる者を暴き世間に暴露し、その者を破滅させるなんて事もやっていたので人気も絶大。

 しかし、所詮はハッカー。犯罪だ。徒党を組みリアルでの彼女を割り出そうとする者もいた。

 それでも巧みにそれをかいくぐっていたのだが、味方に裏切り者がいた。

 パルサちゃんが亜人と言うだけで偏見の目で見て、土壇場でパルサちゃんの知り得る情報をネットに公開したのだ。ひでぇ事するなと思い俺はそいつは制裁してやった。別にパルサちゃんの為ではなく俺のストレス解消でだがな。


 それはともかくパルサちゃんは、そのせい居場所がなくなり追われる身となってしまった。なので、俺は契約を持ち掛けた。

 『パルサちゃんが生きて行ける安住の世界に連れて行ってやるし、パルサちゃんが好きなコンピューターを好きなだけ触らせてやるから、俺が目的を遂げるまで、俺のモノになれ』と。


 俺の目的は当然元の世界に帰る事だ。帰れる時になったらパルサちゃんを安住出来る世界に置いて来る予定だ。

 奴隷扱いだって? そうだな。俺の奴隷だな。

 しかし、そうしないとバランスが崩れる。世界間で人を移動させまくると、どんな弊害が出るか俺にも分からん。せっかく安定させたのに、その均衡が崩れたら目も当てられない。

 それに世の中には貧困、差別など様々な問題がある。そんな苦しむ連中を一人一人安住の世界に連れて行ったらキリがない。よって俺はこう言う契約と言う形を取ったのだ。


「さて情報だ。この一週間で調べた事を話してくれ」


 服を着て何事もなかったように椅子に腰を掛けて言った。


「はぁはぁ……鬼畜サ」


 一糸まとわぬ状態でまだぐったりしているパルサちゃんがジト目で俺を見てくる。知るか。奴隷扱いな時点で鬼畜なのは百も承知だ。

 やがて息を整えたパルサちゃんが服を着た。そしてお茶を淹れ始める。


「タケルはコーヒーで良いのかしら?」

「ああ。と言うか、この世界にもあったのか?」

「ないかしら」


 となると事前に準備して来たのか。パルサちゃんはコンピューターバカだと最初は思っていたが、かなり気が利く。


「さて話すかしら」


 そう言って俺の前にコーヒーを置き、席に着く。そして中空にキーボードとモニターを出し素早くキーを叩く。

 パルサちゃんがこういう世界に来るとまずやるのはシステムの掌握。一日目は、それに費やす。

 二日目は、その世界のシステムを最適化したソフトを作り、使い勝手を良くする。本当に天才だ。

 そして残りの五日で、その世界の電脳部分を完全に掌握してしまう。


「ああそうだ。これに着替えるサ」


 そう言って服を差し出してくる。この世界でも違和感ない服を用意してくれたのだろう。と言うか、今の服を着る前によこせよ。と、普通は思うが俺の服は特殊だから、そこを理解した上で着替えた後に渡したのだろう。


「<解除>」


右手を払う仕草をしながら言霊を呟くと現在着ている道着が消え一糸纏わぬ姿になる。今着ていた道着には、そう言った術式が組まれており、一瞬で服が切り替わる。

 とは言え、切り替える服を着ていなかったので裸になってしまう。なので、そこからパルサの用意してくれた服を着た。


 パルサちゃんは、一日目にシステムの掌握と並行して架空口座を作り、金をどっからか引っ張ってくるのだ。

 しかも律儀な事に二日目に最適化したソフトを作った後、ネット関係でお金を稼ぎ、確り金を引っ張ってきたとこの返す。それもデータを改竄し足を付かないようにしてな。

 なので毎回最初に金を持って来て、服や宿を確保をさっさと済ませてしまう。なんとも手際が良い。


「この世界では仮想現実があるサ」


 俺が着替えていると、この世界の説明をし始めた。ネットの中にダイブするのか。そういう世界もあるしな。


「本来ならアバターを使うかしら。勿論タケルが中に入る時もアバターを作るけどベースは今のタケルいけるサ」


 感覚的にはこのまま入るって事か。この世界はそれが出来るらしい。世界によっては出来ない事もある。


「他にも生身をアバターにしてる奴がいるのか?」

「いないサ」


 それは目立つな。まぁ良いけど。


「この世界は、武術レベルが低いかしら。魔法も使えないサ。だからタケルがそのままダイブすれば無敵サ」

「それいつもだろ?」


 苦笑しながら返す。


「……自分で言うかしら? まぁ事実だけど。タケルならどこに行っても無双しちゃうかしら」


 パルサちゃんがフっと微笑んだ。


「電子世界で無双してる奴が良く言うぜ」

「天才だから当然かしら」


 パルサちゃんこそ自分で言うなよ……。そんな訳で電脳世界でパルサちゃんに勝てる奴は、今まで見た事がないな。

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