EP.13 資源の無駄遣いをしていました
「ならっ!」
一本背負いで投げ飛ばす。もう外には落ちた事だし、次々に落とすか。
ロボットの剣を避けると、その剣を持つ腕を掴み投げる。時に他のロボットに当てて牽制したりして、少しづつ数を減らしていく。
流石にどっかで打ち止めになるだろう……。
「はっ!」
もう何十機投げただろうか……。
流石に疲れて来たぞ。いい加減頭にも来たし、全部下位稲妻魔法で倒すか?
ブワ~ン! ブワ~ン!
そう思っていたらアラームのようなものが鳴り響いた。壁や天井のいたるとこについてる赤いランプがくるくる回り光始める。
「うわ! テレビとかで良く見るのだなこれ」
屋敷に侵入したら警報がなり、警備員達に囲まれる奴。と言うか何故に、この世界にこんな技術があるんだって、何度突っ込んだだろうか……。
これはもうダメだな。トンズラするか。
ガッシャーン、ガッシャーン、ガッシャーン……。
「今度は何だ?」
左手側の通路の一番奥からシャッターが落ちて来る。
シャッターが落ちると俺の方に迫ってくるかのように一定間隔にシャッターが落ちて来た。と言うかロボットが無残にもシャッターに押し潰されているぞ。
そのシャッターは、俺の目の前まで迫って落ちると今度は、右手側でシャッターが一定間隔で落ちて行く。
ガッシャーン、ガッシャーン、ガッシャーン……。
まだ音が響いてるな。これはかなり離れた場所もシャッターも落ちたのだろう。
古典的な閉じ込め方するな~。そもそも窓を突き破れば逃げられるんだけど。
シャッターとシャッターの間の俺のいる場所にはロボットが残り三機。他はシャッターに押し潰されたか、同じく閉じ込められた。
「下位稲妻魔法、下位稲妻魔法、下位稲妻魔法」
シャッターに挟まれてるし変なとこがショートする事もないだろう。はい、三機これでおしまいと。三機まとめて白煙を吐き沈黙した。
「さて、邪魔者がいなくなったし、もう少し調べて帰るか」
とは言ったもののをシャッターに挟まれてるし、何処を調べようかな。
いや、最初にシャッターが落ちて来た場所がたぶん怪しい。そこから離すように等間隔に順番に落ちて来たのだから。
走って逃げろ言わんばかりに。つまり、そっちに当たりがある筈。とは言ったもののこのシャッターをどうやって壊そうかな。
「はっ!」
カーンっ!
とりあえず小刀で斬る。弾かれた。何の金属使ってるんだよ? と言うか資源不足だってのに何無駄遣いしてんだよ。
じゃあ闘気剣を試すか。それでダメなら、窓突き破って結局トンズラだな。
「クロス・ファングぅぅぅっ!」
小刀二刀流で上段からクロスするように闘気を籠めながら振り下ろす。俺が得意とする闘気剣だ。
ズッサァァァアっ!!
お! シャッターが三枚抜けた。これ繰り返してシャッターが最初に落ちて来ただろう場所に行ってみるか。
そして、クロス・ファングを放つ事十発……疲れた。どんだけシャッター落としてんだよ。マジで資源使い潰してるな。
此処の主を見つけたらしばき倒してやるのは決定だ。
「さて、怪しい扉の前に来たぞ……ってこれIDカード通すのか?」
カードをスラッシュする溝が扉の脇についてる。どんだけハイテクにしてるんだよ。もうツッコミどころ満載だな。
この屋敷の主ってもしかして俺と同じ異世界人なのかな?
まあそれはともかく、これはどうやって開けようかな? クロス・ファング使って勢い余って扉の中の重要なものを破壊しかねないしな。
「<下位稲妻魔法>」
ってわけでカードをスラッシュさせる溝に手をあて下位稲妻魔法を唱えた。
とある科学のうんたらと言う漫画で、よく電撃流してハッキングしてたな。まあそう上手く行かないかな?
シューっ!
「あ……開いた」
マジかよ。ダメ元でやってみるものだな。
「さてさてさーて」
おっと、漫画を思い出したら、つい別の漫画の大罪人の口癖が出てしまった。中は何があるのかな?
「…………………………はぁ~~~っ!!」
物凄い沈黙の後、素っ頓狂な声が部屋に木霊してしまった。いやだって、まさかこんなのがあるとは……。
何故コンピューターがある?照明、ロボットと来て、今度はコンピューターかよ。
屋敷の主は、俺と同じ異世界人なのは確定だな。
しかも、これはスーパーコンピューターって奴か? いや、家庭用パソコンしか見た事ないから知らんけど。
とりあえずでかい。モニターが縦2mくらい、横1mくらいかな?それが三枚横に並んでる。コンソールらしきものも幅4mくらいかな。